最近気になるロイヤルエンフィールド!新型『ハンター350』を詳しく分析してみた〜高梨はづきのきおくきろく。〜
バイクのニュース / 2023年4月18日 21時0分
毎月8の付く日は『高梨はづきのきおくきろく。』。今回は、特別編としてロイヤルエンフィールド『HUNTER 350』を徹底的に解剖していくよ。エンジン特性やハンドリングなど、私的に感じた事を素直に表現してみたよ!
■長い歴史の中で培われたロイヤルエンフィールド
1901年にイギリスで創業し、122年の歴史を積み上げてきた〈世界最古の〉モーターサイクルメーカー、それがロイヤルエンフィールドだ。産業革命真っ只中のイギリスの地で始まり、現在はインドでの生産をメインとしている。ここまで出てきた国名2つ取っても世界史を知る人にとっては濃い歴史を想像できるかと思うがここでは割愛。
ロイヤルエンフィールド『HUNTER 350(ハンター350)』に試乗
さて、ロイヤルエンフィールドのラインナップで、普通自動二輪免許、いわゆる”中免”で乗ることのできる400cc以下クラスには『HUNTER 350(ハンター350)』『CLASSIC 350(クラシック350)』『METEOR 350(メテオ350)』の3車種がラインナップされている。中でも、クラシックシリーズは、全世界で累計300万台以上を販売するトリプルミリオンセラーを達成しているほどの人気ぶりだ。
ロイヤルエンフィールド『CLASSIC 350(クラシック350)』
海外輸入車両販売台数を見ると、日本国内でも5位圏内に位置していたりと実は根強い人気を誇っているロイヤルエンフィールドだが、ここに来て日本市場の開拓により一層力を入れているようだ。
■新車発表からわずか半年で10万台を売り上げた『ハンター350』
そんな中、昨年8月に新車発表されてからわずか半年で10万台を売り上げた新モデル『ハンター350』が、日本でも販売を開始した。メテオ、クラシック同様、同じエンジンで派生したモデルになるが、大きくフレーム構造が異なる。混雑した道路状況などでも機敏に動けるように造られたフレームとなっている。
ハンター350 Rebel Red(レベル レッド)※オプション装着車
今回発売されるハンター350はシリーズとしては3つめのモデルとなっているが、カラーリング展開はDapper(ダッパー)からホワイト/アッシュ/グレイ。Rebel(レベル)からはブラック/ブルー/レッド。の6種類を揃えた。
ハンター350 Rebel Black(レベルブ ラック)に初試乗した
販売に先駆けて行われた発表会にて、ハンター350のレベルブラックに試乗することが出来たので紹介していく。クラシックシリーズやメテオシリーズと比べると、骨太なシックな見た目でいかにも力強そうな印象だが乗り心地はどうなのか気になるところだ。
シート高が790mmで足つき性も問題はない※オプション装着車
シート高が790mm、車両重量181kgと、女性でも扱える標準設定となっている。跨ると、身長158cmの筆者でかかとが少し浮く程度なので、足つき性は良好と言えそうだ。
シートにくびれがついているので、ニーグリップにも吸い付くようにフィットしてくれる。下ろした足は開きすぎることなくバランスよく支えることができた。
ステップの位置は膝が90度になる程度で極度に折り曲げることはない
乗車姿勢を取ると、上半身が起き上がる形。ステップの位置は膝が90度になる程度で極度に折り曲げることなく窮屈さを感じさせない余裕のある作り。ハンドル、シート、ステップの着座位置は綺麗で楽なポジショニングを取れるエルゴノミクスを重要視して計算してトライアングルが作られているため、老若男女問わず、誰もが快適なライディングを楽しむことのできる設計になっている。また短いサイレンサーを採用することによって、デザイン性を強調したスタイリッシュな見た目だ。
機動性に富んでいるハンター350
前後にパンクの心配がないチューブレスの17インチタイヤを採用しており、ホイールベースも短く設定されているため、メテオやクラシックと比べるとやや小柄に映るが、その分機動性に富んでいる。
気軽に乗れるモーターサイクルは世界の若者に受け入れられているそうで、ハンター350の「ヤング・アット・ハート(気持ち的に若い方の心を捉える)」というデザインコンセプトにも納得だ。
4ストローク空冷単気筒エンジンは、アクセルを開ければ重低音のサウンドを奏でてくれる
エンジンを始動すると、4ストローク空冷単気筒だが低い重低サウンドの排気音が心地よく身体に響く。ドッドッドッとやや早くなった時のようなリズムがシートから伝わってきて、これがロイヤルエンフィールドかと高揚を感じた。
走らせてみると、思ったより重厚感のある沈み込むような深い乗り味で、シャープな操作性に加えて安心感も得ることができた。
14.9kW(20PS)/6100rpmの最高出力と27Nm/4000rpmの最大トルクを発揮する4ストローク空冷単気筒エンジン
エンジンは、14.9kW(20PS)/6100rpmの最高出力と27Nm/4000rpmの最大トルクを発揮。前述したようにメテオ、クラシックシリーズと同様のエンジンは素直なフィーリングで人気なのも頷ける。エンジンの中にバランサーシャフトが搭載されているため、とてもスムーズに走行でき、公道での車線変更は優雅なもの。発進時のスタートダッシュにも、しっかりトルクを感じ、踏みしめるような力強い発進力を感じることができた。
前後17インチのホイールを採用したおかげで、低速でもしっかり倒し込むことができる
コーナリングにおいても、低速でもしっかり倒し込むことができるのは17インチタイヤのおかげだろうか。シャープな切れ味で、走行したいラインに素早く乗ることができるので、心地のいい落ち着きが感じ取れた。
前後ともABSを搭載した油圧式シングルディスクブレーキを装備しており、徐々に強くブレーキの効きを発揮してくれます。渋滞でトロトロと発進しては停車する状況でもフラつくことなく安定的に行えるためストレスフリーだったのも書き残しておきたい。
350ccといえば、タイプとしても似ているホンダGB350と巷で比較されることもあるようだが、率直な感想としてはまったく別モノ。ゆったりと余裕を持たせてくれるような大らかな乗り味がハンター350にはあり、急いでいる時でもライダーの心得を思い出させてくれるような懐の深さがあった。
アクティブに乗りたい若者に狙いを定めているロイヤルエンフィールドの戦略がハンター350から伝わってくる
今や特別な日や休日だけバイクに乗るのではなく、日常使いとしての使用目的の人が増えた。日本での販売戦略においても、アクティブに乗りたい若者に狙いを定めているのがわかるバイクだ。
海外でローンチしてから半年もの短い期間で10万台以上もの販売を実現したのは実力なんだなと感じることのできた試乗だった。世界各地でも大きな反響を得ているベストセラーモデルということで日本での販売台数も期待できそうなので今後のロイヤルエンフィールドに注目していきたい。
ハンター350の販売価格(税込)は、Dapper(ダッパー)シリーズが税込65万7800円。Rebel(レベル)シリーズが税込66万4400円。
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