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バイク映画と言えばコレ! 自由を駆ける野生馬『イージー・ライダー』のハーレーダビッドソン

バイクのニュース / 2023年1月1日 18時0分

バイクが象徴的な映画は数あれど、絶対に外せないのが『イージー・ライダー』ではないでしょうか。アメリカン・ニューシネマを代表する名作と言われながらも、これほど挑戦的で、当時のアメリカの不条理さを描き出した作品は他にありません。

■元祖にしていまなお色褪せないバイク映画の金字塔

 ベトナム戦争や大学紛争、ヒッピー・ムーブメントなどで騒然とする1960年代後半から1970年代半ばにかけてのアメリカで、大きなムーブメントとなったアメリカン・ニュー・シネマの代名詞的な作品である『イージー・ライダー』(1969年)は、ドラッグ・カルチャーやよそ者に対する強烈な排他性など、当時のアメリカの姿を色濃く反映させた作品。

『イージー・ライダー』(c)1969 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.『イージー・ライダー』(c)1969 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

「混迷する時代に“自由”はあるのか?」という問いかけに対し、主人公の“キャプテン・アメリカ”ことワイアット(ピーター・フォンダ)と相棒のビリー(デニス・ホッパー)は、愛車のハーレーダビッドソンにまたがり荒野を駆けますが、待っていたのはあまりに衝撃的な結末……。今も論争や批評の的となる、永遠の“アウトロー映画”です。

 マリファナ密売で手に入れた大金をハーレーのタンクに詰め、不自由なく暮らそうとフロリダを目指すワイアットとビリー。ステッペンウルフの「Born To Be Wild(邦題:ワイルドでいこう!)」がまるでエンジン音のように流れ、星条旗ペイントとチョッパー仕様のド派手なハーレーで出発するシーンは、いつ何度見てもカッコイイ。アメリカの雄大な景色をバックに走る姿はひたすら美しいです。ピーター・フォンダとデニス・ホッパーという、尖りまくった俳優二人が演じる型破りな主人公たちに、当時の若者も共感し憧れたことでしょう。

『イージー・ライダー』(c)1969 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.『イージー・ライダー』(c)1969 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 さて、ここで注目したいのが主人公たちの名前。ワイアットの名前はワイアット・アープ、ビリーはビリー・ザ・キッド、どちらもかつて無法の地と呼ばれた西部開拓時代に自由や正義を求めた伝説のカウボーイやアウトローから取られています。つまり『イージー・ライダー』とは、馬をバイクに乗り換えた現代のカウボーイ、アウトローたちの物語なのです。

 彼らのアメリカ横断の旅が西部開拓とは逆方向だったのもなにやら示唆的です。かつてのアメリカは独立戦争に勝利し、西へ向かって開拓を続け、夢を叶えてきました。しかし、いつしかベトナム戦争が起こり、公民権運動が盛り上がり、夢と理想を語りながらも実現しない苦しさと虚しさに若者たちは直面していました。

 そんな困惑した時代に、ワイアットとビリーは自由を求め旅をします。古い時代の人々から見れば二人は、ただの奇抜な格好のはみ出しものにしか見えなかったかもしれません。自由の国で本当の自由を求めることは、途方もなく突飛で危険なことなのかもしれません。「そもそもこの世界に本当の自由なんてあるのだろうか?」という疑問まで浮かんできます。

『イージー★ライダー』 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 価格:¥4,743+税『イージー★ライダー』 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 価格:¥4,743+税

 あるいは、目的地に着くことよりも、求め続けることが答えなのかもしれません。自由はいつも道の上にある。カスタムのハーレーで走る二人の姿に、そんなことを考えさせられます。元祖バイク・ムービー『イージー・ライダー』はいつの時代も必見です。

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