1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

【関ケ原の戦い】「敵中突破!」の逸話が残る西軍・島津義弘の武勇伝とは

バイクのニュース / 2023年11月3日 8時10分

1600年10月21日(慶長5年9月15日)の「関ケ原の戦い」では、西軍が徳川家康率いる東軍に敗北しました。敗者にもそれぞれのドラマがあり、中には強烈なエピソードとして語り継がれている武将もいます。その代表格が、薩摩の雄、島津義弘(しまずよしひろ)の「敵中突破」です。その陣跡をスーパーカブで訪れました。

■義弘の甥、豊久が家康に見せつけた島津の勇ましさ

 1600年10月21日(慶長5年9月15日)に起きた「関ケ原の戦い」では、小説や漫画の題材にもなるほどの勇ましい逸話が残っています。敗北した西軍の石田三成(いしだみつなり)、宇喜多秀家(うきたひでいえ)の軍は敗走し、午後2時、戦場に取り残された島津義弘(しまずよしひろ)の軍は超危機的状況に陥ります。それを打破したのは「島津の退き口」と語り継がれている、決死の「敵中突破」でした。

元々は東軍に属する予定だったという島津義弘の陣地跡を訪れた。石田三成からの参戦にも積極的に応じなかったものと思われる元々は東軍に属する予定だったという島津義弘の陣地跡を訪れた。石田三成からの参戦にも積極的に応じなかったものと思われる

 小説などでも描かれていますが、その行動はまさに英雄(ヒーロー)の如き。負けた西軍だからこその強烈な歴史です。その義弘の陣跡をスーパーカブで訪れました。

 現地に設置された解説板によると、1千500余を率いた義弘は北国街道(ほっこくかいどう)を抑え、石田三成の側面も守るために、小池村に陣を構えたとのこと。この陣跡から北西250mの薩摩池(島津が使用したために命名)付近だったそうです。

 義弘の戦い方は独立意識が強かったのか、西軍に属しながらも開戦後は自ら攻撃に出ることなく、敵味方関わらず自陣に近づけさせなかったそうです。三成から参戦を要請されるも無視。使者として訪れた三成の家臣、八十島助左衛門(やそじますけざえもん)に対しては「下馬しなかった」という無礼に激怒して追い返したとのこと。

 その後、三成自身の説得に対しても「今日の合戦は各々が好き勝手に手柄を立てられるように戦いたい」と、呼応しなかったようです。

島津家の家紋は「丸に十字」。十字紋は初代の忠久が源頼朝から賜ったものと伝えられている。「魔除け」や「二匹の龍」、キリシタンとの関係など様々な説があるようだ島津家の家紋は「丸に十字」。十字紋は初代の忠久が源頼朝から賜ったものと伝えられている。「魔除け」や「二匹の龍」、キリシタンとの関係など様々な説があるようだ

 小早川秀秋(こばやかわひであき)の寝返りにより、西軍の武将たちは隊を率いて次々と敗走します。孤立してしまった島津隊は、大胆にも正面を突破して伊勢街道を南方に抜ける進路をとりました。多くの敗将が背後の近江方面(西方)に逃れる中、真逆の手法をとったのです。

 目の前には徳川家康本陣。そこに向かって猛烈な勢いで突破したのが、世に言う「島津の退き口・敵中突破」なのです。

「敵中突破」では義弘の甥である島津豊久が斬り込み隊として東軍正面へ突撃し、後方からの義弘を先へ行かせた「敵中突破」では義弘の甥である島津豊久が斬り込み隊として東軍正面へ突撃し、後方からの義弘を先へ行かせた

 あまりにも強すぎる島津家は、次男の義弘もその例にもれず、1572年の「木崎原の戦い」では3千の敵を3百で撃退。朝鮮出兵の際は「釣り野伏せ」という戦法を使い、7千の部隊でで20万の大軍を迎え撃ち、3万8千の首を打ち取り「鬼石萬子(グイシーマンズ:鬼の島津)」と恐れられたとか。

 釣り野伏せとは、3隊に分けたうちの2隊を左右に伏せておき、中央部隊が正面から当たった後、わざと敗走し、油断させたところで3方包囲により殲滅させる戦法です。

島津の陣地から程近いところに「関ケ原開戦地」がある島津の陣地から程近いところに「関ケ原開戦地」がある

 島津隊がとった「敵中突破」は、まさに背水の陣。ただ突破するだけでなく「捨て奸(すてがまり)」という戦法を使いました。これは隊の後方を少しずつ切り捨てることで、本体を生還させる手法です。

 自ら死んで義弘を守るという、薩摩兵の凄まじい主君愛を感じます。NHK大河ドラマ『どうする家康』でも活躍する家康の家臣、井伊直政(いいなおまさ)は、この時の傷が原因で亡くなったそうです。家康を認めさせた島津の勇気と決断力は、今なお多くの人の心を引きつけているのではないでしょうか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください