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自転車がまっすぐ進んでくれる理由 フロントフォークの重要な役割とは

バイクのニュース / 2023年9月19日 11時10分

あらためて考えてみると、自転車はなぜまっすぐ進むのでしょうか? それは運転する人の力量だけではなく、車体がまっすぐ走ろうとするよう設計された構造にあるのです。

■重要なのは「キャスター角」

 毎日当たり前のように乗っている自転車ですが、あらためて考えてみると、なぜまっすぐ進むのでしょうか? 運転する人がハンドルを握って前輪を後輪と一直線にしているから直進するのはもちろんです。ただ、(絶対に公道やほかの人がいるところでやってはいけませんが)自転車はある程度のスピードが出ていれば手を放して乗ってもまっすぐ走ることができます。そんな曲芸じみたことができるのは、自転車がまっすぐ走ろうとするように設計された構造に秘密があります。

自転車がまっすぐ進む理由とは?自転車がまっすぐ進む理由とは?

 前輪が取り付けられている部品を「フロントフォーク」と言い、ハンドル操作によるかじ取りを前輪に伝える重要な役割を果たしています。このフロントフォークこそが、自転車がまっすぐ進むための重要な役割を果たしているのです。

 自転車をよく見てみると、フロントフォークはハンドルから地面に向けて真下へ一直線になっているわけではなく、少し前に突き出ています。そしてタイヤの中心がハンドルよりも前へ、角度が付いた状態で装着されていることが分かると思います。この角度を「キャスター角」と言い、この角度をつけることによって、フロントフォークが左右に回転する軸(ステア中心軸)の部分をまっすぐ伸ばした延長線が地面に接する点と、タイヤが実際に地面に触れている接地面に、位置の違いが生まれます。

 そのようにキャスター角をつける(前輪を前に突き出す)ことによって何が起こるかというと、走行中に自転車が左右のどちらかに曲がりそうになった時に、地面からの反発や遠心力で、車体を中心に戻そうとする回転モーメントの働きが起きます。これが連続して起こることで、自転車にはタイヤを進行方向に向ける力が発生し、直進性が良くなります。

 つまり、キャスター角が大きくなるほど自転車はまっすぐ進めるようになります。逆にキャスター角が少なかったり、地面に対して垂直に近い状態になるとハンドルが不安定になり、運転手が支えていない限りまっすぐ進むことができなくなります。

 ただ、キャスター角が大きくなりすぎると、今度は旋回性が悪くなります。直線を走るには便利ですが、街中などでこまめに曲がることを考えるとかなり扱いにくい自転車になると思います。映画『イージーライダー』(1969年)に出てきたハーレー・ダビッドソンをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

 自転車がまっすぐ進むための重要な役割を果たしている「フロントフォーク」は、何らかの衝撃が加わってほんの少しでも曲がってしまうと直進性は失われ、油断すると転倒につながりかねません。

 手を放して乗るような乗り物ではないので、意外と曲がっていても気づかずに乗り続けてしまう人もいると思いますが、曲がったままのフロントフォークを使い続けるのは危険です。

 ハンドルは真っすぐなのに、走行中左右どちらかに曲がって行ってしまうような気がしたり、タイヤの空気はしっかり入っているはずなのに、いつもより地面のガタつきを感じるようなことがあったら、一度自転車屋に相談することをオススメします。

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