街を見回る2人組は誰!緑のおじさん(駐車監視員)って何者?
バイクのニュース / 2023年10月27日 9時10分
街中ではたびたび、道路脇に止めてあるバイクやクルマ、自転車の周りを緑色の服を着たおじさんが巡回している姿を目にします。彼らはいったい何者なのでしょうか。
■駐車場に現れる緑の服を着たひとたち!彼らの正体とは
街中に停めてあるバイクやクルマの周りで、全身グリーンの制服を身にまとった「緑のおじさん」たちが、何やら作業をしている光景を目にしたことがある人もいるかもしれません。
この緑色の服を着たひとたちは、いったい何者なのでしょうか。
緑色の服を着た「駐車監視員」
彼らは「駐車監視員」といわれる人たちです。警察官に代わって放置駐車違反の確認事務をおこなう民間法人の従業員で、「みなし公務員」にあたります。
駐車監視員は、上下緑色の制服に反射ベストと「駐車監視員」と書かれた帽子と腕章を着用しているのが特徴です。制服のデザインは全国共通で、グリーンを基調とした見た目から「緑のおじさん」と呼ばれるようになりました。
じつは駐車監視員は国家資格であり、国家公安委員会規則で定められた2日間の講習を受けて、試験に合格して資格を得ることができます。業務を代行する民間法人も、公安委員会に法人登録していなければなりません。その後、それぞれの地域の警察署長から業務を委託されてはじめて、放置駐車違反の取り締まりに関する事務を代行することができます。
駐車監視員の制度が導入されたのは、2006年6月1日の道路交通法改正がきっかけです。それまでは駐車違反の取り締まりといえば、警察官がおこなう業務でした。しかし法改正により、警視庁が業務の効率化を図るため民間企業に委託するようになったようです。
駐車監視員は、各警察署が公表しているガイドラインに基づいて指定されたエリアを2人1組で巡回します。主な活動場所は、クルマやバイクの行き来が激しい駅周辺や繁華街などの道路です。
巡回中に駐車違反の車両を見つけたら、ナンバープレートの番号や違反場所などを専用の端末に入力し、違反の状況をカメラで撮影し記録する
そして巡回中に駐車違反の車両を見つけたら、ナンバープレートの番号や違反場所などを専用の端末に入力し、違反の状況をカメラで撮影し記録します。
その後、「駐車違反確認標章」という黄色いステッカーを端末でプリントアウトし、違反車両の目立つ場所に貼り付けます。貼り付ける場所は、クルマはフロントガラスが一般的で、バイクの場合はバックミラーやハンドル周りが多いようです。
そこまで終わると、最後に違反の証拠写真として再び車両をカメラで撮影し、現場の作業は終了となります。違反車両のデータは駐車監視員が携行する端末にすべて記録されており、それを管轄の警察署へ報告をおこなうまでが業務の一連の流れです。
駐車監視員の活動時間帯は、朝の8時頃から夜の9時くらいまでが多いですが、勤務先によっても異なります。基本的にシフト制の交代勤務で、繁華街など人が集まる場所では週末や深夜も業務をおこなっているところもあるようです。土日は大丈夫だと油断して違反キップを切られないように十分に注意してください。
なお、駐車監視員がおこなうのは放置駐車の確認業務だけです。警察官のように、ほかの交通違反を取り締まったり、交通違反切符の作成などをおこなうことはありません。
また、みなし公務員である駐車監視員は、雇用形態にかかわらず業務中は公務員とみなされます。そのため業務中の駐車監視員に対して、暴力や暴言を与えて業務を妨害すると、警察官と同じように公務執行妨害罪などが適用され逮捕される可能性があります。
ちなみに、駐車監視員が取り締まるのは人が乗っていない放置車両だけです。人がいる場合は確認標章を貼り付けることはありません。
放置駐車違反を見つけて駐車監視員が確認作業を開始して、確認標章を車両に貼り付けた時点で違反が成立する
なお、放置駐車違反を見つけて駐車監視員が確認作業を開始して、確認標章を車両に貼り付けた時点で違反が成立します。この一連の作業を終えてから確認標章を貼り付けるので、その前にバイクに戻れば車両に人がいることになるので違反になることはありません。
違反キップを切られないためにも、少しの間だけバイクを停めるときは覚えておくとよいかもしれません。
※ ※ ※
街中で見かける緑色の服を着たおじさんたちは、駐車監視員といわれる民間企業の従業員です。国家資格を持っており、警察に委託されて放置駐車違反の取り締まりの事務を代行しています。いわば違法駐車の取り締まりのスペシャリストといえるかもしれません。
そのため、ちょっとの時間だからといってバイクを停めていると、あっという間に緑のおじさんたちに囲まれてしまう可能性があります。駐車場に停めるのが一番安全ですが、少しの用事で停めるときなどは、できるだけ早めにバイクに戻るように心がけましょう。
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