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【関ケ原の戦い】八丈島に流され84歳まで生きた宇喜多秀家 現世では妻との再会叶わず

バイクのニュース / 2023年11月4日 8時10分

1600年10月21日(慶長5年9月15日)、徳川家康率いる東軍と毛利輝元率いる西軍が、美濃国(岐阜県)関ケ原を舞台に繰り広げた合戦が「関ケ原の戦い」です。西軍の宇喜多秀家(うきたひでいえ)は敗戦後、八丈島に流された武将でした。その陣跡をスーパーカブで訪れました。

■西軍最大兵力を擁する敗戦の将、八丈島に家を残す

 1600年10月21日(慶長5年9月15日)、徳川家康率いる東軍と毛利輝元率いる西軍が、美濃国(岐阜県)関ケ原を舞台に繰り広げた合戦が「関ケ原の戦い」です。西軍の宇喜多秀家(うきたひでいえ)は敗戦後、八丈島に流された武将でした。その陣跡をスーパーカブで訪れました。

南天満山(みなみてんまんやま)の宇喜多秀家陣跡を訪れた。現地へ至る砂利道は整っており、スーパーカブでも楽々と移動することができた。美しい陣跡にバイクで乗り入れるのは憚れたので、手前に置いて散策した南天満山(みなみてんまんやま)の宇喜多秀家陣跡を訪れた。現地へ至る砂利道は整っており、スーパーカブでも楽々と移動することができた。美しい陣跡にバイクで乗り入れるのは憚れたので、手前に置いて散策した

 豊臣秀吉亡き政権で、宇喜多秀家(うきたひでいえ)は徳川家康、前田利家(まえだとしいえ)、毛利輝元(もうりてるもと)、上杉景勝(うえすぎかげかつ)に並ぶ「五大老」の1人でした。秀家の陣跡に設置された解説板を読むと、当初から石田三成(いしだみつなり)への協力を約束していたそうです。西軍の総大将は毛利輝元、秀家は副大将を務めました。

 合戦前夜に美濃の「大垣城」を出た秀家は、西軍の殿(しんがり)を務めながら移動し、午前5時頃に南天満山へ布陣。夜半の行動中に東軍の先鋒、福島正則(ふくしままさのり)と小競り合いになったそうです。

各陣跡に置かれている解説板はフォーマットが統一されており、非常にわかりやすい。陣地の位置関係も地図で確認することができる各陣跡に置かれている解説板はフォーマットが統一されており、非常にわかりやすい。陣地の位置関係も地図で確認することができる

 午前8時、東軍の先駆けを狙っていた家康の家臣、井伊直政(いいなおまさ)が秀家の隊に向けて発砲します。続いて福島隊が攻撃を開始して戦いの火蓋が切られます。

 秀家は西軍最大兵力の1万7千を擁していたと言われています。秀家の家臣、明石全頭(あかしてるずみ)が先陣を務め、福島隊の先陣、可児才蔵(かにさいぞう)と激戦を展開しました。

 正午頃に小早川秀秋(こばやかわひであき)が東軍に加勢したこと(寝返り)により、善戦していた西軍、宇喜多隊も総崩れに陥ります。秀家は秀秋の裏切りを予想しており、その行動に激怒して決闘を覚悟したそうですが、全頭の進言で伊吹山中に逃れました。

静謐な雰囲気の「天満神社」は、宇喜多秀家が布陣した場所。神社でお参りしてきた静謐な雰囲気の「天満神社」は、宇喜多秀家が布陣した場所。神社でお参りしてきた

 逃走中、落ち武者狩りをしていた矢野重昌(やのしげまさ)という郷士に匿われ、その後は島津家を頼って薩摩に落ち延びますが、最後は家康に引き渡されます。

 その結果、八丈島に流されることになりましたが、当時28歳だった秀家は、なんとこの地で84歳まで生きたのでした。長い年月を流罪人として生きた秀家だけでなく、宇喜多家は江戸時代の265年間、八丈島で暮らしていたことになります。明治時代になり、ようやく島から出ることを許されたのです。

宇喜多家の家紋は「剣片喰(けんかたばみ)」と呼ばれるものだが、秀家は「児(こ)の字」を好んでいたという。三宅氏を名乗っていた祖先の家紋だそうだ宇喜多家の家紋は「剣片喰(けんかたばみ)」と呼ばれるものだが、秀家は「児(こ)の字」を好んでいたという。三宅氏を名乗っていた祖先の家紋だそうだ

 解説板には書かれていませんでしたが、秀家には愛妻の豪姫(ごうひめ:前田利家の四女)がいました。食糧難だったと言われる島の生活は非常に厳しいものであったと想像されます。豪姫は実家の金沢に引き取られました。

 最期まで再会が叶わなかった2人を慰めるように、八丈島には夫婦が並んだ像があるとのこと。いつか訪れてみたいものです。

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