古いバイクは要注意!マフラーの寿命を徹底解説
バイクのニュース / 2023年8月15日 9時10分
マフラーは劣化しないと思っている人も多いと思いますが、実際はエンジンからの高温にさらされることもあり、徐々に劣化していきます。具体的には、どのような部分が劣化するのでしょうか。
■以前に比べれば飛躍的に耐久性はアップ
マフラーは、エンジンからの高温にさらされる過酷なパーツであるため、徐々に劣化していきます。つまり消耗品のひとつなのですが、具体的にどの部分が劣化してしまうのでしょうか。
古いバイクのマフラーは基本的に消耗パーツと考えた方が良い。
マフラーには、エンジンから出る排気ガスを浄化したり、排気音を静かにするなどの役割があります。スポーツバイクでは、排気管の取り回しにこだわって、排気ガスの流れをよくすることで排気効率をアップさせるなど、性能の向上にも貢献するパーツです。
一方で、高温にさらされるパーツでもあるため、各部は少しずつ劣化していくのもマフラーの特徴。最近では純正でも排気管にステンレスを使用するなど、耐久性は飛躍的に上がっていますが、以前はサイレンサー部分も含めて鉄でできていたので、時間が経つとサビが出て穴が空いたり、溶接部分が割れたりして寿命を迎え、新品に交換にしたり溶接などで補修する必要がありました。
ちなみに、そうなった場合に溶接で穴や亀裂を埋めても全体的に劣化は進んでいるので、根本的な解決にならない事がほとんど。つまり、マフラーは長い目で見ると消耗品のひとつで、交換やメンテが必要な部品となります。
なお、近年発売された比較的新しいモデルは品質が飛躍的によくなっていて、車体の寿命以上に持つ場合もありますが、使用環境などを考慮すると劣化は避けられません。
■具体的な劣化の流れとは?
マフラーは大きく分けて、排気管と呼ばれるエンジンからの排気ガスを外に出すパイブと、音を静かにさせるサイレンサーに分けられます。
排気管の曲がっている部分の外側は穴があきやすい
まず、排気管のパイプ部分で穴が空きやすいのは曲がっているところの外側で、熱い排気ガスが当たりやすい部分が注意ポイント。また、排気管をエンジンに止めているベースをフランジと呼びますが、ここは管と溶接で付けられているため亀裂が入りやすい部分。溶接する際に高温になるため、劣化しやすくなります。
そのほか、排気ガスには水分が含まれますが、これは熱で蒸発したり、水抜きの穴から排出されるようになっています。ただ、なにかしらの原因で水抜き穴が詰まってしまうと水が溜まりやすくなり、腐食につながることも多々ある部分です。
他にも細かい部分としては、マフラーをフレームに固定するステー部分も割れて外れてしまうことが多いパーツ。
ステンレスが採用されている新し目のモデルは、すぐに穴が空いたり、割れたりすることはありませんが、古い車種や一部のスクーターなどには鉄が使われているので、バイク屋さんなどで時々チェックするようにしましょう。
■サイレンサーはグラスウールタイプに注意
そしてもうひとつのパートであるサイレンサー部分。純正は内部に仕切りを入れることで消音するタイプもありますが、社外品も含めて広く使用されているのがグラスウールです。
サイレンサーはグラスウールが使用されているタイプに要注意
グラスウールとはガラス繊維のことで、熱にとても強いのが特徴。これをサイレンサーの中に入れて音を吸音することで、排気音を抑える働きをします。
網状の仕切りを入れることで飛散防止対策も施されていますが、それでも少しずつ排気ガスによって飛ばされていき、中に入っている量は少しずつ減っていきます。もちろん減っていくとそれだけ消音効果が減ってしまうので、グラスウールの詰め替えが必要となります。
交換はリベットを外して分解するだけなので、それほど難しくはありませんが、巻き方や入れる量などにポイントがあったり、リベットを打ち直す必要があるので、プロに任せたほうが良いでしょう。
またDIYでやる際に、次の交換で楽だからとリベットをボルト&ナットにしているのを見かけますが、保安基準で恒常的に外れない方法とあるので、緩むことがあり得るネジで止める事は認められていません。
最近の騒音基準では、社外マフラーを想定して性能の劣化がないようにするとされているので、サイレンサー部分がすぐにダメになることはありませんが、グラスウールタイプでは構造的に劣化は避けられないのも事実です。
最近、マフラーの音が大きくなってきたかなと感じる場合は、まずは点検し、必要に応じて交換するようにしましょう。
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