バイクの新たな楽しみ方を発見!? MotoEライダー大久保光のヤマハ「MT-25」公道インプレッション

MotoEワールドカップに参戦するレーシングライダー大久保光選手が、ヤマハ「MT-25」に公道試乗！そのインプレッションをレポートしてくれました。

■ゆったりと走るというバイクの楽しみ方

　こんにちは！レーシングライダーの大久保光です。

　年末になり寒い日々が続きますね。今回はヤマハ「MT-25」の公道インプレッションを書きたいと思います。

　私は、普段ヤマハのバイクに乗ることが少ないため、今回MT-25に乗れると聞いて、どんなバイクなのかワクワクしていました。

ヤマハ「MT-25」と筆者（大久保光）

　MT-25は、サーキット走行するというよりは、ツーリングやストリートを意識したデザイン。エンジンは、二気筒の同じくヤマハがラインナップするスポーツバイク「YZF-R25」のものと同様の仕様とのことです。

　早速バイクに跨ってみましたが、ポジションは非常に良く、違和感なくスッと身体を収めることができ、程よい高さのハンドルポジションやシートの高さなど、跨った瞬間に「乗りやすいバイク」であると感じることができ、乗りやすさをそのまま形にしたバイクという印象でした。

ヤマハ「MT-25」と筆者（大久保光）。程よい高さのハンドルポジションやシートの高さなどから「乗りやすいバイク」という印象を受けました

　シートのクッション性もほどよい硬さで、ストレスを感じさせることがありません。エンジンをかけると、二気筒の下からしっかりパワー感があるサウンドとアイドリングに心が躍りました。

　発進すると低回転からのトルクがしっかりあり、特に坂道の多いところの上り区間では、そのエンジンパフォーマンスを十分に発揮。街中での信号待ちからの発進も、下からのしっかりとしたトルクがあるためストレスはなく、また低回転を使ってスムーズな走りを実行することが可能でした。

ヤマハ「MT-25」の2気筒エンジン。底回転からのトルクがあり、スムーズな走りを楽しめます

　また、ポジションが非常に楽な体制で乗れるため、長時間の走行でも疲れることは少なかったです。

　バイクによっては長時間乗っていると腰が痛くなったり、腕まわりがきつくなったりすることもありますが、ゆったりとした姿勢が、そういった不快感を和らげてくれているようでした。

ヤマハ「MT-25」のフロントブレーキ。前後ともにABSが標準装備されています

　ブレーキ周り、サスペンションも大型バイクに負けないぐらい、しっかりとした性能を発揮。勿論、ABSも装着されているため、何かあった際のパニックブレーキによる転倒リスクも少ないでしょう。

　サスペンションの動きもバイクのスタイルに合わせて、ゆったりと動いてくれる印象でした。

　レーサーバイクと比べるとさすがに物足りない感が出てしまうようなセットアップでしたが、ゆったりとツーリングを楽しめる速度やライディング姿勢には、バッチリと合った動きをしてくれるので、バイクに身を委ねて安心感を感じながらのライディングができると思います。

ヤマハ「MT-25」に乗る筆者（大久保光）

　勿論トップスピードは大型バイクには劣りますが、ゆったりと長くツーリングを楽しみたい人には、是非おすすめしたいバイクの1台です。

　ハンドリングは、乗りやすさが重視されたワイドなポジションが良い仕事をしてくれている印象。ゆっくりと走っているとそれに比例して、しっかりとした安定感が増す特性となっているため、スピードを出してコーナーを楽しむというよりは、周りの景色を存分に楽しめるぐらいのスピードで走る方が、このバイク本来の性能をしっかりと発揮できるのではないでしょうか。

　普段、私はサーキットでレーサーバイクばかり乗っているため、このようなデザインのバイクには乗ることが少ないのですが、サーキットだけではなく、MT-25のようなバイクを使って長距離ツーリングを楽しむのかも良いかもしれないと、新たなバイクの愉しさを感じることができました。