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スズキ「GSX-R」の歴史を追う

バイクのニュース / 2022年7月25日 9時0分

「GSX-R」といえば、国内四大メーカーのひとつであるスズキを代表する人気シリーズです。初代モデルが発売されてから、実に30年以上にもわたる長い歴史をもったバイクでもありますが、これまでにどのような歴史を歩んできたのでしょうか。

■スズキの名車「GSX-R」の歴史を振り返る!

「GSX-R」といえば、スズキを代表する人気シリーズであり、初代が発売されてから、30年以上にもわたる長い歴史をもったモデルです。では、これまでにどのような歴史を歩んできたのでしょうか。

発売から30年以上受け継がれる「GSX-R」の血統発売から30年以上受け継がれる「GSX-R」の血統

 そもそも、国内ライダーの多くが中型限定免許だった80年代は、400cc以上のバイクに乗るには、当時難関であった免許区分の限定解除をしなければならない時代でした。そのため、「ナナハン」と呼ばれた750ccの大排気量バイクは、当時のライダー達にとって憧れの存在だったのです。

 そんな中、市販車にもフルカウルを装備した中型免許で乗れる、400cc以下の高性能モデルが続々と登場します。このサーキットテクノロジーが凝縮されたレーサーレプリカマシンが、多くのライダーに支持されたことにより、空前のバイクブームが巻き起こりました。

1983年に登場した「RG250Γ」1983年に登場した「RG250Γ」

 まずスズキは、初代「GSX-R」がデビューする前年の1983年に、「RG250Γ」を発売します。RG250Γは、量産世界初のアルミフレームにクラス最高の45PSエンジンなど、それまでの市販車にはない装備と刺激的な走りで、大ヒットをもたらしました。また、「レーサーレプリカ」という言葉はこのマシンがはじまりだとも言われています。

1984年に4ストローク400ccエンジンを搭載した「GSX-R」を発売1984年に4ストローク400ccエンジンを搭載した「GSX-R」を発売

 RG250Γで成功を収めたスズキは、翌年の1984年に4ストローク、400ccエンジンの「GSX-R」を発売しました。激しさを増す400ccスポーツ戦線で、最もレーシーなスペックを誇り、丸目デュアルヘッドライトにカウル付きのレーサースタイルが、多くのライダー達を魅了しました。

 また、クラス初となるアルミフレームを活かし、59PSで直列4気筒ながら乾燥重量152kgと驚異的な軽量ボディも実現しています。加えて、前輪16インチホイールとアンチノーズダイブ付きフロントフォーク、フルフローターモノサスなど、足回りも一級品でした。まさに「GSX-R」は、400ccクラスのレーサーレプリカブームの火付け役となったモデルといえます。

1999年まで生産された「GSX-R400(1995)」1999年まで生産された「GSX-R400(1995)」

 なお、この初期モデルには、「クラスを超えた性能」という趣旨が込められ、排気量を表す「400」の数字が車名に付けられていません。1999年まで生産され、モデルチェンジを繰り返しながら「GSX-R400」と車名も変更されました。

 そして1985年には、市販車初となる油冷エンジンを搭載した「GSX-R750」が登場します。水冷に比べて、軽量かつコンパクトな油冷エンジンとアルミフレームとの組み合わせで、車重はクラス最軽量の179kgを実現したモデルです。

市販車初となる油冷エンジンを搭載した「GSX-R750(1985)」市販車初となる油冷エンジンを搭載した「GSX-R750(1985)」

 常識やぶりの軽量ボディと圧倒的な走りを実現した、ナナハンレプリカの元祖といえるモデルでもあり、その実力はライバル車の性能向上を促し、750ccクラス全体のレベルアップに貢献したほどとも言われています。

1992年にはエンジンが水冷化された「GSX-R750WN」1992年にはエンジンが水冷化された「GSX-R750WN」

 GSX-R750はその後もモデルチェンジを繰り返し、1992年にはエンジンが水冷化されます。しかし、1998年で国内仕様は販売が終了となり、以降は輸出専用モデルとなっています。

GSX-R750と同デザインを採用した「GSX-R1100(1987)」GSX-R750と同デザインを採用した「GSX-R1100(1987)」

 1986年には、GSX-R750と同デザインの「GSX-R1100」が発売されました。クラス初となるアルミフレームの採用で、197kgの超軽量ボディを実現しているほか、排気量1052ccの油冷4気筒エンジンは、130PSを誇ります。

 ちなみに、GSX-R1100は当時の市販車で世界最速となる、265km/hのデーターを記録したモンスターマシンでもあります。また、それまでのリッターマシンの常識を覆すパワーと軽快な走りで、このクラスに高性能レプリカ化をもたらしたモデルなのです。

 発売後もライバル車に対抗するために毎年のように改良をおこなっています。1989年にはフルモデルチェンジし、排気量を1127ccにアップさせました。このとき、新型のWクレードルフレームを採用したことで、出力が143PSまで向上しています。

水冷化された「GSX-R1100WP(1993)」水冷化された「GSX-R1100WP(1993)」

 その後はツアラー的な性能を強めていき、90年代後半まで販売されましたが、ハイスピード・ツアラーの「GSX-R1100W」が最終モデルとなり、1999年に登場した後継モデルの「ハヤブサ」にバトンタッチしました。

1988年には、GSX-R250のSPモデルが登場1988年には、GSX-R250のSPモデルが登場

 そして1987年には、シリーズ最小排気量モデルの「GSX-R250」が登場します。軽量で高剛性なボディと、新設計の4ストローク水冷マルチエンジンはパワフルなトルクを生み出すモデルです。

1989年にフルモデルチェンジされ登場した「GSX-R250RK」1989年にフルモデルチェンジされ登場した「GSX-R250RK」

 1989年にフルモデルチェンジがおこなわれたことで、車名が「GSX-R250R」へ変更されたほか、アルミツインチューブフレームやSCAIの装備で、レース性能と一般走行での扱いやすさを向上させています。しかし、レーサーレプリカブームの終焉とともに、1991年に生産終了しました。

1997年に再び北米から欧州で販売が開始された「GSX-R600」1997年に再び北米から欧州で販売が開始された「GSX-R600」

 その後の1992年には、海外仕様車としてGSX-R750の車体を共有し、排気量を小さくした「GSX-R600」が発売されます。翌年に一旦生産終了するものの、1997年に再び販売が開始され、北米から欧州へとマーケットの中心をチェンジしていきました。

 1996年に発売されたGSX-R750と、ほぼ同様のフレームを搭載しており、正立式フロントフォークを採用していました。また、600ccながら106PSを発揮し、高性能を誇ったモデルです。

2001年から海外向けに販売を開始した「GSX-R1000 K1」2001年から海外向けに販売を開始した「GSX-R1000 K1」

 2001年には、新型GSX-R750をベースにした「GSX-R1000」が海外向けに販売を開始します。新設計のフレームを採用し、乾燥重量170kgに最高出力160PSをマーク。登場後の2年間にわたり、世界中のサーキットを席巻した最強スーパースポーツモデルでした。

2017年に日本国内仕様として登場した「GSX-R1000R ABS(L7)」2017年に日本国内仕様として登場した「GSX-R1000R ABS(L7)」

 2017年には、8年ぶりのフルモデルチェンジがおこなわれており、日本国内仕様として「GSX-R1000R ABS」が発売されています。

 そして2018年には、GSX-Rシリーズの原付二種モデル、「GSX-R125」が登場しました。

海外向けモデルの「GSX-R150」海外向けモデルの「GSX-R150」

 レーシーなフルカウルに頑丈なスチール製フレーム、力強いDOHC水冷単気筒エンジンを搭載したGSX-R125は、クラス最強のパワーを誇る本格125ccスポーツモデルとして人気を集めています。なお、海外向けモデルには「GSX-R150」もラインナップされているようです。

 このように、一口にGSX-Rと言っても、およそ30年にもわたる長い歴史の中で、さまざまな特徴を備えたモデルが販売されてきました。時代にあわせてモデルチェンジをおこないながら、現在まで販売されていることからも、GSX-Rシリーズの人気の高さが伺えます。

※ ※ ※ 

 1984年に登場した初代「GSX-R」は、バイクの高性能化の躍進に大きく貢献したモデルといえます。そのコンセプトはその後、登場するシリーズに受け継がれていきました。そんな高い基本性能をもったGSX-Rは、これからもファンから愛され続けていきそうです。

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