冬に向けて知っておきたい! バイクで走行中に濃霧で視界が悪くなった際の対処法とは
バイクのニュース / 2023年11月4日 11時10分
ツーリングスポットとして人気の山道は、冬に向けて「濃霧」の発生が増えていきます。濃霧が発生している地域では視界不良となり、安全に走行する事は困難です。では、ツーリング中に濃霧が発生している地域を通過する場合、どのようにすれば良いのでしょうか。
■濃霧で視界が悪くなる!冬に向けてのツーリングの注意点とは
だんだん気温が涼しくなり、秋から冬に向けてツーリングが気持ちのいい季節となりました。しかし、標高の高い場所へ出かける際は、霧の発生に十分に注意しなければなりません。
霧は大気中に無数の微細な水滴が浮かんでいる状態ので、その水滴が光を反射したり吸収、または散乱させたりすることで、視界が白っぽく見えてしまいます。
霧の発生は内陸部では秋から冬にかけて特に多くなり、北部や高地などでは夏になると発生しやすい傾向。また標高の高い山や山間部の盆地のほか、海の近くも発生しやすい場所となっています。
バイクで走行中に濃い霧が発生すると視界が遮られてしまい事故に遭う確率が高まるため、秋から冬にかけてのツーリングは一層の注意を払うことが重要です。
では、もしツーリングの中に濃霧が発生してしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。
ツーリング中に濃霧に遭遇してしまったら、冷静になってバイクを操作する必要がある
霧の発生は、天気予報である程度予測できますが、自然現象であるがゆえにピンポイントで発生場所を特定するのは困難です。また、ツーリングなどで普段走り慣れていない道で濃霧に遭遇してしまったら、前方を見通すことができないためパニックを起こしてしまう事もあるでしょう。
そんな濃霧に遭遇してしまったら、冷静になってバイクを操作する必要があります。
まず、霧の中からクルマや障害物が突然現れることを想定し、スピードを落として前車との車間距離を、通常以上に十分に取ることが重要。そしてセンターラインの白線やオレンジ線など、車道に並行している目立つモノを目印にして運転するようにしましょう。
ほかに目印となるものとしては車道の外端にあるガードレールや反射板などが挙げられますが、目線が車道の外側にいってしまうため、目印が見つからない場合の最後の手段と言って良いでしょう。また、濃霧により前方が見えづらいと、遠くまで照らしたい一心でヘッドライトをハイビームにしたくなると思います。
しかし、濃霧の際にハイビームを使ってしまうとヘッドライトの光が霧に乱反射してしまうため、かえって前方が見えにくくなります。そのため、濃霧の際はロービームを使用するということを覚えておきましょう。
バイクで濃霧に遭遇した際はロービームを使用する
また、山間部にツーリングに行く機会が多い人は、フォグランプを事前にバイクに装着しておくのもひとつの手。標準装備されているバイクも多少はありますが、装着されていないバイクでも、補助パーツとしてフォグランプが販売されているので探してみてください。
フォグランプは前方だけでなく左右に広く照射するため、霧だけでなく雨天や夜間の運転でも路面が見やすくなるメリットがあります。また、周囲の車両に自分の存在を知らせる効果もあるので、視認性の向上やドレスアップを目的に装着するライダーも増加中。
なお、取り付ける場合は保安基準を満たしていなければなりません。ライトの色は白色か淡黄色で、左右対称であることやヘッドライトよりも低い位置に付けるなど、道路運送車両法の保安基準第33条で細かく定められているため、装着前にチェックするようにしましょう。保安基準に抵触すると車検に通らなくなってしまいます。
■霧以外にもある? 秋から冬に向けてのツーリングの注意点
霧のほかにも、秋から冬にかけてのツーリングで注意したいポイントがあります。
まずひとつ目は、落ち葉によるスリップです。
ほとんどの植物の葉には、表面を乾燥から守るために「クチクラ層」という油分を含んだ層があり、落ち葉となって雨に濡れると、この油分が溶けて流れ出し、さらに滑りやすくなります。
その滑りやすさは、雪道や凍結した路面と同じくらい滑ると言われているほど。どんなベテランライダーであっても、落ち葉に乗り上げるとスリップする確率は高まるので要注意。
スリップを防ぐためには、落ち葉に乗り上げないことが一番の対策といえますが、峠道などの狭い道路では避けきれない状況も多いはず。落ち葉は道路の端に溜まりやすいため、カーブの手前ではセンターライン寄りに進路をとって走行するのがポイントです。
また、カーブを曲がる際はいつもよりもスピードを落とし、バンク角をゆるやかにすることで転倒のリスクを抑えることができます。
秋から冬にかけてのツーリングは寒暖差への対策も重要
そしてふたつ目の注意点は、昼と夜の寒暖差が大きくなる点。とくに標高の高い山間部などにツーリングに行く際は、万全の防寒対策を用意しておきましょう。
首元からの風の侵入を防ぐネックウォーマーや、防風・防寒性能の高いウェアを用意しておくと安心です。また体温調節をしやすいように、保温性の高いインナーがあると良いでしょう。
そして意外に盲点なのが足元の冷え。下半身に寒さを感じないように、オーバーパンツなどを履いて対策を講じておくことがおススメです。
※ ※ ※
濃霧に遭遇してしまったら、無理せず安全な場所に移動して停車することも大切。その際、道路わきに停車するのは追突される危険性が高いので、施設の駐車場や高速道路であればSAやPAなどに入ってから停めるとよいでしょう。
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