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馬で公道を走ることはできる?自賠責やナンバープレートは?

バイクのニュース / 2023年9月18日 9時10分

昔から、人は移動手段のひとつとして馬を利用してきました。しかし現代では馬に乗るという体験は、牧場や動物園などの敷地内に限られることが多いです。ではもしも馬に乗って公道を走行した場合、何らかの違反が適用されることはあるのでしょうか。

■馬に乗って公道を走行…これって法律上はOKなの?

 古来より、人は移動手段のひとつとして「馬」を使っていました。しかし技術が発展した現代では、街中で馬に乗っている人に出会うことはほぼありません。

馬に乗って公道を走らせることは道路交通法で現在でも認められている馬に乗って公道を走らせることは道路交通法で現在でも認められている

 では、現代でも馬に乗って公道を走ることはできるのでしょうか。

 原動機を使わない手軽な移動手段といえば、現代では自転車が最も身近な存在といえます。実は道路交通法では、馬は自転車と同じ「軽車両」として扱われるため、公道を走ることが可能です。

 これについては道路交通法第2条1項11の軽車両の定義として、以下のような条文の一部で明らかにされています。

「自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む)であって、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの」

 この文中のなかには「牛馬を含む」と明記されています。したがって、馬に乗って公道を走っても自転車と同じ扱いになり、違反になることもないというわけです。

 また馬で公道を走る際のルールも、自転車と同じと考えて問題ありません。道路運送車両法にも馬だからといって特別に規制する法律はないため、基本的に自転車のルールを遵守します。

通行できるのは基本的に自転車と同じ車道で、左側通行が原則となる通行できるのは基本的に自転車と同じ車道で、左側通行が原則となる

 まず、軽車両になるため運転免許は不要です。そして、通行できるのは基本的に自転車と同じ車道で、左側通行が原則となります。当然ながら信号の指示に従う必要があり、一時停止なども守らなければなりません。また軽車両である以上、すべての交差点で二段階右折をする必要があります。

 そのため免許は不要ですが、これらの一連の動作ができるように乗馬の訓練や馬の調教をおこない、安全に操作できるようになることが重要といえるでしょう。

 なお、自転車レーンについては道路交通法17条3項で、2輪もしくは3輪の自転車以外の車両の通行は認められていません。したがって、軽車両としての馬でも自転車レーンの走行は原則として禁止となります。

 ちなみに、ナンバープレートの取得も自転車と同じなので必要ありません。また、自賠責保険への加入も不要です。

ヘルメットの着用は、道路交通法には馬に関する明記はないヘルメットの着用は、道路交通法には馬に関する明記はない

 またヘルメットの着用についても、道路交通法には馬に関する明記はなく、ヘルメットの着用に関してはあくまでも自転車のみに留まった内容となっています。

 しかし馬は音に敏感な動物であるため、クラクションなどの大きな音に驚いて、暴れて振り落とされる危険性があります。公道で乗馬する際は、大切な頭を守るためにもヘルメットを着用したほうが安全といえるでしょう。

 そして近年、社会問題となっているスマートフォンを操作しながらの「ながら運転」や、飲酒運転も、軽車両であっても法律で禁止されています。したがって、馬に乗馬中の公道での使用は当然ながらNGです。

大型の馬でも軽車両と同じ扱いになるので2人乗りは原則禁止大型の馬でも軽車両と同じ扱いになるので2人乗りは原則禁止

 また大型の馬であれば、大人2人を乗せて移動できるほどのパワーがありますが、軽車両と同じ扱いになるので2人乗りは原則禁止となります。

 ちなみに道路交通法の条文では、馬のほかに牛もOKとされています。では、馬と牛以外の動物の力を借りて公道を走ることは可能なのでしょうか。

 道路交通法の軽車両の定義を見返してみると、馬や牛のほかでは「動物の力により、又は他の車両に牽引され」という文言が見て取れます。ここでは明確な動物の名称は、馬や牛以外は明記されていません。

 したがって、馬と同じように人間を乗せるパワーがある動物か、馬車のように牽引する能力がある動物であれば、軽車両として認められるということになります。

 つまり、ラクダやゾウ、ロバなどでも軽車両として公道を走らせることができる可能性があるというわけです。

※ ※ ※

 現代の道路ではバイクやクルマが移動手段として主流ですが、馬に乗って公道を走らせることは道路交通法で現在でも認められています。実際に乗る場合は軽車両としての扱いになるため、自転車と同じルールに従って公道を走ることが原則です。

 ちなみに、実際に馬に乗ったまま公道を歩く体験をおこなっている牧場も存在します。足を運んでみて、馬に乗って公道を歩くというなかなかできない体験を味わってみるのもよいかもしれません。

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