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ハードコアなオフロードブランド「BETA」から生まれた趣味性バツグンの2台 「RR4T 125LC」「X-TARINAER 250 LD」の楽しさにふれる!

バイクのニュース / 2021年12月25日 11時0分

イタリアの「BETA」は、上質なオフロードバイクを製造するバイクブランドです。今回は最新モデルの4ストロークモデル「RR4T 125LC」「X-TARINAER 250 LD」にジャーナリストの松井勉さんが試乗します。

■デイリーユースも可能な本格派オフロードモデル

 今回はエンデューロ、トライアルモデルに注力するイタリアのブランド「BETA」が送るデイリーユースも意識した2台を紹介します。しかし、そこはBETA。ストリートを意識しつつ、その完成度、キャラクターはマニア心をガッチリ掴むのです。

■BETA「RR4T 125LC」

 見て下さいこの外観。正直、同日にテストをしたエンデューロモデルと見分けが突かないほどRR4T 125LCは本格的。搭載するエンジンは4スト125㏄ユーロ5に適合したイタリア、ミナレリ製で、外装はBETAのエンデューロバイクにインスパイアされたいわばレプリカモデルなのです。

BETA「RR4T 125LC」に乗る筆者(松井勉)BETA「RR4T 125LC」に乗る筆者(松井勉)

 見た目の本物感の源泉は、21インチの前輪、18インチの後輪、φ41mmのインナーチューブを持つ倒立フロントフォークとアルミスイングアームを備えるなど、RR2T、RR4Tシリーズのエンデューロモデルと並べても遜色がない「本気」度です。だからサイズもエンデューロバイクそのもの。シート高こそ若干低めですが、それもドライウエイトで102キロという軽くスリムに仕立てられた車体に助けられてのこと。この時点で「免許を取ったら明日から乗れる125」という敷居の低さを感じる人は少ないはず。

BETA「RR4T 125LC」BETA「RR4T 125LC」

 しかし乗ったら最高でした。ポジションはコンペティションモデル同様、オフロードを攻めまくるのに必須な、シート高め、ハンドルやや低めというもの。ステップに足を乗せるだけで、シートとステップに体重が分散され、前後のタイヤを通じて路面に均等にトラクションが掛かるイメージです。LEDを採用したライト類のシャープなデザインでBETAのスピード感を表します。

筆者(松井勉)が試乗したBETAの最新モデル。左からRR4T125LC/X-Trainer250LD/RR4T350/RR2T 200、250、300筆者(松井勉)が試乗したBETAの最新モデル。左からRR4T125LC/X-Trainer250LD/RR4T350/RR2T 200、250、300

 この日乗ったRR2T/RR4Tの剛力系と比較すれば4スト125㏄エンジンが生み出すパワーは極めてマイルドに感じます。しかし、このエンジン、アクチュエーターモーターで低回転、高回転でカムプロファイルが切り替わる可変バルブタイミング機能を持ち、スリッパークラッチを備える他、燃焼室形状や冷却系も高効率化されパワー+トルクと環境性能を両立させているのです。

 まずはフラットダートで走ってみます。車体に余裕があるせいか、エンジンの低い回転よりもすぐにアクセルを全開にして走りだしたくなります。低回転域よりも中高回転が得意な印象で伸びやかな加速で魅了します。カッチリとしたシフトタッチ、腰のあるサスペンションで、本当にストリートエンジンを載せたエンデューロバイク、という趣です。

BETA「RR4T 125LC」に乗る筆者(松井勉)。ドロの海をしっかりと進むパワーとシャーシ性能を持ち合わせていましたBETA「RR4T 125LC」に乗る筆者(松井勉)。ドロの海をしっかりと進むパワーとシャーシ性能を持ち合わせていました

 一通り撮影が終わり、本格エンデューロマシンで周回した「ドロ沼(もあり)コース」にRR4T 125 LCで挑みます。最初、パワーが少ない分、ドロの海に呑まれてスタック! コーナーで失速! などネガな想像をしました。が、基本全開、高回転キープとなるものの、止まるどころかドロの海をしっかりと進むパワーとシャーシ性能に知らぬ間に乗り手も本気に。高速道路が利用できないため行動範囲は限られますが、これで林道をスポーツツーリングしたらさぞかし快感だろうな、と思います。今の日本メーカーには無いタイプのオフロードスーパースポーツバイクでした。

