YOKOHAMAホットロッドカスタムショー、2年ぶりの開催まであと僅か 主催のムーンアイズによって製作されたカスタム・マシンを振り返る
バイクのニュース / 2021年12月3日 17時0分
日本最大級のカスタムの祭典YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー※以下、HCS)が2年ぶりに開催されます。ここでは主催者であるムーンアイズが手掛けてきた歴代のカスタムバイクについて振り返ります。
■主催者自らカスタムバイクを展示しショーを華やかに
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年は中止となった我が国最大のアメリカンカスタムカルチャーの祭典、YOKOHAMAホットロッドカスタムショー(以下HCS)ですが、いよいよ来る2021年12月5日(日)に神奈川県、横浜市のパシフィコ横浜で開催される運びとなりました。
今年はまだ世界的な新型コロナの感染拡大が収束せず、海外からのゲスト招聘がない状態での開催となるそうですが、代わりにBMWモトラッドとムーンアイズのコラボレーション・バイクを発表し、HCSオープニングのライドインで華を添えることが決定しています。
1952年に米国、カリフォルニアのサンタフェスプリングスでディーン・ムーン氏によって創業され、’90年からは現代表のShige菅沼氏に引き継がれたムーンアイズというメーカーですが、じつはホットロッドやアメリカン・マッスルカーのみならずモーターサイクルの世界でも過去に数々のマシンを製作してきました。
それは1986年にShige菅沼氏がムーン・オブ・ジャパンを創業し、HCSでモーターサイクルのエントリーが開始された2002年から、より顕著になっています。特に2009年以降、HCSでは「ショースポットライト」としてテーマごとに出展を募り、訪れた人々を楽しませているのですが、Shige菅沼氏はもちろん、歴代のムーンアイズのスタッフたちもテーマに沿ったカスタムを製作し、ショーを盛り上げてきたことはカスタム・バイクマニアの間で周知のとおりです。
今回はHCS直前に、過去の「スポットライト」を中心にムーンアイズが製作したマシンたちを紹介し、カスタムバイクとムーンアイズの濃密な関係を振り返っていきましょう。
※ ※ ※
■2009『YAMAHA SR PALACE』
ヤマハ「SRボバー」
HCSショー・スポットライトの第一回目として開催されたのは当時、盛り上がりを見せていたYAMAHA SRをベースとしたカスタムですが、その際は当時、ムーンアイズのスタッフだった豪州氏が米国のサリナスボーイズにオーダーした“SRボバー”を披露。1978年に初期型が登場し、高い人気を誇るSRをソフテイル化した上でコール・フォスターらしいシートメタルを駆使したボディーワークで仕上げられています。日米のカスタムカルチャーが融合した、ある意味、ムーンアイズらしい1台です。
■2010『Forever Multi Palace』
ELEGANT FOUR
第2回目となった2010年は『フォーエバー・マルチ・パレス』として『国産の三気筒以上のエンジンを搭載したモデル』がベースというレギュレーションで開催されたのですが、ムーンアイズからは’90年に製作された“MOONDA”を彷彿とさせるスタイルの”ELEGANT FOUR”が出展されました。ホンダCB750をベースにロー&ロングのドラッグスタイルが実現されてます。
■2011『Custom British&Bobber』
California Blue
Kalifornia Lime
第3回の『カスタム・ブリティッシュ&ボバー』に出展されたマシンは前年のHCSで披露された“California Blue”と名付けられたトライアンフ・チョッパー。この車両と共にショー会場で飾られたトライアンフTR6ベースの“Kalifornia Lime”は2001年のHCSでも出展。モーターサイクルエントリーがスタートするキッカケとなった1台です。
■2012『Early Days Chopper Extravaganza』
EASY FOUR
1960~1970年代に製作されたチョッパーの手法に準じた車両がエントリーの基準となった第4回のショースポットライトは車種・メーカー問わずという規定でしたが、ムーンアイズはホンダCB750をベースにした“EASY FOUR”を出展。あえてスイングアームを残し、フレームもアンカットとなった車両ですが、そのスタイルはまさに日本のチョッパー黎明期によく見られたもの。これは代表のShige菅沼氏の思い出を具現化した1台といえるのかもしれません。
■2013『Timeless Chopper Spectacular Domestic Models』
EASY TWIN
スポットライトのテーマタイトルから分かりづらいかもしれませんが、この年は国産バイクをベースにしたチョッパー&カスタムという題材で基本的に400cc以下の車両の展示というレギュレーションで開催。ムーンアイズからはヤマハXS250をベースにした“EASY TWIN”が出展されたのですが、コチラも日本のチョッパー黎明期に見られたようなスタイルに仕上げられています。
■2014『The DIGGER BEAT』
MQQN DIGGER
1970年代後期から1980年代初頭にかけてアメリカの北カリフォルニアで発祥した『ディガー』をテーマにしたのが2014年のスポットライトで披露されたのがコチラの“MQQN DIGGER”。1978年のXLCHアイアン・スポーツをベースに完璧なショーコンディションで仕上げられています。
■2015『EXOTIC IRON』
MQQN SPEEDSTER
1957年から1985年まで生産されたハーレーダビッドソンのスポーツスター、ヘッドとシリンダーが鉄となった『アイアン・スポーツ』モデルをベースにしたマシン、というテーマで開催された2015年のスポットライトでは“MQQN SPEEDSTER”を出展。MH製のドラッグスリックやカバータンク内部に配置されたバッテリーなどが印象に残る1台です。
■2016『Mystical Triumph Choppers』
2016年のHCSに展示されたムーンアイズのスタッフのカスタムバイク。VANSとのコラボモデルも展示されました
トライアンフチョッパーをテーマにしたこの年のスポットライトはムーンアイズのスタッフがそれぞれの愛車でエントリー。ストゥープモーターサイクルによるT100とカスタムデラクシーによる6T、そしてムーンアイズのマシンを数多く手掛けるIMファクトリーのT140がショーに華を添えることになりました。またこの年はスポンサー企業のVANSとのコラボバイクも展示。注目を集めたことは記憶に新しいところです。
■2017『Swinging TRADITION』
MQQN SHINE
1960年代のトラディッショナルなチョッパー、というテーマを掲げて開催された2017年のスポットライトの出展車両はコチラの“MQQN SHINE”。フロントフォークが長くなる以前のチョッパーのスタイルがショークオリティで具現化されています。ちなみにスポットライトに合わせてムーンアイズが製作、発表したマシンはこのアーリーショベル(1966~1969年に生産されたハーレー)チョッパーが最後。次なるマシンの登場も期待したいところです。
■2018 『ETERNAL PANHEAD』
Orange Krate
1948~1965年に生産されたパンヘッドをテーマに展開されたこの年のスポットライトでは2007年に製作された“Orange Krate”を出展。じつはこのマシン、ムーンアイズ代表のShige菅沼氏の愛車といえる1台で過去には九州のショー、“F.T.W”などにも自走で参加。オイルタンクやエアクリーナーなどムーンアイズのオリジナルパーツで固められたストリート・チョッパーとなっています。
■2019 『 Slicker and Quicker ”Glorious Shovelhead” 』
2021年のHCSに展示予定のBMW Motorrad×ムーンアイズ“R18クラシック”
前回のHCS、2019年は我が国のチョッパーシーンで最もポピュラーな車両といっても過言でないショベルヘッドチョッパーがテーマ。この時は2017年のスポットライトに登場した“MQQN SHINE”を展示。そして2年ぶりの開催となる2021年のスポットライトは“Unbelievable Japanese Choppers”と題して日本車をベースにしたチョッパーがテーマとなっています。また今年はBMW Motorradとのコラボバイク、“R18クラシック”がライドインでオープニングに登場。ショー開催中にWILDMAN石井氏によってライブ・ピンストライピングが行われ、完成する予定です。
※ ※ ※
ここまで駆け足でムーンアイズによるカスタム・バイクたちを紹介してきましたが、改めて振り返ってみると同社が様々な切り口で“アメリカン・カスタムカルチャー”を盛り上げてきたことがお分かりになるでしょう。
今年のYOKOHAMA HCSまであと僅か。今回は「コロナ禍」での開催により、ガイドラインに沿って入場口での検温や手指の消毒、住所・連絡先の記入などがありますが、ともかく久しぶりのショーを楽しみたいものです。なお、当日は例年どおりバイクや車による来場は禁止となっています。皆さま公共交通機関をご利用の上、“SHIZUKANI”ご来場ください。
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