関東大震災から100年、日本の“負の歴史”を真正面から描く衝撃作『福田村事件』

歴史の闇に葬られていた実話に基づき、その陰で起こった凄惨な虐殺事件を真正面から映画化した『福田村事件』が、2023年9月1日（金）より全国公開中です。

■天災が引き起こした負の歴史

　今から100年前、マグニチュード7.9の大地震「関東大震災」が日本を襲いました。その陰で起こった凄惨な虐殺事件を森達也監督が真正面から映画化したのが、その名も『福田村事件』です。

(c)「福田村事件」プロジェクト 2023

　映画の題材は、1923年9月1日に発生した関東大震災から5日後、千葉県福田村で起こった、行商団9人が地震後の混乱の中で殺された実際の虐殺事件、通称「福田村事件」。なぜ彼らは殺されたのか？ そして、なぜ村人たちは彼らを殺したのか——？ 関東大震災から100年となる2023年、歴史の闇に葬られていた実話に基づいた、かつてない日本映画です。

　監督を務めるのは、地下鉄サリン事件後のオウム真理教を追った『A』『A2』や、『i 新聞記者ドキュメント』で日常に潜むグレーゾーンに光を当ててきた森達也。『福田村事件』は、森監督の初の劇映画となります。本作は荒井晴彦が企画し、脚本を担当したのは佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦という数々の傑作を生みだしてきた3名。音楽はムーンライダーズの鈴木慶一が手掛けます。

　関東大震災時に各地で起きた「朝鮮人虐殺」、そして朝鮮人に限らず“善良な人々”が虐殺された日本の負の歴史をつまびらかにする本作。主演を務めるのは井浦新、田中麗奈の2人。共演には、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、向里祐香、カトウシンスケ、松浦祐也、木竜麻生、杉田雷麟、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明といった、世代も活動フィールドも超えた多様な面々が集結しました。

宮田製作所「アサヒ号AA型（1933）」

　関東大震災が起こったのは1920年代なので、日本でバイクが爆発的に普及する30年ほど前のこと。とはいえ1913年には宮田製作所が日本初の本格的なバイク「アサヒ号」を製作し、1927年には秀工舎が「ニューエラ号」を、それが日本内燃機の「くろがね」に繋がり、軍用二輪に採用・量産されることになります。

(c)「福田村事件」プロジェクト 2023

『福田村事件』は2023年9月1日（金）よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開中です。