一体どんなメリット・デメリットがある？ バイクの並行輸入車を徹底解説

並行輸入車とは、そもそもどういう意味なのでしょうか。その意味やメリット、リスクなどについて解説します。

■並行輸入車って一体なに？

　バイクを購入する際に、「並行輸入車」という言葉を見かけたことがあるという人も多いと思います。その名称から海外メーカーのバイクを想像するかもしれませんが、ホンダやヤマハなどの国産メーカーのバイクでも、これに該当する場合があります。

　そもそも並行輸入車とは、どのような車両なのでしょうか。

街中であまり見かけないバイクが購入できるのも並行輸入のメリット

　並行輸入車は、バイクメーカーが公式に認めている正規代理店や販売店を経由せず、個人や業者が直接海外から輸入した車両のこと。そのため、海外メーカーのバイクであっても、海外市場向けに製造された国産メーカーのバイクであっても、正規ディーラーではない第三者を介して輸入された場合、並行輸入車となります。

　例えばヤマハ「XSR155」や、ホンダ「HORNET 160R」などのモデルは日本国内で未発売となっています。そして、これらのバイクには日本に正規ディーラーがありません。そのため、日本で購入する際には第三者を介して、並行輸入車として購入することになるのです。

　また、並行輸入車と同じような言葉に「逆輸入車」という言葉があります。この並行輸入車と逆輸入車には、どのような違いがあるのでしょうか。

　逆輸入車は、海外市場向けに日本で生産して輸出されたバイクを、再び日本に輸入したモデルのこと。つまり、逆輸入車と並行輸入車には、同じく海外向けに製造されているという共通点がありますが、逆輸入車はそもそも国内で生産されているモデルであり、並行輸入車は海外で生産されているモデルになるので、製造場所に違いがあります。

■並行輸入車のメリットとデメリット

　それでは、並行輸入車にはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、リスクはあるのでしょうか。これらを解説していきます。

街中であまり見かけないバイクが購入できるのも並行輸入のメリット

　並行輸入車のメリットとして、まずひとつ目にコストの削減が挙げられます。並行輸入は正規輸入よりもコストが安くすむことがほとんど。なぜなら並行輸入車は、正規の輸入ルートを経ずに直接輸入されるため、輸入業者のマージンがかからないなど、同じモデルでも正規輸入よりも価格が安くなることが一般的。また場合によっては、輸入時の関税や税金も安く済む事もあるでしょう。

　希少性の高いモデルを手に入れることができるのも、並行輸入車のメリットです。正規輸入では入手困難なモデルを、並行輸入によって手に入れることができるため、外国製の車種や海外市場でのみ販売されているモデル、限定生産品などは並行輸入によってしか手に入らない場合も多々あります。

　加えて、カスタマイズが容易という点も並行輸入車の魅力のひとつ。並行輸入されたバイクは正規輸入車よりもパーツが豊富に出回っていることが多いため、カスタマイズが容易です。また、輸入元国でのカスタマイズ済みのバイクを輸入することもできます。

並行輸入車は修理などの対応に時間やお金がかかることがある

　並行輸入車には前述したようなメリットがある一方で、注意点も多々あります。

　例えば、正規輸入車と異なり、車両の保証やアフターサービスなどのサポートが受けられない場合があることや、車検や法的手続きなどの問題が生じる場合があることなど。また、正規輸入の車両と異なる部品が使用されている場合があるため、部品交換や修理の際に問題が生じる可能性もあるでしょう。

　並行輸入車を購入するリスクについて、バイク館川崎店の担当者は次のように話します。

「並行輸入車は部品の交換が必要になった場合、海外からの取り寄せになるのでメーカーによってはかなり時間がかかることがあります。一方で並行輸入車にもメーカー保証があるものもあるので、そういった車体なら購入店にお持ちいただければ初期不良などの対応は可能です」
　
　並行輸入車には、価格の安さや希少なモデルが購入できるなどといったメリットもありますが、海外から取り寄せることでのリスクも生じます。

　そのリスクをあらかじめ把握しておくことで、購入後のトラブルを回避できるため、十分な調査と検討をおこない、信頼できる業者や輸入代行業者を利用するなど、対策を講じることが重要です。