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不思議な看板が気になる!街中で目にする「なまず」の案内板、何を表してる?

バイクのニュース / 2023年10月28日 9時10分

「動物が飛び出すおそれあり」「信号機あり」「踏切注意」など、道路標識や案内板にはドライバーやライダー、歩行者が交通ルールを理解して安全に通行できるように、イラストが描かれているものもあります。では、街中で目にすることのある「なまず」が描かれた案内板は、いったい何を表しているのでしょうか。

■「なまず」が描かれた案内板を発見!その正体とは

 ドライバーやライダー、歩行者が安全に通行できるように設置されている道路標識や案内板。交通ルールや注意点をよりわかりやすく表すために、文字だけでなくイラストを用いたものまでその種類・デザインはさまざまです。

 中には、一風変わったイラストが描かれたものもあります。たとえば幹線道路などで目にすることのある「なまず」が描かれた案内板。ゆる〜いタッチで描かれたナマズを見て、思わず頬が緩んでしまった人もいるかもしれません。

ナマズが描かれた案内板は「地震災害発生時の緊急交通路」になることを示しているナマズが描かれた案内板は「地震災害発生時の緊急交通路」になることを示している

 ではこの標識は、いったい何を表しているのでしょうか。

 ナマズが描かれた案内板は「地震災害発生時の緊急交通路」になることを示しています。緊急交通路とは、災害対策基本法第76条第1項に基づいて公安委員会が指定する路線のこと。

 つまり大規模災害発生時において、災害応急対策が的確かつ円滑におこなわれるようにするために、一般車両の通行が制限・禁止される道路というわけです。

 もしも大規模災害が発生した場合、指定された緊急交通路の入り口には一部の車両のみが通行できる、交通検問所が設置されます。

 大規模災害発生時において緊急交通路を走行できるのは、パトカー(白バイ)や消防車、救急車といった緊急自動車が該当します。また災害発生時に応急対策を実施する「規制外車両」も挙げられます。

高速道路や自動車専用道路など、交通量の多い主要道路が緊急交通路として指定されることも多い高速道路や自動車専用道路など、交通量の多い主要道路が緊急交通路として指定されることも多い

 これらの緊急自動車が被災地へいち早く向かえるように、高速道路や自動車専用道路など、交通量の多い主要道路が緊急交通路として指定されることも多いようです。

 なお、「規制除外車両」には事前届出制度がありますが、復旧作業の状況や被災者の生活支援の必要に応じて、事前届出をした車両以外も緊急交通路を通行することができるようになると言います。

 実際、2011年に発生した東日本大震災では多くの食料物資等を輸送するために、民間のトラックにも検問所を通過するのに必要な”標章”が交付されたそうです。

 うっかり迷い込んでしまうことはないでしょうが、もしも侵入してしまった場合は何らかの罰則が科せられる可能性もあるので、災害時は十分に注意して避難することが求められます。

 なお、「地震災害発生時の緊急交通路」の案内板の設置場所、もとい緊急交通路を指定しているのは、各都道府県とその地域の警察のようです。

 ちなみに「地震災害発生時の緊急交通路」の案内板にナマズが描かれている理由については、「地震は地底にいる大きななまずが起こすもの」という日本古来の言い伝えが基になっていると言われています。この言い伝えを、実際に耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

ナマズは日本民謡では「物いう魚」と記されており、災害が起こる前に人間に警告を発するとされているナマズは日本民謡では「物いう魚」と記されており、災害が起こる前に人間に警告を発するとされている

 ナマズは日本民謡では「物いう魚」と記されており、災害が起こる前に人間に警告を発するとされていました。江戸時代後期に発生した”安政の大地震”の前にも、なまずが騒いだという記録があるほどです。

 また大規模災害が発生した際に、どこが緊急交通路になるのかをドライバーやライダー・通行人がすぐ把握できるように、ナマズのイラストが採用されている可能性も考えられます。

※ ※ ※

 街中でたびたび目にする、ナマズが描かれた案内板は、災害時の緊急交通路を示すものでした。この案内板は、近い将来予想されている南海トラフ巨大地震が発生した際も役立つでしょう。「もしも」の時に備えて、普段走行している道路に案内板が設置されていないか確認してみるとよさそうです。

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