BMW Motorrad「R18 IRON ANNIE」ユンカースの輸送機「Ju 52」をモチーフにした最新カスタム 公開

BMW motorradは大型クルーザーモデル「R18」をベースにした最新カスタムバイク「R18 IRON ANNIE」を公開しました。どのようなコンセプトで製作されたのでしょうか。

■今なお愛される輸送機をイメージ

　BMW motorradは大型クルーザーモデル「R18ファーストエディション」をベースにした最新カスタムバイク「R18 IRON ANNIE」を公開しました。

BMW motorrad「R18」をベースにしたカスタムバイク「R18 IRON ANNIE」

　日本においては2020年5月より受注を開始したR18は、BMW Motorrad史上最大排気量となる1802ccのボクサー・エンジン（水平対向2気筒）を搭載し、往年のモデル「R 5」をオマージュしたデザインを採用した大排気量クルーザーモデルです。

　R18 IRON ANNIEと名付けられたカスタムは、BMWのパートナーであるスイス・シュメリコンVTR Motorrad AG & VTR Customsが手掛けた車両で、ドイツのユンカース社が開発し1930年に初飛行した3発民間輸送機（発動機を3機搭載した飛行機）「Ju 52」（Tante Ju（愛称：タンテ・ユー=「ユーおばさん」）の中でも有名なグレーブラックのルフトハンザ航空カラー（機体番号D-AQUI）のをイメージし製作。

　後に同機体を所有したアメリカ人のマーティン・カイディン氏により名付けられた愛称「IRON ANNIE」という愛称がカスタム車名として用いています。

　VTR Motorrad AG & VTR Customsはこれまで数々のBMW車ベースのカスタムを手掛けてきましたが、R18 IRON ANNIEではコックピットの計器を思わせるタンク一体型スピードメーターやクイックリリースファスナー付きのアクセスパネル、Ju 52の特徴である波型アルミパネルを備えたカウルを採用。

　ブラックアウトしたエンジンやクロームパーツ、DLC（ダイヤモンド・ライク・カーボン）コートを施したフロントフォークインナーチューブにより引き締まった印象で仕上げられています。

BMW motorrad「R18」をベースにしたカスタムバイク「R18 IRON ANNIE」

　また、R18 IRON ANNIEでは、流線型の形状を強調するため小ぶりなビキニカウルを装着。

　7cm短いフロントフォーク、高さ調整可能なウィルバース製ショックでローダウンすることで、その特性をさらに強調しています。

　R18 IRON ANNIEの製作を担当したVTR Motorrad & VTR Customsのオーナー兼マネージング・ディレクターであるダニエル・ワイドマンはこの一台に対して次のようにコメントしています。

「バイクを小さく見せ、ホイール間のフィリグリー効果を高めるために、Kineo製の18インチと21インチの大径ホイールを用意しました。

　R 18 IRON ANNIEで大きなチャレンジとなったのが、リアサイレンサーの部分にあるレプリカの冷却フィンです。これらのパーツを平行で美しい弧を描くように成形し、同時に調和するように固定するには、何度も試行錯誤を繰り返しました。

　燃料タンク、飛行機の尾翼をイメージした尾翼、サイドパネル、コックピットは、アルミニウム板から手作業で成形され、数え切れないほどの時間を費やしました。また、レンズヘッドリベットを多用することで、伝統的な金属製航空機の構造を彷彿とさせるようにしています。

　手づくりの明るいアルミ板がキラキラと輝いているのを見ると、塗装をしなければならないことが少し気になりました。しかし、R 18 IRON ANNIEは、同じくアビエーションスタイルのデザインで知られるSPITFIREとは、より明確に異なるので、その結果には非常に満足しています」。