大排気量の方がロングツーリングで疲れないって言われるのはなぜ?
バイクのニュース / 2022年6月23日 9時0分
梅雨が明け、夏が来れば、待ちに待ったツーリングのベストシーズンがやってきます。近距離の ツーリングのほか、普段足を運ばない遠方へのロングツーリングを計画している人もいるでしょう。ロングツーリングに行く場合、大排気量のバイクが疲れづらく適している、と耳にすることがありますが、いったいなぜなのでしょうか。
■ロングツーリングの際、大排気量のほうが疲れにくい理由とは?
一般的にバイクは、排気量の大小にかかわらずエンジンで進む乗り物です。人が漕いだりする必要がないのに、排気量の違いで疲労度が変わってくるというのを、不思議に思う人もいるかもしれません。
ロングツーリングに行く場合、大排気量のバイクで行くのが疲れないと言われています
そしてロングツーリングに行く場合、大排気量のバイクが疲れづらく適している、と耳にすることもあります。ただ乗っているだけなのに、排気量によって疲れ具合が変わってくるのは、いったいなぜなのでしょうか。
そもそも大排気量のバイクは、小排気量のバイクよりも、エンジンの回転数が低くなります。エンジンの回転数が低いということは、それだけ振動も押さえられるということです。つまり、ライダーの疲労の原因のひとつでもあるバイクの振動が押さえられることが、ロングツーリングで疲れにくい理由の一因になっているのです。
また、もうひとつの理由として、車体の安定性が挙げられます。
バイクは排気量が増えると力が強くなるとともに、車重も増加します。したがって、ある程度の速度を出すと車体が一層安定します。
ロングツーリングの場合は長距離を走行するため大排気量バイクは楽に走行できます
しかし、そもそもロングツーリングの場合は長距離を走行できることが重要なため、大排気量バイクは力が強く直進性が強いので有利といえます。また、ライダーを悩ませる横風も、車重が重い大排気量バイクではあまり気になりません。こういった大排気量バイクの安定性が、ロングツーリングで疲れにくい理由となっています。
では、ホンダ「CB125R」と「CB1000R」という、排気量が異なる同系統のバイクを比較して、疲れにくい理由について具体的に見ていきましょう。
エンジンの回転数を低く抑えて速度を上げられる大型バイク
まずバイクのエンジン回転数を確認すると、CB125Rは6速ギアで60km/h走行した場合のエンジン回転数は、5000rpmです。一方、CB1000Rも同条件の6速ギアで60km/h走行した場合、エンジン回転数は2300rpmになります。つまり、大排気量バイクのCB1000Rは、小排気量バイクであるCB125Rの半分以下の回転数で走行できるということです。
前述のように、エンジンの回転数が高くなるとエンジン含めた車体の振動が大きくなり、回転数が低くなると振動は小さくなります。したがって、振動の少ない大排気量バイクのCB1000Rのほうが疲れにくいのです。
「CB125R」総排気量124cc・最高出力が15ps/10,000rpm・最大トルクは12N・m/8,000rpm
次に、車体のスペックを比較します。まず、CB125Rの総排気量は124cc、最高出力はkW[PS]/rpm) 11[15]/10,000となっています。また、最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) は12[1.2]/8,000、車両重量は130kgです。
「CB1000R」総排気量998cc・最高出力が 145ps/10,500rpm・最大トルクは104N・m/8,250
一方のCB1000Rは、総排気量998cc、最高出力(kW[PS]/rpm)が 107[145]/10,500、最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)は 104[10.6]/8,250で、車両重量は213kgとなっています。
このスペックからも、CB125RとCB1000Rの排気量の差は8倍あり、最高出力も10倍近く違うということがわかります。また、CB125Rと比べ83kgも重たいCB1000Rは、横風に対する安定性を上げるため、さらに疲れにくくなるのです。
※ ※ ※
大排気量のバイクのほうが、小排気量のバイクよりロングツーリングで疲れにくい理由は、振動が少なく車体が安定しているからでした。大排気量バイクは力が強く、小排気量のバイクより低い回転数で同じ速度を出すことができます。
その結果、大排気量バイクは振動が少なく乗り心地が良い傾向にあります。重たい車体が多く小回りは利きにくいですが、一度走り出すと直進性が強く、横風にも煽られにくいことで車体が安定します。
これらの理由から、大排気量のバイクがロングツーリングに適していると言われているのです。
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