1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

「バイクでUターン!!」 その難易度に直結する「最小回転半径」とは? スペック表から読み解く!

バイクのニュース / 2023年10月26日 11時10分

バイクのカタログや、メーカーHPに掲載されている「スペック」や「仕様」、「諸元」の表には、購入時の参考やライバル車との性能比較など、役立つ情報が含まれています。取り回しの良さに影響する「最小回転半径」の大きさを紹介します。

■バイクのサイズでは決まらない「最小回転半径」

「最小回転半径」とは、車体を直立させ、ハンドルをいっぱいに切った状態で1周回った際の半径を指します。国内4メーカーでは、ヤマハを除いてホンダ、スズキ、カワサキのスペック表に記載があります。

「最小回転半径」はハンドルの切れ角(ステアリングアングル)や「軸間距離」の長さによっても変わる。写真のホンダ「HAWK 11」の最小回転半径は3.4mで、道路によっては反対車線までフルに使ってもUターンは難しいこともある「最小回転半径」はハンドルの切れ角(ステアリングアングル)や「軸間距離」の長さによっても変わる。写真のホンダ「HAWK 11」の最小回転半径は3.4mで、道路によっては反対車線までフルに使ってもUターンは難しいこともある

 最小回転半径はハンドルの切れ角(ステアリングアングル)によって決まるイメージがあります。確かにその通りですが、軸間距離の長さによっても変わります。またキャスター角やトレール量、タイヤのサイズも少なからず影響します。

 たとえば軸間距離が1695mmと長い巨体のホンダ「ゴールドウイング」の最小回転半径は3.4mですが、軸間距離が1460mmとコンパクトな「CBR1000RR-R FIREBLADE」の最小回転半径は3.8mと、「ゴールドウイング」より大きくなります。

 またホンダの「ホーク11」の最小回転半径は3.4mですが、エンジンやフレームがベースとなった「CRF1100Lアフリカツイン」の最小回転半径は2.6mしかありません。これはセパレートハンドルのカフェレーサー・スタイルと、林道など未舗装路で走破性を考慮したアドベンチャーの、バイクのカテゴリーの違いが設計に影響しているからでしょう。

■傾ければ回転半径は小さくなるけれど……

 最小回転半径が実際のライディングシーンで大きく関係するのは「Uターン」するときでしょう。ただし前述したように、スペック表の最小回転半径は「車体が直立した状態」で計測しますが、バイクの構造上、車体を傾けると回転半径は直立時より小さくなります。

「最小回転半径」は車体を直立させ、ハンドルをいっぱいに切った状態で一周回った時の半径。写真のカワサキ「Z900RS」の最小回転半径は2.9m「最小回転半径」は車体を直立させ、ハンドルをいっぱいに切った状態で一周回った時の半径。写真のカワサキ「Z900RS」の最小回転半径は2.9m

 そのため乗車して車体を傾けてUターンすると、スペック表の最小回転半径より小さく回ることができます……が、これはどれくらい傾けるか、その時どれくらいハンドルが切れているかも関係し、なによりライダーのスキルが大きく影響するので、数値化しにくいのと同時に、あまり参考になりません。

 そこで、乗車せずに押し歩きでUターンする場合を考えると、一般的にライダーは車体の左側に立つため、右回りする時に車体を右側に傾けられないので、最小回転半径はおおむねスペック表の数値になります。反対に左回りする際は、ライダー側に少なからず車体を傾けられるので、右回りより回転半径を小さくできる可能性があります。

■3.5mを超えるとUターンは無理!?

 それでは道幅と最小回転半径の関係を考えて見ましょう。1車線の幅員は道路構造令で細かく定められていますが、ザックリ言うと、センターラインのある道路の場合は2.75m、3m、3.25m、3.5mの4種類になります(一般的な国道や高速道路は3.5mが多い)。

ホンダ「CL250」の最小回転半径は2.6mホンダ「CL250」の最小回転半径は2.6m

 すると自分の車線と対向車線の2車線をフルに使ってUターンしたい場合、幅員の幅よりも最小回転半径が小さければ(数字上では)一発でUターンできることになります。

 たとえば道幅がもっとも狭い2.75mの場合、ホンダの「CL250」は最小回転半径が2.6mなのでUターンできます。しかし「CL250」のベースとなったクルーザースタイルの「レブル250」では、最小回転半径が2.8mなので(直立した状態では)一発でUターンすることができません。

 その意味では、前出の「CBR1000RR-R」は最小回転半径が3.8mなので、もっとも広い道幅3.5mの道路でも(直立した状態では)Uターンできないことになります。

ホンダ「モンキー125」の最小回転半径は1.9mと小さいホンダ「モンキー125」の最小回転半径は1.9mと小さい

 それでは小さいバイクの代名詞とも言える、ホンダ「モンキー125」はどうでしょう? 最小回転半径は1.9mと小さく、原付(50cc)スクーターの「ジョルノ」の1.8mと大差ありません。これならかなり狭い道でも、簡単にクルリとUターンすることができます。もちろん押し引きでの取り回しの良さも抜群なので、駐輪場などの出し入れも簡単です。

 というワケで、普段の取り回しやツーリング先でのUターンを考えると、バイク選びの際には「最小回転半径」の大きさも、選考基準のひとつになるかもしれません。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください