「ホイールトラベル」はナニに効く? バイクのスペック表を読み解く!
バイクのニュース / 2023年9月14日 11時10分
バイクのカタログや、メーカーHPに掲載されている「スペック」や「仕様」、「諸元」の表には、購入時の参考やライバル車との性能比較など、役立つ情報が含まれています。国内メーカーは「ホイールトラベル」を表記してないコトも多いようですが……。
■オフロードでは大切な要素!
「ホイールトラベル」とは、路面の凹凸や荷重によってサスペンションが縮み、ホイール(タイヤ)が移動する量を表しています……が、なぜか日本メーカーでスペック表に記載しているのは、現在はカワサキだけです(公道用モデルもオフロード競技専用車両も全車に記載)。
サスペンションが縮むことでホイール(=タイヤ)が移動する量。カワサキ「Z900RS」のホイールトラベルはフロント120mm、リア140mmとなっている
「最低地上高」と合わせて、ホイールトラベルは障害物やギャップを乗り越えるために重要です。とはいえ現代の日本は道路の整備が行き届いているので、ロードスポーツ車で舗装路を走る場合は、よほど無理をしない限り(高い歩道の段差を乗り越えるなど)、エンジンや車体下部が接触することはまず無いでしょう。その意味では、スペック表にホイールトラベルの記載がないのも理解できます。
しかしオフロードとなれば話は別で、ホイールトラベル量はかなり重要です。ホンダはオフロードコースを走る競技車両の「CRF」シリーズについては、スペック表にフロントは「クッションストローク」、リアは「アクスルトラベル」という表記で記載があります。
また、市販公道モデルの「CRF1100L Africa Twin」や「XL750 TRANSALP」は、スペック表には記載がありませんが、ホームページの「走行性能(シャシー)」の中で、数値を記載しています(前輪はフロントフォークのストローク量で、後輪はアクスルトラベル=リアタイヤの車軸の移動量を表記)。
ホンダ「XL750 TRANSALP」は、フロントフォークのストロークが200mm、リアのアクスルトラベルが190mmとなっている
また公道モデルの「CRF250L」および「CRF250 RALLY」には、オフロードでの走破性を高めるために前後サスペンションのストロークを伸ばした<s>というモデルをラインナップしています。ニュース資料では<s>タイプはサスペンションのストローク量を標準モデルに対し、フロント10mm、リア20mm伸長させた260mmに変更と記載されています。
とはいえサスペンションを伸ばすと、最低地上高だけでなくシート位置も高くなるため、足着き性は悪くなります。こればかりは走破性とトレードオフなので、車両を選ぶときは自身の体格やバイクの使い方をしっかり考慮した方が良いでしょう。
ホンダ「CRF250L<s>」は、サスペンションのストローク量を標準モデルに対し、フロント10mm、リア20mm伸ばしている。最低地上高285mm、シート高880mmとなっている
ちなみにスズキもスペック表にホイールトラベルの記載はないものの、新型アドベンチャーモデルの「Vストローム800DE」では、ホームページの「主要装備」の中でフロントフォークストローク(220mm)とリアホイールトラベル(212mm)を解説しています。これは既存の「Vストローム」シリーズよりもオフロード色を強めたためと思われます。
海外メーカーでは、ドゥカティとBMW Motorrad、KTMは全車スペック表にホイールトラベルの記載があります。とくにKTMは、元々がオフロードに長けたメーカーなので、走破性に関わるホイールトラベルを重視していると思われます。またトライアンフは車種によりますが、アドベンチャーモデルには基本的に記載があります。
ドゥカティ「DesertX」のホイールトラベルは、フロント230mm、リア220mmとなっている
ちなみにホイールトラベルは、メーカーによって「サスペンションストローク」や「アクスルトラベル」などと呼称が変わる場合があります。
■ショックユニットで、ホイールトラベルが変わる
ロードスポーツモデルの場合も、サスペンションのユニットによってホイールトラベル量が変化する場合があります。
カワサキ「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」のホイールトラベルは、フロント120mm、リア124mmとなっている
排気量400ccクラスで久々に登場した4気筒エンジンを搭載するカワサキ「Ninja ZX-4R」シリーズでは、「Ninja ZX-4R SE」と「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」の2機種が国内発売されましたが、リアサスペンションの種類が異なります。そのため最低地上高やシート高は共通ですが、リアのホイールトラベル量が異なっています。これはオフロードのような走破性とは関係ありませんが、長いストロークを有効に使い、良好な接地感を生み出すことに役立っています。
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