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ヘルメットの購入はまず規格をチェックするべき! 命を守るヘルメットの選び方とは

バイクのニュース / 2023年11月4日 9時10分

ヘルメットはいざというときに頭を守ってくれる大切なアイテムです。そのため、安全性の確保が重要なので、国をはじめとした公的機関などによって、様々な規格が定められています。それぞれどんな規格が定められているのでしょうか。

■バイクのヘルメット自体にも定義があり

 ヘルメットはいざというときに頭を守ってくれる大切な装備であるため、安全性の確保が重要です。

 そのため、国をはじめとした公的機関などによって、様々な規格が定められているのですが、それぞれどんな規格があり、その内容はどのようなものとなっているのでしょうか。

バイクに乗る際のヘルメットについては「乗車用ヘルメットの基準」として、道路交通法で定められている。バイクに乗る際のヘルメットについては「乗車用ヘルメットの基準」として、道路交通法で定められている。

 具体的な規格について紹介する前に、バイクに乗る際に被るヘルメットの規定を紹介します。

 バイクに乗るときに被るヘルメットについては「乗車用ヘルメットの基準」として、道路交通法で定められており、具体的には以下となります。

・左右、上下の視野が十分とれること
・風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
・著しく聴力を損ねない構造であること。
・衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
・衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
・重量が二キログラム以下であること。
・人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
※道路交通法施行規則第九条の五

 かなり細かく定められていますが、ヘルメットとして見た場合、当たり前のことがほとんど。

 例えば工事用のヘルメットは、帽体が耐貫通性を有するという点が引っかかる程度というのが具体的な基準です。

■この基準をクリアしていないと違法

 ヘルメットに必ず付いていると言っていいのが、「PSCマーク」と「SGマーク」(Sマークと呼ばれることも)で、この2つはほぼセットになっているので、1枚のステッカーのなかに両方のロゴが入っていることがほとんどです。

 まずPSCマークは、国が定めた安全基準をクリアした製品(ヘルメット以外もあり)に付けられるもので、このマークがないと国内では販売できません。また、マークがないヘルメットが販売された場合、回収措置が国によって命じられることも。

 つまり乗車用ヘルメットとして必須の規格で、先に紹介した工事用ヘルメットにはこのマークが付いていないので、バイクには使うことはできません。

ヘルメットに必ず付いていると言っていいのが、「PSCマーク」と「SGマーク」ヘルメットに必ず付いていると言っていいのが、「PSCマーク」と「SGマーク」

 一方のSGマークについては、以前は必須規格でしたが、現在は任意規格。安全基準だけでなく、製品に欠陥があって人身事故が起こった場合、対人賠償保険が付いているのも特徴で、被害者ひとりについて1億円を限度にカバーしてくれる規格でもあります。

 基準は、耐衝撃、耐貫通性、滑り抵抗、脱げにくさ、あご紐の強度、視野確保などを規定。販売されているすべてのヘルメットに付いているだけに、基準は甘いのではと思っている人も多いと思いますが、かなり高いレベルの試験が行なわれています。

 なお、PSCマークは付いていないと国内で販売できないと前述しましたが、通販サイトや並行輸入店などでは海外製が扱われていて、付いていないものも見かけます。

 それらは厳密には違法となりますが、扱いとしては観賞用としているため、取り締まっていないのが実際のところです。

■JISにもヘルメットの規格があり

 JIS(日本産業規格)も、バイク用ヘルメットにも適応される規格で、衝撃吸収性、耐貫通性、剛性、あご紐の強さなど、それらに対して求められる性能とその試験方法、帽体、保護範囲、視野などについての構造全般が定められています。

 PSCマークとJISマークには「125cc以下限定」と「排気量無制限」のふたつの基準があり、排気量に合わせた強度が想定されていますが、これは生産上に関わるもので、半キャップなど125cc以下限定のヘルメットを被って大きな排気量のバイクを運転しても違反にはなりません。

半キャップなど125cc以下限定のヘルメットを被って大きな排気量のバイクを運転しても違反にはならない。半キャップなど125cc以下限定のヘルメットを被って大きな排気量のバイクを運転しても違反にはならない。

 ただ、基準内容を考えると大きなバイクに乗るときは排気量無制限のものを選ぶようにした方が安心。実際、半キャップは脱げやすく、2020年に都内で起きたバイクの死亡事故の半数が、ヘルメットの半キャップが脱げていたというデータもある程です。

 以上が日本の規格ですが、MFJ(財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会)が定めた規格もあり、MFJの公認レースには公認ステッカーが貼られたヘルメットでないと、レースに出場することはできません。

■海外製ヘルメットには別の規格が存在

 海外にも、ヘルメットについての規格がいくつか存在します。

 一番お馴染みなのが、スネル規格で、日本のメーカーでも取得している物もあり、なかでもアライは積極的でヘルメットの後ろにもロゴが入れられています。

海外のヘルメット規格で日本でも多く取得されている規格がスネル規格海外のヘルメット規格で日本でも多く取得されている規格がスネル規格

 死亡事故をきっかけに制定されたものだけに、基準はかなり厳しくてJIS規格以上で、鋭利な金属が貫通するかなども確認されています。

 さらに5年ごとに更新されて、厳しくなっていくのも特徴なだけに、スネル規格を取得している事がヘルメット性能のアドバンテージになるのは事実。そのほか海外ではJIS規格に近い、アメリカのDOT。バイザーなどについても試験される欧州のECE規格などが存在します。

 そのほか、独自に試験をして結果をネットで公表しているシャープというサイトがあったり、YouTubeでは試験風景も上がっているなど、ヘルメットは命にも関わるアイテムだけに、安全性への関心は高まる一方。

 購入時は、そのヘルメットがどんな規格をクリアしているのかなどを参考にしてみると良いでしょう。

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