プラモニュメントがユニーク!! 静岡市らしい家康公ゆかりのスポットをスーパーカブで巡る

現在の静岡県静岡市にある「駿府城」は、徳川家康にとって幼い人質時代や晩年を過ごした重要な場所です。その周辺にある、家康公ゆかりのスポットをスーパーカブで訪れました。

■あの金ピカの甲冑が実物大のプラモデルに!?

　静岡県には家康公ゆかりの城が2つもあります。ひとつは1570年から居城した「浜松城」、そして1586年に「駿府城」へ移ります。が、1590年に関白となった豊臣秀吉の命により関東に国替え（移封）されたため、「江戸城」が居城となります。

黄金色に輝く「徳川家康公甲冑プラモニュメント」の前で。プラモデル、模型の街である静岡市ならではのユニークなモニュメントは、観光客も多く訪れる人気スポットとなっている

　1600年に「関ヶ原の戦い」で勝利した家康は、1603年に征夷大将軍として江戸幕府を開きます。この時、家康はすでに62歳でした。

　1605年には秀忠（ひでただ）に将軍職を譲り、家康は大御所となって「駿府城」で隠居したと伝えられています。

　幼少時代に今川家の人質として過ごしたのも駿府。ゆえに家康にとって重要な場所であったことが想像できます。

　現在は「駿府城公園」として整備された周辺を、スーパーカブで巡ってみました。

家康が「大高城兵糧入れ」の際に着用していた「金陀美具足（きんだみぐそく）」の解説。パーツごとの説明もじつに興味深い。ちなみに本物は国の重要文化財として「久能山東照宮」に所蔵されている

　まずは「徳川家康公甲冑プラモニュメント」（プラモデル型のモニュメント）です。これは全国で8割超のプラモデル出荷額を誇る静岡市ならではの活動「静岡市プラモデル化計画」の一環だそうです。

　家康が「桶狭間の戦い」の前哨戦となった「大高城兵糧入れ」（1560年）の際に着用したと伝えられる「金陀美具足（きんだみぐそく）」が、まるでプラモデルの箱から取り出したかのような姿で設置されています。

　この甲冑はNHK大河ドラマ『どうする家康』で松本潤さんも着用していた華美な意匠が印象的ですが、解説板には、それまでの甲冑よりも鉄板の割合を多くして防御力を高めつつ、重さも約半分の20kgと大胆な軽量化が図られ、実用的な甲冑だったと書かれていました。

　弓矢から白兵戦主体への変化、時代に合わせて全身防御しながらも動きやすさや軽量化を果たしていたのは、興味深い発見でした。

「駿府城公園」に隣接する静岡市歴史博物館では『東海の名刹　臨済寺　～義元、家康ゆかりの禅寺～』が開催されていた。他にもいろいろな催しが予定されている

「駿府城公園」に隣接する静岡市歴史博物館では、『東海の名刹　臨済寺　～義元、家康ゆかりの禅寺～』が開催されていました（9月3日まで）。

　掲示板によると他にも様々な講演会が予定され、「学芸員のマニアックトーク」など歴史ファンには堪らない内容のようです。

　続いて「駿府城公園」より北西方面へ少し移動して「どうする家康　静岡　大河ドラマ館」を訪れました。

　ここは今川家の人質時代に家康（松平竹千代）が元服式を行なった「静岡浅間神社」内の展示会館で、2024年1月28日までの期間限定で開館されています。

　館内に入ると、まずはウェルカムVTRで主役を演じる松本潤さんによる挨拶や、ドラマのタイトルバックによるオープニング映像、巨大な家康像の出現などでワクワクさせてくれます。

　先へ進むとドラマに登場する衣装や小道具なども展示され、4Kシアターでは出演者のインタビュー、メイキング映像などを楽しむことができます。

館内の撮影は場所によって可能。松平元康時代の松本潤さんや、有村架純さんが演じた瀬名の衣装などが展示されていた

　1581年、家康は武田家攻略の戦勝祈願をした後に、“平治の後に再建する”ことを誓い社殿を焼却。背後の武田方を攻め滅ぼしました。

　そして1586年に社殿を造営し、以後、徳川幕府の祈願所とされたそうです。