世界に誇る国内4メーカーの組合が動き出した！ 水素小型モビリティ・エンジン研究組合「HySE」がダカールラリーに参戦

技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合（HySE／Hydrogen Small mobility & Engine technology）は、2024年1月5日から1月19日までサウジアラビアで開催される「ダカール2024」（ダカールラリー）の新カテゴリー“Mission 1000”に水素燃料エンジン車「HySE-X1」で参加します。

■注目の集まる水素燃料車

　技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合（HySE／Hydrogen Small mobility & Engine technology）は、2024年1月5日から1月19日までサウジアラビアで開催される「ダカール2024」（ダカールラリー）の新カテゴリー“Mission 1000”に水素燃料エンジン車「HySE-X1」で参加します。

排気量998ccの水冷4ストローク直列4気筒スーパーチャージドエンジンを搭載する「HySE-X1」

　2023年5月に結成されたHySEは、ワサキモータース株式会社、スズキ株式会社、本田技研工業株式会社、ヤマハ発動機株式会社の4 社が基幹となる組合で、水素エネルギーの課題解決に向け、これまでガソリン燃料を用いたエンジンの開発において各社が培った知見や技術をもとに、連携して小型モビリティ用水素エンジンの設計指針の確立も含めた基礎研究に取り組んでいます。

　また、1978年から毎年開催されている砂漠から泥濘地、山岳地帯などの路面を走破するダカールラリーに追加されるMission 1000は、水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレインの技術開発を自動車メーカーに促す、「Dakar Future Program」の一環として新たに導入されるカテゴリーです。

　HySEが課題追求のためのステージとして選んだダカールラリーは、世界一過酷なモータースポーツと言われる厳しい環境条件下で行われる競技で、小型モビリティ（二輪、軽四輪、小型船舶、建設機械、ドローンなど）における現状未知でかつ、容易に想像できない課題を早期に抽出し、水素エンジンの基盤技術構築を加速を目的としています。

　出走する小型四輪「HySE-X1」は、排気量998ccの水冷4ストローク直列4気筒スーパーチャージドエンジンを搭載する車両で、ベルギーに拠点を置くレーシングチーム「オーバードライブレーシング社」のフレームをベースに水素燃料タンクや燃料供給系統の設置のためのレイアウト変更が実施されています。

　今回の発表に際し、HySE理事長の小松 賢二氏（ヤマハ発動機　執行役員　技術・研究本部長）は次のようにコメントしています。

HySE理事長の小松 賢二氏（ヤマハ発動機　執行役員　技術・研究本部長）

「このたび、歴史と伝統のあるダカールラリーに参加することとなりました。研究の成果を分かりやすい形で伝えたいという思いがあり、今回のラリー参加を決断しました。過酷な環境下での課題を洗い出し、技術を磨くことで、一日も早く水素エンジン小型モビリティ成立に必要な技術テーマを解決するべく、組合員一同力を合わせて頑張っていきますので、応援の程よろしくお願いいたします」。

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　なお、HySEは東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー2023」（プレスデー： 10月25～26日、一般公開日：10月28～11月5日）のモータースポーツプログラムブースに、「HySE-X1」（モックアップ）を展示する予定です。