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クルマと共有しちゃダメ? クルマ用とバイク用のエンジンオイルの違いを徹底解説

バイクのニュース / 2023年4月15日 9時0分

バイク用とクルマ用のエンジンオイルは一見すると同じように見えますが、実は違うもので基本的にはバイクにはバイク用のオイルを使う必要があります。その理由は、一体どこにあるのでしょうか。

■エンジンオイルの役割とは?

 バイク用とクルマ用のエンジンオイルは、それぞれ専用の物が売られています。バイクとクルマの両方を所有している場合、共有してもいいのでは?と考える人も居ると思いますが、そんなことはありません。

 基本的にはバイクにはバイク用のオイルを使う必要があるのですが、そこにはどんな理由があるのでしょうか。

エンジンオイルはバイクのエンジンには欠かせない消耗品エンジンオイルはバイクのエンジンには欠かせない消耗品

 エンジンオイルはエンジンには欠かせないもので、もし入っていなければ、あっという間に焼き付いてしまいます。また入っていても性能が劣化したままだと、各部に異常磨耗を引き起こす原因となる重要な消耗品。

 そんなエンジンオイルは摩耗を防ぐ潤滑剤以外にも、下記のような役割を担っています。

・冷却=熱を吸収して冷やす
・清浄=エンジン内部で発生した汚れを取り込んで外に排出する(エンジンが汚れる一番の原因)
・密閉=たとえばピストンとシリンダーの間に入り込んで、エンジンの気密を保つ
・防錆=各パーツが錆びないようにする

 そして、それらの性能は使用するにつれて劣化していくので、オイル交換は定期的に行なう必要があるのです。

■基本になるのはベースオイル

 エンジンオイルを作る際はベースオイルに対し、前述した性能を強化したり、付与するための添加剤を入れて作ります。そのため、基本となるベースオイルの性能は、エンジンオイルそのものの性能を大きく左右する重要なポイントです。

エンジンオイルには様々なグレードがあるエンジンオイルには様々なグレードがある

 ベースオイルの種類は大きく分けて、3つあります。

・鉱物油=原油を精製して作り、高い性能は望めませんが価格は安くなります。
・化学合成油=化学的に作り出したもので、高性能ですが、その分、価格は高くなります。
・部分合成油=鉱物油と化学合成油をブレンドしたもので、性能と価格のバランスに優れます。製造元のノウハウが出やすいベースオイルです。

 なお、最近では鉱物油を化学的に分解して作られる合成油などと呼ばれるベースオイルも増えてきました。これは、化学合成油に近い性能を実現でき、コストも抑えられるのがメリットです。

■エンジンオイルの性能を引き出す粘度について

 ベースオイルはオイルごとに粘度に違いがあって、どういった物を選ぶかは必要とされる油膜の厚さやエンジンレスポンスなど、求められるエンジン性能に対し、最適なものをバイクメーカーが選択し純正採用オイルが決められます。

 粘度は缶に表示があり、10W-30のようにふたつの数字を組み合わされているのが一般的。Wはウインターの頭文字で、常温時の粘度のこと。Wが付かない方は高温時の粘度で、数字が大きくなるほど粘度は高く(硬く)なります。

エンジンオイルの性能やグレードはパッケージに書かれた数字やアルファベットで判断できるエンジンオイルの性能やグレードはパッケージに書かれた数字やアルファベットで判断できる

 粘度が高いと、機械部分の保護力は高まりますが、作動する際の抵抗が増えるので、レスポンスや燃費が悪化する方向性。バイクメーカーは走りのキャラクターも含めて総合で判断し、最適な粘度を決定します。その為、エンジンオイルを自身で選ぶ際もメーカーの指定を守るのが基本。最悪、同じものがない場合は、Wが付くほうは暖まってしまえば関係なくなるので、高温側の粘度を守るようにしましょう。

 ちなみに古いハーレーなど、クラシックバイクにはシングルグレードと呼ばれるW側の数字がない粘度のオイルが指定となっているものもあります。

■性能がひと目でわかるグレードについて

 各オイルには、公的な機関で定められたグレードが表示されています。

 まず、クルマと共通なのがSLのようにSが付くもので、続く英字がPに近づくほどグレードは高くなります。つまりSPが現時点での最高ランクになるのですが、バイク用ではSNが最高のグレード。クルマ用ではSMもあり、これは環境性能を重視した規格のため、バイクではそこまで必要ないという判断もありますが、今後はバイクでも増えていくことが予想されます。

クルマ用とバイク用のエンジンオイルは規格が違うので共有できないクルマ用とバイク用のエンジンオイルは規格が違うので共有できない

 そしてバイクで重要なのが、バイク専用のグレードのエンジンオイル。具体的にはMAとMBというもので、これらはJASOと呼ばれる日本の規格です。

 アメリカの規格であるSLやSMなどが性能を表すのに対し、JASOは性能ではなく特性を表したもの。さらにMA1とMA2、MB1とMB2があって、こちらの数字は性能を表していて、1よりも2の方が性能は高くなります。

 特性を示しているというのはどういうことかというと、クルマのエンジンとバイクのエンジンで大きく違うのはミッションとクラッチを内蔵しているという点。オイルはこれらにも潤滑効果の役割を果たしており、その中でも特に重要なのがクラッチへの潤滑効果です。

 これを踏まえて、MAは高摩擦で滑りにくく、MBは低摩擦でよく滑るというのが特性となるため、マニュアルミッション車ではMA指定、クラッチのないスクーターはMB指定となっているのが通例。もしマニュアルミッション車にMBを入れると、クラッチが滑る恐れがあるため、オイルを選ぶ際はMAかMBかもしっかりと確認するようにしましょう。

 2ストロークエンジンの場合は、2スト専用のオイルを入れますが、ミッションは4ストローク用のMAを使用するようにしてください。

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