1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

新時代のミドルクラス・ハーレー 「X500」の存在意義と乗り味とは?

バイクのニュース / 2023年10月27日 12時10分

ハーレーダビッドソンから登場した普通自動二輪免許で乗れる「X350」と共に上陸した「X500」が遂に日本市場に導入されました。ここではハーレーについて造詣の深いライター、渡辺まことさんが試乗、インプレッションします。

■新たなターゲットを見据えたハーレー「X350」と「X500」

 2023年10月20日にメディアに向けて発表され、11月末から12月にかけてリリースが決定しているハーレーダビッドソンの新機軸、『Xシリーズ』。

 現在、10月29日まで『ジャパンプレミア』が開催された東京渋谷区神宮前の『HARLEY-DAVIDSON X Café』で一般にも期間限定公開されていますが、この『新型パラレルツインDOHC水冷ハーレー』に対して、実際の乗り味などが気になっているという方も多いのではないでしょうか。

排気量500ccのDOHCパラレルツインがおりなすエンジンフィーリングは、あくまでも素直でスムース。同時発売される『X350』と比べると排気量のアドバンテージ分、余裕のあるトルクフルな走りが味わえます。前後サスもスムースに稼働するゆえ、コーナリングも楽しい1台です排気量500ccのDOHCパラレルツインがおりなすエンジンフィーリングは、あくまでも素直でスムース。同時発売される『X350』と比べると排気量のアドバンテージ分、余裕のあるトルクフルな走りが味わえます。前後サスもスムースに稼働するゆえ、コーナリングも楽しい1台です

 特に普通二輪車免許で乗れる上、販売価格も69万9800円(税込み)という『X350』が大きな注目を集めていますが、では同時に発表された『X500』の存在意義は何か? これも『新たなユーザー層をターゲットにした』モデルであることは間違いありません。

ハーレーダビッドソン「X350」(左)と「X500」(右)ハーレーダビッドソン「X350」(左)と「X500」(右)

 ハーレーといえば大排気量のOHVエンジンを搭載したゆったりと走るアメリカンモデル、というイメージを抱く方も多いと思いますが、今回の『X500』の走行フィーリングは既存のイメージとはまったく違うものであり、あえて言ってしまえばかなり『マトモなバイク』のテイスト。おそらくはハーレーに拒絶反応を示すタイプの人が乗っても否定しようのない走行性に仕上げられています。

 ボア69mm×ストローク66.8mmの水冷式DOHCパラレルツインエンジンは、あくまでも素直な乗り味であり、同時に発売された『X350』と比べるとよりトルクフルな印象です。

『350』がエンジンを引っ張ることでキビキビと走る『回転型』なのに対して、排気量のアドバンテージ分、『500』はゼロ発進から、かなりトルクを感じるフィーリングとなっています。

メーカーからのリリースではスポーツスターにインスパイアされた『アメリカン・ロードスタースタイリング』を謳う『X500』。リアまわりに“フォーティーエイト”的なデザインが取り入れられているものの、一部の人は知ってのとおりイタリアン・ブランドの『ベネリ・レオンチーノ』がベースなだけにどことなくヨーロピアン的なムードも漂いますメーカーからのリリースではスポーツスターにインスパイアされた『アメリカン・ロードスタースタイリング』を謳う『X500』。リアまわりに“フォーティーエイト”的なデザインが取り入れられているものの、一部の人は知ってのとおりイタリアン・ブランドの『ベネリ・レオンチーノ』がベースなだけにどことなくヨーロピアン的なムードも漂います

 もちろん、トルクフルといっても従来のハーレーのようなツインらしい「ズドドドッ」と鼓動を感じるものではなく、これまた擬音にすると「グオォォォォ」という湧き上がるようなフィーリング。

 筆者(渡辺まこと)が過去に乗ったバイクの記憶と照らし合わせると教習車で乗った「ホンダCBX750」や「ヤマハXJ750」あたりの4気筒エンジン搭載車が近いような気がします。

 つまりはフラットなトルクがかなり「乗りやすい」のですが、それはライディングポジションにしても然り。『X350』が低めのハンドルにバックステップというセットアップなのに対して『X500』はハンドルも高く、ステップも前よりとなっており、よりアップライトなポジションで、かなり楽に走らせることが可能です。

 ハーレーダビッドソンジャパンのホームページにある文言では「アーバンライフスタイルに適したパフォーマンス」ということが書いてあり、その言葉どおり「街乗り」でも楽しいのですが、つづら折りのコーナーが続くワインディングなどを走るツーリングシーンでも、その実力が遺憾なく発揮されそうです。

■「X350」よりも上質さを感じる「X500」の足回り

 実際、足回りに関してはフロントフォークも『X500』の方が『X350』より9mm太い50mmサイズの倒立フォークが採用されており、モノショックのリアサスもダイヤルによるプリロード調整が可能。前後17インチホイールによる走りも、しなやかに動く足回りと相まってじつに素直なフィーリングで文句をいうべき所が見当たりません。

シート高820mmの車体は身長175cmの筆者が跨るとご覧のとおり。足つき性もポジションもかなり良好ですシート高820mmの車体は身長175cmの筆者が跨るとご覧のとおり。足つき性もポジションもかなり良好です

 今回の試乗でも多くのジャーナリストの皆さんから「350より500の方が良い」という声も聞かれたそうですが、確かに人によってはこちらの『X500』に軍配を挙げることも頷けます。

 過去を振り返ると1990年代の1ドル80円台の時代にはXLH883が新車で88万3000円という価格で販売され、それが「手の届く存在」となり、後のハーレーブームを呼び込んだ一因になりましたが、この『X500』も販売価格は83万9800円(消費税10%込)となっています。

ハーレーダビッドソン「X500」ハーレーダビッドソン「X500」

 普通自動二輪免許で乗れる『X350』と比較すると大型二輪免許が必要というハードルこそありますが、「新たな顧客層にハーレーを届ける」というメーカー側の狙いを考えるとこちらも『X350』同様(ちなみにX350は69万9800円)、かなり思い切った価格設定であるといえるでしょう。

 また、走りのフィーリングも既存のハーレー・ファンというより多くのバイクファンが受け入れるであろうものとなっています。

『ハーレー好き』ではなく一人の純然たる『バイク好き』として見ると……この『X500』、まったく否定する部分はありません。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください