地面にある「チャッターバー」、ライダーにとっては危険じゃないのか?
バイクのニュース / 2023年2月25日 9時0分
道路に鉄製の突起物が設置されているのを見たことがある人は多いでしょう。これは一般的に「チャッターバー」と呼ばれるものですが、いったいどのような役割があるのでしょうか。また、バイクで乗り上げてしまった場合危険ではないのでしょうか。
■道路に突起物?チャッターバーとはいったい何か
道路に鉄製の突起物が設置されているのを見たことがある人は多いでしょう。これは一般的に「チャッターバー」と呼ばれるものです。
道路に設置された「チャッターバー」の役割は正面衝突の事故を起こさないように開発された
では、いったいどのような役割があるのでしょうか。30年以上チャッターバーを施工している株式会社倉本産業の担当者は、次のように話します。
「チャッターバーは、主に車線分離帯や安全地帯など、クルマやバイクが乗り入れてはいけないところに侵入禁止という意味合いで設置されています。また、反射板をつけることで目視でわかりやすいようにしています」
また、50年以上前からチャッターバーを施工している、株式会社吾妻商会の交通用品部担当者は、「チャッターバーは、元々クルマの対面事故を避けるために設置されました。対面事故が、死亡事故など最も危険な事故を引き起こしやすいからです」と話します。
加えて、「中央分離帯や横断防止柵、コンクリートや植栽などでも対面事故の防止にはなりますが、それらは莫大な費用や施工期間がかかります。そこで、比較的低コストで施工期間も短く完成するチャッターバーの設置が始まりました」とも話します。
チャッターバーの種類は、細長い形のものもあれば四角形のものなど、さまざまです。加えて、バイクやクルマのライトを反射するものや、自ら発光する蓄光版を備え付けているものもあるといいます。
ちなみに、チャッターバーは比較的低コストかつ短期間で施工ができるといわれています。道路では安全面を高めるために広範囲でチャッターバーの設置が必要になるため、低コストで短期間で施工できる意味は大きいといえるかもしれません。
対向車線への飛び出しが予想される危険なカーブや、追い越し禁止区間などで特に多く設置される傾向にある
さまざまな状況で設置されているチャッターバーですが、中央線を越えて対向車線への飛び出しが予想される危険なカーブや、追い越し禁止区間などで特に多く設置される傾向にあります。反対にいえば、チャッターバーが設置されている道路は事故が起きる可能性が高いため、目視で確認できた場合は一層注意して運転したほうが良さそうです。
■走行するバイクにもチャッターバーは対応しているのか?
正面衝突を抑止する役割を担っているチャッターバーですが、ライダーとしては走行中に乗り上げる心配がないか、気になる人もいるかもしれません。では、チャッターバーはバイクを運転する上で危険ではないのでしょうか。
路面に設置されているチャッターバー
株式会社倉本産業の担当者は、次のように話します。
「そもそもチャッターバーは、乗り上げてはいけないということを大前提として作られているため、乗り上げた際の特別な施工はあまりされていません。しかしクルマの場合、乗り上げた時にハンドルが左に切れるような構造になっており、通常車線に戻るようになっています。ちなみにバイクでも、低速であれば左車線に戻ってくるようになっています。また、弊社ではチャッターバーで二輪車の事故を起こしたという話は聞いていませんが、正確なデータを持っている訳ではないので不明です。チャッターバーは、運転者の安全を守るために設置されているので、チャッターバーには乗り上げずに走行してください」
また、株式会社我妻商会の担当者も、「元々クルマの対面事故防止を目的として作られているため、バイクでの想定はされていませんでした」と話します。
「しかし、設置間隔をあけることで、低速であればバイクはそこを避けることができるようになっています。ただし、設置間隔をあけすぎると、チャッターバーとしての意味をなさないため、適切な間隔で設置しています。設置間隔は道路管理者によってまちまちではありますが、2〜5mの感覚で設置することが多いです」
元々クルマの対面事故防止を目的として作られているため、バイクでの想定はされていない
このように、チャッターバーが原因で事故が起きた事例はないとされてはいるものの、
操作を誤れば事故が起きる可能性は少なくありません。例えば高速道路などでチャーターバーに引っかかってしまえば、転んでしまうなどの危険性が考えられます。
身の安全を守るためにも、チャッターバーに乗り上げたりしないよう十分に気をつけたいところです。
※ ※ ※
チャッターバーは、正面衝突の事故を起こさないように開発され、現在では日本中のさまざまな道路で危険を知らせるために設置されています。バイク走行中には自分でも気づかない間に中央線に寄っているケースもあるため、走行中の道路でチャッターバーが目視できれば、近づかないように安全運転したほうが良いでしょう。
チャッターバーが設置されている目的などについてもしっかりと理解して、安全にバイク走行をすることが大切といえそうです。
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