暑い夏は涼しい夜に走ろう！ナイトツーリングの注意点とは

夏はあえて暑さの落ち着いた夜にツーリングに行くことで、ツーリングを快適なものにしようとするライダーも多くいますが、ナイトツーリングをおこなうにあたって気をつけるべき点はあるのでしょうか。

■ナイトツーリングは快適だけど...気をつけるべきポイントは？

　夏の日中はライダーにとって非常に厳しいコンディション。体温に近い気温の中、長袖長ズボンのライディングウェアを着てエンジン・マフラーから発熱しているバイクに乗るのは非常に大変です。

　しかし中には、昼間のツーリングを避け、涼しくなった夜にバイクに乗る”ナイトツーリング”へ行くライダーも一定数いるようです。ナイトツーリングは暑さ対策として非常に効果的ですが、夜にバイクに乗る場合ならではのリスクが伴います。

ナイトツーリングは暑さ対策として非常に効果的ながらリスクもある

　ではナイトツーリングをするにあたって、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

　まず夜は視界が悪くなることから、事故の発生リスクが高まります。そのため自分が事故をおこさないように、また、事故に巻き込まれないように気をつける必要があります。

　加えてバイクのヘッドライトはクルマのものと比べて暗い場合も多く、突然飛び出してくる歩行者や動物に反応しきれず衝突、転倒してしまう可能性があります。そのため、昼間に走行する時よりもスピードを落として短い制動距離で止まれるようにしましょう。

　また、昼間の活動の疲労が蓄積されていると運転操作に支障をきたす可能性もあるため、ナイトツーリングに行く前に疲れがないかどうか十分に確認しておく必要があります。

夜はヘッドライトの逆光で対向車の距離が掴みにくくなっているため、右直事故に巻き込まれないよう注意が必要

　なお、視界が悪くなっているのは自分以外のバイクやクルマも同じです。特にヘッドライトの逆光で対向車の距離が掴みにくくなっているため、右直事故に巻き込まれないよう注意が必要です。交差点を直進する際は、対向右折車の動きにしっかり目を向けておきましょう。

　このように安全運転を意識すること以外にも、隣人に騒音で迷惑をかけないよう配慮することも重要なポイントです。

夜中にバイクに乗る際は家から近い幹線道路まで押して歩き、幹線道路でエンジンをかけましょう

　バイクの騒音規制の基準はクルマと比べて緩く、またエンジンも剥き出しのためクルマと比べて騒音が問題になりがちです。そのため夜の遅い時間にバイクに乗ってしまうとクルマ以上に近所に響き渡り、通報が入ったり直接苦情が入ったりすることも。ひどい例ではバイクにいたずらされてしまうケースもあるようなので、夜間のバイクの出し入れには注意する必要があります。

　具体的には、夜中にバイクに乗る際は家から近い幹線道路まで押して歩き、幹線道路でエンジンをかけるという方法が挙げられます。閑静な住宅街と比べ、交通量の多い幹線道路沿いでは多少の騒音は許容される傾向にあるといわれているので、ナイトツーリングの際におすすめです。

　また、地域によっては夜間が想像以上に冷え込む場合があります。昼間の暑い時間帯を避けた結果、寒すぎる場所に行ってしまうと、結局ツーリングは快適ではなくなってしまう可能性もあります。

ナイトツーリングに出かける際は上着を余分に持って行くと良い

　さらに山間部にツーリングに行く際は、近くの都市部と比べて最低気温が5℃以上低い場合もあります。特に全身で風を浴びながら走行するバイクにとっては、5℃の気温差は大きいものです。こうした事例を踏まえて、ナイトツーリングの際は上着を余分に持って行くと良いでしょう。

　また山間部は天気が変わりやすいため、カッパなどの雨具を持参したり、撥水性能が高いライディングジャケットを着用するなどの対策を講じておくとより安心してないとツーリングを楽しめそうです。

※　※　※

　夏の猛暑を避けてツーリングを楽しむ際の選択肢として、ナイトツーリングは非常に魅力的です。ただしナイトツーリングを楽しむ際は、夜間走行時特有の注意点があることを十分に理解し、昼間のツーリングよりもさらに慎重な運転を心がける必要があります。