【MotoGP第16戦オーストラリアGP】雨と寒さのなかMoto3佐々木歩夢選手が2位表彰台獲得 ランキングトップと4ポイント差に接近

MotoGP第16戦オーストラリアGPが、2023年10月20日から22日にかけてオーストラリアのフィリップ・アイランドで行なわれました。厳しいコンディションとなったMoto3クラスの決勝レースで、佐々木歩夢選手（ハスクバーナ）は2位表彰台を獲得しています。

■今季9度目の表彰台、ランキングトップとのポイント差を詰める

　MotoGP第16戦オーストラリアGPは、日曜日の悪天候予報により週末のタイムスケジュールが変更となりました。主に変更となったのはMotoGPクラスの決勝レースとスプリントレースの開催日時です。佐々木歩夢選手（#71／ハスクバーナ）が参戦するMoto3クラスの決勝レースは日曜日のままだったものの、スタート時刻が1時間早められ、10時となりました。

【MotoGP第16戦オーストラリアGP】佐々木歩夢選手（#71／ハスクバーナ）が参戦するMoto3クラスの決勝レースは、気温13度の雨が降る中で行なわれた

　佐々木選手は初日から上位につけ、好調なスタートを切りました。土曜日の予選では、ポールポジション（予選1番手）を獲得しています。ただ、決勝日の天候は、懸念されていた通りとなりました。21周の決勝レースは、13度という低い気温と降りしきる雨の中で行なわれたのです。

　佐々木選手は序盤からトップ5圏内をキープして周回を重ね、残り6周でトップを走っていたライダーが転倒すると、代わってレースリーダーに浮上。後方に2人のライダーを従えてトップをキープしていましたが、最終ラップで2番手のデニス・オンジュ選手（#53／KTM）が佐々木選手に迫ります。

　優勝争いは佐々木選手とオンジュ選手による一騎打ちとなりました。佐々木選手は惜しくも10コーナーでオンジュ選手にかわされましたが、2位でチェッカーを受けたのです。27人中18人が完走、9人がリタイアとなるサバイバルレースでした。

今季9度目の表彰台を獲得した佐々木歩夢選手

　レース後、パルクフェルメでインタビューを受ける佐々木選手の手は、映像越しでも分かるほど震えていました。いかに厳しいコンディションで戦っていたのかが窺えます。佐々木選手は表彰式のあとのMotoGP.comのインタビューのなかで、やはり「今日のレースはとても寒かったです」と答えています。

「最後は力が入らなくて、残り5周は大変でした。でもしっかり優勝争いすることができました。最終ラップ（でパスされて）、勝てずにまた2位だったので残念な気持ちもありますが、チャンピオンシップのポイント差を4ポイント差まで詰めることができました。残り4戦、しっかり集中して頑張っていきたいと思います」

　確かに今季初優勝は逃したものの、2位という結果を持ち帰り、Moto3のタイトル争いを展開中の佐々木選手は、チャンピオンシップのランキングトップであるジャウメ・マシア選手（#5／ホンダ）とのポイント差を4ポイントにまで縮めることに成功したのです。

　なお、このあとに行なわれたMoto2クラスの決勝レースは悪天候によりレース中盤で赤旗終了となり、MotoGPクラスのスプリントレースも中止となっています。

　次戦第17戦タイGPは10月27日から29日にかけて、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行なわれます。

■Moto3クラスとは……

　Moto3クラスは、4ストローク250cc単気筒エンジンのレーシングマシンで争われる。タイヤはダンロップのワンメイク。MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの中で参戦するライダーの年齢層が最も低く、Moto2クラス、MotoGPクラスへの昇格を目指す若いライダーたちがしのぎを削る。