スペインでも若手育成活動をスタート！インストラクターを担当した「511 Riders Experience」スクールの内容とは？レーシングライダー大久保光の海外生活

レーシングライダーの大久保光選手が、インストラクターを担当した「511 Riders Experience」スクールの様子を紹介してくれました。

■ヨーロッパでも若手育成に貢献する活動をスタート

　皆様こんにちは！大久保光です。シーズンオフに入りまして健やかな日々を過ごしています。

　私が拠点としているモルドバはもう冬を迎えており、朝晩は氷点下となる時が多く、東欧の冬の厳しさを実感し始めているところです。

　しかしスペインのバレンシアではまだ最低気温が20度を下回らない日も多く、過ごしやすい日々を過ごせる気候。ヨーロッパの東側は寒くなっているところが多いのですが、スペインはまだ暖かい所が多いので、シーズンオフのトレーニングに来ている東ヨーロッパ出身ライダーも多くいます。

　そんな中、今回はスペインで参加した、インストラクターの仕事をレポートしたいと思います。

大久保光選手がインストラクターを担当した「511 Riders Experience」スクール

　今回は、バレンシア郊外のサーキットなどで活動している511 Riders Experienceに所属する、チェコ出身の2人のライダーのインストラクターを担当させて頂きました。

　場所はバレンシア郊外の「チバ」という街にある、チバサーキット。このサーキットはカートの世界大会が行われているので、カート界では有名なサーキットです。

　バイクで走ることができる広さで、ミニバイク以上の600ccでも走ることができる比較的大きな規模のサーキットであるため、世界選手権ライダーもトレーニングで訪れているのをよく見かけます。

　今回はMotoGPやESBK(スーパーバイクスペイン選手権)などのレースが週末に行われていたため、訪れている人はほとんどいなかったのでほぼ貸し切り状態でトレーニングをすることができました。

大久保光選手がインストラクターを担当した「511 Riders Experience」スクールでの座学の様子

　ちなみに、今回トレーニングを主宰した511 Riders Experience代表の、Sandra Stammoveさんは女性ライダーとして数々の功績を残しており、イタリア選手権やイギリス選手権にも参戦経験のある方。

　インストラクターを担当させてもらった若手のチェコライダーはNiki Nicolas選手とAdelka Nicolas選手で、Niki選手は13歳。来年からロードレースデビューを予定している若手ライダー。

　Adelka選手は18歳の女性ライダー。来年はドイツ選手権のSS300クラスに参戦予定で、今回はチバサーキットで大型バイクに乗って重いバイク、パワーのあるバイクをしっかりと乗りこなすトレーニングを中心に行なっていきました。

大久保光選手がインストラクターを担当した「511 Riders Experience」スクールの様子

　トレーニングに使用したバイクはホンダ「CBR600RR」とヤマハ「R7」を用意。

　2人とも大きなバイクに乗るのは初めてで初日は苦労している感じだったので、どちらかというとパワーが低いR7に交互に乗ってもらい、私が後ろからカメラでビデオを撮ったり、走行後にアドバイスをする流れでレッスンを進めていきます。

　その後、初日で大きなバイクに慣れてきた2人は2日目にはCBR600RRに挑戦。大きなカートコースといってもロードコースよりは小さなサーキットであるため、最初は無理せず少しずつペースを上げるように指示をして走ってもらいました。

　特にNiki選手は順応能力が高く、アドバイスをしたことに挑戦していく走りで、とても成長が早い印象でした。

　Adelka選手もマイペースではあるものの、しっかり成長を感じられ、2日間を通して両ライダーかなりの成長を遂げてくれたので、今回インストラクターとして参加私自身も嬉しい気持ちでいっぱい。

　今後とも511 Riders Experienceのインストラクターとして活動していく予定なので、これからも両ライダーの成長をサポートしていきたいと思います。