ブレーキもメンテナンスが必須って知ってた!? ディスクブレーキの定期メンテを徹底解説
バイクのニュース / 2023年4月8日 9時0分
バイクに乗っていて、命に関わる一番のパーツがブレーキです。ブレーキにはディスクとドラムの2種類があり、それぞれ定期的なメンテナンスは必須項目。そこで、ブレーキの仕組みから揉み出しなどのメンテナンスまでをまとめてみました。
■ディスクとドラムの構造とメリット&デメリット
バイクに乗る上で、命に関わるパーツのひとつがブレーキです。
ブレーキにはディスクとドラムの2種類があって、それぞれ定期的なメンテナンスが必須です。具体的には、パッドやシューの残量確認やブレーキフルードの量、そして劣化の確認などですが、バイク特有の揉み出しというものもあります。
そんなブレーキの仕組みから揉み出しなどのメンテナンスまでを、徹底解説します。
ABSの義務化により減少傾向のドラムブレーキ
まず、ディスクブレーキというとスポーツモデル向きというイメージを持っている人も多いと思いますが、現状どのカテゴリのモデルでも、ドラムブレーキの採用は減っていて、ディスクブレーキが増加傾向。ホンダ「スーパーカブ」にもフロントに、ディスクブレーキが採用されているほどです。また、以前であればフロントはディスクで、リアはドラムというモデルも多くありましたが、前後ともにディスクという例も増えています。
構造としては、ディスクを両側からバッドで挟み込んでブレーキをかけるディスクブレーキに対し、ドラムブレーキは内部に組み込まれたシューが内から外に向けて広がって、ドラムの回転を止めるという仕組み。
それぞれにメリットとデメリットがあり、ディスクブレーキは放熱性に優れるので熱によって効きが悪くなる事を防げるのと、細かなコントロールが可能。むき出しなのでメンテナンスがしやすいという点も長所となっています。一方のデメリットは、価格が高いことが挙げられます。
ドラムブレーキのメリットはシンプルでコストが安いこと
ドラムブレーキのメリットはシンプルでコストが安いこと。デメリットは内部で作動しているので熱に弱いのと、メンテナンス性が悪い事が主でしょう。
肝心の効きに関しては、シューが巻き込まれるようにドラムに当たって効きが増す(セルフサーボ機能)ので、ドラムブレーキのほうが制動力は上。と言っても最近は、ディスクブレーキでもピストンサイズなどの工夫によって、十分な効きが確保されています。
なお、前述したディスクブレーキが主流になっている理由としては、ABSの普及があります。ドラムブレーキでもABSは装備できますが、ディスクブレーキのほうが制御しやすいことが、採用モデルが増えている一因です。
■ブレーキのメンテナンス方法とは?
ブレーキのメンテナンスには、ディスクとドラムで共通の部分が多くあり、具体的にはバッドやシューの残量や、ディスクやドラム自体の摩耗確認、油圧であれば、フルードの量と色などを見て、必要に応じて交換するなどです。また分解した際には、各部の洗浄やグリースアップも必要となります。
これらはバイクでもクルマでも変わりませんが、ここで注意して欲しいのが、バイク特有のメンテナンスがあるという点。それが揉み出しで、これはディスクブレーキで行なうもので、ドラムブレーキでは必要ありません。
一体、何を揉み出すのかというと、キャリパーに付いているピストンです。
ディスクブレーキは、ブレーキレバーやブレーキペダルを握ったり踏んだりするとフルードによって油圧が発生し、ホイールに付いているキャリバーのピストンが出て、パッドがディスクを挟むことでブレーキを効かせています。この重要な働きをするピストンの動きが、使用していると次第に渋くなってきます。これを元のようにスムースに動くようにするメンテナンスが、揉み出しです。
ディスクブレーキは揉み出しというメンテナンスが必須
ちなみに揉み出しという作業は、クルマのディスクブレーキには必要ありません。その理由はダストブースの有無にあります。
キャリパーのピストンは注射器みたいな構造で、フルードが漏れないようにゴムのバッキンが付いています。この点はバイクもクルマも同じですが、異なるのはクルマにはピストンの周りにブレーキダストなどが入り込まないようにダストブーツと呼ばれるカバーが付いている点。スペースの問題などで、このダストブーツはバイクにはありません。
そのため、汚れが溜まって次第にピストンの動きが渋くなり、ブレーキのタッチや効きが悪くなるのです。
ディスクブレーキは揉み出しというメンテナンスが必須
揉み出しの方法は、キャリパーとパッドを外し、ブレーキをかけてピストンを出していきます。ピストンは少しずつしか出ないので、何度かレバーやペダルを操作しますが、あまりやりすぎるとピストンが飛び出てしまうので、状態を見ながら加減しましょう。
ある程度ピストンが出たらブレーキクリーナーをかけ、ウエスで汚れを拭くなどした後、ブレーキ専用の潤滑剤を塗ってピストンを押し込みます。これを何度か繰り返していると次第にスムースに動くようになるので、そうなったら余分な潤滑剤を拭き取って終了です。
ピストンが複数付いている場合は、全てこの作業を行います。
ブレーキを確実に、そして気持ちよく効かせる為には、揉み出しを定期的に行なうことが重要。なお、理屈としては簡単ですが、工具やブレーキ用の潤滑剤、ピストンを戻す工具が必要なので、設備や知識などがない人はプロにお願いするようにしましょう。
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