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免許証返納の基準! 高齢者講習で行われる認知機能検査とは

バイクのニュース / 2023年11月7日 15時10分

75歳以上のドライバーが免許を更新する際は、認知機能検査の受検が義務付けられています。一体どのような検査なのでしょうか。

■認知機能検査とは?どんな問題が出されるの?

 高齢化や地方の過疎化に伴う公共交通機関の撤退により、日常的にクルマ等を運転しなければならない高齢者は非常に多くなっています。しかし、最近では高齢者が運転するクルマによる踏み間違えなどの事故がたびたび報道され、SNS上などでも多数の議論が交わされています。

 そんな高齢者が事故を起こしてしまう理由のひとつに、認知機能の低下があります。認知機能が低下し、判断力や記憶力に問題が出てくると咄嗟の判断を誤ってしまったり、危険に気付きにくくなってしまうのです。

75歳以上のドライバーが免許を更新する際は、認知機能検査の受検が義務付けられている。75歳以上のドライバーが免許を更新する際は、認知機能検査の受検が義務付けられている。

 加齢による認知機能の低下は誰にでも起こりうることで、全ての運転者にとって他人事ではありません。そのため、政府は75歳以上のドライバーが免許の更新をおこなう際に、高齢者講習と認知機能検査を義務付けています。

 加えて2022年5月13日に施行された道路交通法の改正によって、75歳以上で更新前に特定の違反をしたドライバーには、運転技能検査が義務付けられました。

 しかし高齢者講習では教習所での教習のように、座学と実習によって運転について学びますが、あくまで講習であり試験や検査ではないため、不合格になることはありません。

 では、認知機能検査とは、どのような内容となっているのでしょうか。

認知機能検査では、記憶力と判断力の2種類を「手がかり再生」と「時間の見当識」という検査項目で確認する。認知機能検査では、記憶力と判断力の2種類を「手がかり再生」と「時間の見当識」という検査項目で確認する。

 認知機能検査では、記憶力と判断力の2種類を「手がかり再生」と「時間の見当識」という検査項目で確認します。

 ひとつめの手がかり再生は記憶力を検査するもので、いくつかのイラストを記憶し、しばらくしてから思い出せるかを確認するテスト。受検者はまずいくつかのイラストが描かれた紙を見せられ、何が描かれているかを可能な限り記憶します。

 その後試験とは関係のない課題が出され、先ほど覚えた内容からいったん意識を逸らします。そして受検者は、どのようなイラストがあったかをまずは手がかりなしで回答し、答えられなかった部分についてはヒントを出され、改めて回答する流れ。

 手がかり再生は32点満点で16個の問題が出題され、ヒントなしで正解した場合は1問につき2点、ヒントありで正解した場合は1点が与えられるルールとなっています。

認知症の疑いがある受検者には公安委員会から連絡があり、臨時適性検査や診断書提出命令が出され、医師による診断を受けることになる。認知症の疑いがある受検者には公安委員会から連絡があり、臨時適性検査や診断書提出命令が出され、医師による診断を受けることになる。

 そして、ふたつめの時間の見当識は時間の感覚を検査するもの。試験を受けている時間を、回答するテストです。受検者は試験の間は時計を見てはいけません。

 時間の見当識では、15点満点で検査を受けている日の年月日、曜日、および時間を問う問題が出されます。

 西暦、和暦に関わらず年が正解であれば5点、月が正解であれば4点、日が正解であれば3点、曜日が正解であれば2点、時間のずれが前後30分以内であれば1点が与えられるルール。

 それぞれの項目ごとの点数を出した後、「2.499×手がかり再生の点数+1.336×時間の見当識の点数」の計算式で総合点を算出。その点が36点以上であれば認知症の疑いなし、36点未満であれば認知症の疑いありと判定される事になります。

 なお認知症の疑いがなければ通常通り更新の手続きが進められますが、認知症の疑いがある受検者には公安委員会から連絡があり、臨時適性検査や診断書提出命令が出され、医師による診断を受けることになります。

 ここで認知症であると診断された場合は、免許の取消しや効力の停止を受ける結果となっています。

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