■BETA「X-TARINAER 250 LD」

 そしてこちらはクロストレーナー250。このバイクは、いわばBETA版のマウンテントレールバイクです。オールラウンドエンデューロバイクをコンセプトに、軽量でコンパクトさをめざし、フルサイズのオフロードバイクでありながら、車体は細身に仕立てた仕様が特徴です。また、エンジンもエンデューロモデルRR 2Tをベースにしつつも、その特性は低中速回転型として扱いやすさを重視しています。

BETA「X-TARINAER 250 LD」に乗る筆者(松井勉)BETA「X-TARINAER 250 LD」に乗る筆者(松井勉)

 その特性、一言で表現すれば、この日走らせたRR2T 250というエンデューロコンペティションモデルより、排気量の大きなRR 2T 300のそれに近い高い性能をマイルドなパワー特性から引き出せるもの。

BETA「X-TARINAER 250 LD」BETA「X-TARINAER 250 LD」

 そしてX-TRAINER 250LD最大の特徴が、BETAジャパンが日本のユーザーの要望でオーダーしたローダウン仕様であること。シート高を910mmから880mmへと下げ足付き性を向上せているのです。さらにサスペンションの設定はソフトで、リアの下げ幅に合わせフロントフォークをトップブリッジから突き出しているため、車体姿勢と前後の重量バランスはきっちり合わせてあり、ライダーが乗った段階で意外とサスが沈むのです。重量98㎏とスリムな車体と相まって「あ、これなら乗れる!」と思える源泉になっています。

BETA「X-TARINAER 250 LD」に乗る筆者(松井勉)BETA「X-TARINAER 250 LD」に乗る筆者(松井勉)

 跨がったポジションはノーマルのままでありコントロール性重視のもの。スターターモーターで目覚めるエンジンは、他のRR 2Tシリーズ同様バランサーを備えたエンジンによりビリビリくる振動を抑え乗り手を威嚇することがありません。
 
 その特性も先述の通り低回転から中回転までマイルドにつながりつつ、しっかりとパワーが乗ってくる2ストらしからぬ滑らかなパワー特性で、フロントアップなどアクションがしたくなるタイプ。言葉を変えれば右手の操作で想像しやすいもの。それでも軽量な車体を軽々と動かすほどパワフルさはエンデューロバイクと同等。前後サスペンションの質感のある吸収性などもマイルドな方向ながらBETAらしさを感じます。

 フラットダートでは遊びの天才か! と言うほどアクションが決まるクロストレーナー250LD。思い切ってドロ沼的になったコースも走ってきました。

BETA「X-TARINAER 250 LD」に乗る筆者(松井勉)BETA「X-TARINAER 250 LD」に乗る筆者(松井勉)

 パワーがある分、RR 4T 125LCよりも各段にスピードをもって走れるのですが、そこはローダウンサス。ペースを上げてジャンプの着地や大きなギャップにそのままツッコむとストロークを使い果たすことも。それでも進路が乱れない安定感はあり。エンデューロ系モデルよりコンパクトな車体ながら、走りのクオリティーはさすがBETA。

 輸入元、BETAジャパンの門永さんによれば、国内の難所の多い本格的なエンデューロレースにも、RR 2Tシリーズではなくなこのクロストレーナー250を選んで参加するライダーも少なくない人気モデルだそうです。

BETA「RR 4T 125LC」(左)「X-TARINAER 250 LD」(右)と筆者(松井勉)BETA「RR 4T 125LC」(左)「X-TARINAER 250 LD」(右)と筆者(松井勉)

 そしてこのローダウンモデルは、レースユーザーよりはよりトレールライディングを楽しむユーザーにオススメだと教えてくれました。その言葉、乗れば納得。こうした本格的な遊び物を造らせるとイタリアの人は天才です。そう思ったテストでした。

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