台風接近中!バイク乗りはどう対策するのがベスト?
バイクのニュース / 2023年8月30日 9時10分
秋は酷暑も落ち着き山々も紅葉に色づく、絶好のツーリングシーズンと言えると同時に、台風が増える季節でもあります。屋内へバイクを保管している人はあまり関係ないかもしれませんが、すべてのライダーが屋内へ保管できるわけではありません。では、台風の被害からバイクを守るためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
■徐々に増える台風!バイクを守るためにはどうすればいい?
屋外にバイクを駐車しているライダーにとって台風シーズンは、強風でバイクが倒れないか心配になるものです。台風の進路や勢力はどうすることもできないので、接近するまえに手を打って自分で愛車を守るしかありません。
では、台風の被害からバイクを守るためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
台風の被害からバイクを守るために屋根付きの車庫やガレージがあれば、屋内に保管するのが最善の方法
一軒家で屋根付きの車庫やガレージがあれば、屋内に保管するのが最善の方法です。しかし、アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる場合では、屋内スペースを確保するのはそう簡単なことではありません。
それでも屋内に保管したい場合は、バイク用コンテナ(バイクガレージ)を借りる方法があります。コンテナ内に保管すれば、大切な愛車を確実に台風から守ることが可能です。しかもコンテナ内にはバイク以外にパーツや工具なども一緒に置いておけるので、家の中や収納をスッキリさせることができます。
ただし、コンテナの場所が家の近くにないと借りるのが難しいことや、利用料が月額1万円から1万5000円ほどかかるのがデメリットとして挙げられます。台風の多い地域に住んでいるライダーは、夏から秋にかけての台風が接近する時期だけ借りるのもよいかもしれません。
また屋外でバイクを保管する場合に、とくに注意したいのが強風による転倒です。台風による風雨から愛車を守るため、ライダーであれば誰しもバイクカバーをかけたくなるもの。しかし、台風が接近するときにバイクカバーをかけるのはNGです。
バイクカバーをかけると、ヨットの帆のように強い風をカバー全体で受けてしまい、バイクが倒れてしまう可能性が高くなる
バイクカバーをかけると、ヨットの帆のように強い風をカバー全体で受けてしまい、バイクが倒れてしまう可能性が高くなります。
なお駐車する際は、強風でも倒れにくいサイドスタンドを使います。直立するセンタースタンドのほうが安定しているように見えますが、後輪が浮いた状態になるので接地面積が減り左右に倒れやすくなってしまうのです。
サイドスタンドは、前後のタイヤとスタンドの3つの支点で車体を支えるため、強風対策には有効です。
ただし、駐車する場所が土や砂利の場合は、台風の大雨で地面がぬかるみサイドスタンドがめり込んでしまい、バイクが倒れるおそれがあります。また、台風の暴風によって、サイドスタンドの反対側に倒れる可能性もゼロではありません。
そこで活躍するのがメンテナンススタンドです。サイドスタンドがないバイクの右側に設置しておくことで前後のタイヤと両サイドのスタンドの4点で支えるので、サイドスタンド側からの強風でも倒れにくくなります。
建物や塀などがあれば、壁側にバイクを寄せて駐車するのも有効
さらに建物や塀などがあれば、壁側にバイクを寄せて駐車するのも有効です。このときサイドスタンド側を壁に向けて停めることで、倒れやすいサイドスタンド側からの風をかわすことができるため、転倒のリスクを抑えることできます。
また、駐車する際にギアはニュートラルではなく1速に入れておきます。これは、ニュートラルのままで停めると、強風でタイヤが動いたときにサイドスタンドが外れて転倒する可能性があるためです。
1速に入れておくことでギアが噛み合ってタイヤがロックされるので、強風で車体に衝撃が加わってもタイヤが動きにくくなります。さらに、ハンドルを左いっぱいに切っておくのもポイントです。ハンドルが左に向くことで、一段とサイドスタンド側に重心がかかりバイクが倒れにくくなります。
パーキングブレーキがないスクーターの場合は、ブレーキレバーを握った状態にして、ゴムや結束バンドなどで固定してブレーキをロックしておく
なおパーキングブレーキがないスクーターの場合は、ブレーキレバーを握った状態にして、ゴムや結束バンドなどで固定してブレーキをロックしておきます。バイク用品店などでは「ブレーキレバーロック」という、ブレーキを固定できるアイテムも販売されています。1000円以下と安価なので、台風の多い地域に住んでいる人はひとつ持っておくとよいかもしれません。
また、バイクのマフラーはエンジンと直接つながっているため、浸水しないように対策をしておきます。マフラーの排気口を養生テープやビニール袋などで塞いでおくとよいでしょう。
ちなみに、台風や洪水などの自然災害でバイクに被害があったとき、強い味方となるのがバイクの車両保険です。車両保険に入っていれば、自然災害によってバイクが損傷した場合でも補償を受けることができます。
修理にかかった費用から免責金額を差し引いた額が補償されるのが一般的ですが、車両が水没したり土砂に埋まったりなどして修理不能に陥った場合は、全損扱いとなり全額が補償されるようです。たとえば、台風の強風でバイクが横転した場合の損害も保険が適用されます。
同じ自然災害でも、地震や噴火、津波での損害は補償の対象外
しかし同じ自然災害でも、地震や噴火、津波での損害は補償の対象外となっていることがほとんどです。ただし一部の保険会社では、「地震・噴火・津波危険車両全損時定額払特約」という補償が用意されている場合もあります。
これは地震や噴火、津波による損害もカバーする補償で、バイクが全損した場合に50万円を限度に保険金が支払われるものです。
いつおこるかわからない自然災害に備えて、バイクの車両保険を検討してみるのもよいかもしれません。なお、補償の範囲は保険会社によって違いがあるため、個人で補償内容をよく確認する必要があります。
※ ※ ※
秋はツーリングシーズンでもありますが、台風が発生する数も徐々に増えていく季節でもあります。台風が向かってくるとわかったら、あらゆる対策を講じて大切な愛車を守り抜きましょう。
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