バイクの任意保険に次ぐ第2の選択肢!? 保険とよく似た印象の「共済」とは
バイクのニュース / 2023年11月5日 9時10分
バイクの任意保険は絶対に加入すべきと分かっていても、高額な保険料に頭を悩ませる人は多いと思います。そこで、保険とよく似た共済であれば費用を大きく抑えられる可能性があるのですが、共済とはどのようなものなのでしょうか。
■「保険」と「共済」の違いを徹底比較!どっちがいいの?
バイク事故への備えとして加入する保険には、法律で加入が義務付けられている自賠責保険と、特に法律では定められていないが加入が推奨される任意保険の2種類があります。
自賠責保険は、保険料が安いものの対象が対人賠償のみとなっており、クルマなどモノへの賠償は対象外であるほか、対人賠償の上限も最低限となっています。
そのため自賠責保険だけでは事故の損害を補填しきれない可能性が高く、バイクやクルマを運転する人は保険会社が販売する任意保険に加入することが一般的。
しかしバイクの任意保険はかなり高額であることも珍しくなく、大きな負担に感じている人も少なくはないでしょう。
この時費用を抑えるために、保険会社が運営する通常のバイク保険ではなく、バイク共済というものに加入する方法もあるのですが、共済とはどのようなものなのでしょうか。
自賠責保険だけでは事故の損害を補填しきれない可能性が高く、バイクやクルマを運転する人は保険会社が販売する任意保険に加入することが一般的
共済は、保険とよく似たシステムで、加入者から集めたお金を事故に遭った人の補償に充てるという点では保険と全く同じです。
保険と大きく異なるのは、非営利団体の組合によって、メンバー同士の助け合いを目的として運営されている点。通常のバイク保険を販売する保険会社は営利目的で運営されているため、保険料は利益を出すために比較的高く設定されているのですが、非営利が運営する共済は多くの利益を出す必要はなく、掛け金は安い傾向にあります。
また、金額が安いからと言って共済のプラン内容が劣っている訳でもありません。正確な内容や保険料は組合ごとによって異なりますが、基本的には保険と共済の間で補償内容に大きな違いはないと言っても過言では無いでしょう。
対人・対物の賠償を無制限にし、被保険者の年齢を問わない補償とした際の最安プランを実際に見積もってみると、全労災のマイカー共済の場合は年間5万4780円、チューリッヒのバイク保険の場合では年間13万2660円と価格に大きな差が見られました。
こうして見ると、サービスの質が保険と同等であり、価格が安い共済は非常に魅力的に思えますが、共済への加入を考える上ではいくつかの注意点があります。
■共済に加入する際の注意点とは?
共済への加入を検討する際の注意点として、まず考えられるのが、保険の方が比較的簡単に加入できるという点です。保険は代理店に赴いたり、インターネットから申し込むだけで簡単に加入することができます。
共済も加入方法自体は保険と大きな差はないものの、その手続きとは別に、共済を運営する組合のメンバーになる必要があります。メンバーになるためには、共済を運営している組合に出資金を出す必要があり、出資金は組合を脱退する時に返却される仕組みです。
なお、教職員共済のように特定の職業に従事している人のみ加入できる組合もあるため、出資金を出せばどの組合にでも参加できるわけではない点にも要注意。
また、共済は補償内容があらかじめ特定の組み合わせになったセットプランで販売されていることが多い一方、保険は自分で細かく補償内容を決めることができることも、念頭に置いておきましょう。
そのため、詳しい補償内容や付帯したい特約によっては、共済より保険の方が安くなることもありえます。
共済は補償内容があらかじめ特定の組み合わせになったセットプランで販売されていることが多い一方、保険は自分で細かく補償内容を決めることができる
そのほか、共済の場合は運営元が経営破綻した際に備えた救済措置が存在しません。会社の運営する保険の場合は「損害保険契約者保護機構」という制度があり、万が一経営破綻した場合には、この機構から契約者に保険金のうちの一部が支払われます。
一方、共済に関してはこのような仕組みが存在しないため、組合が破綻するようなことがあった場合は掛け金が戻ってこない可能性がある点がデメリットと言えるでしょう。
ただし、大きな共済はよほどのことがない限り破綻しにくく、なおかつそれぞれが独自の破綻時に備えた仕組みを整えているため、この点については過度に心配する必要はありません。
※ ※ ※
任意保険の金額の高さに悩んでいる人は、一度共済への加入も視野に入れてみるとよいでしょう。ただし、共済の方が必ず安くなるというわけでは無く、補償内容次第ではよりお得な保険が見つかる場合もあり得ます。
そのため、保険や共済に入る前には事前にしっかりと見積もりをすることが肝心。自分に合った保険や共済に入り、安心なバイクライフを過ごしましょう。
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