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知っておきたいクルマの「死角」 自転車で道路を安全に走るための重要な知識

バイクのニュース / 2023年11月9日 13時10分

自転車で道路を走行する際に、クルマやバイクなど同じ道路を走る車両の特性を知っておくことは、自身の安全を確保しながら道路を利用するための重要な知識です。クルマを運転するドライバーの「死角」について考えてみましょう。

■「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」で

 なかなか減ることがない自転車がかかわる事故ですが、自転車に乗る自分がどれだけ気をつけていても、道路環境は状況や天候などの外的要因によって刻一刻と変化しているため、何らかのアクシデントやトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。そのような状況をひとつでも減らすため、クルマやバイクと同じ道路を走る仲間の特性を知っておくことは重要です。ドライバーから見たクルマの「死角」について考えてみましょう。

自転車通行帯や自転車ナビラインを走る際も、並行して走るクルマの死角に入り込まないよう注意したい自転車通行帯や自転車ナビラインを走る際も、並行して走るクルマの死角に入り込まないよう注意したい

 普段、クルマを運転しない人にはなかなか想像しにくいかもしれませんが、ドライバーが運転席に座っている時、「目視では見えない場所」=「死角」がいくつか存在します。自転車で走行中にそのエリアに入り込んでしまうとドライバーからは見えないので、走行の流れの中で接触などの危険性が高まります。

 走行中のクルマの死角は意外とたくさんあります。まず最初に気になるのは、車体の構造上の死角です。ドライバーは主にフロントガラスから前方を見ていますが、フロントガラスとサイドのガラスの間にある柱(ピラー)は視界を遮る存在になっています。また、リアガラスも同様です。ピラーの影に入り込んでしまうとドライバーからは見えないため、右左折時に巻き込まれてしまうリスクが高まります。

 4ドア車の場合、前後ドアの間もクルマの構造上で死角になります。自転車に乗っていて妙な幅寄せをされると感じた時、それはドライバーの故意ではなく、前後ドア間の死角に入って自分がドライバーから見えない場所に位置していることで発生している可能性があります。

「クルマの横にいるならサイドミラー(ドアミラー)に映っているのではないか」と思うかもしれませんが、サイドミラーで見える範囲は限られており、真横はほぼ死角だと思った方が良いでしょう。自分がクルマではなく、歩行者や自転車の場合はシルエットが小さいため見落としやすく、右左折時に巻き込まれてしまう可能性があります。できる限り、クルマの真横を走ることは避けた方が良いでしょう。

 また、クルマが曲がる時に発生する死角にも注意が必要です。クルマが左折しようとした場合は、前述のピラーやサイドミラーの死角に自転車が入り込んでしまうと巻き込み事故が発生しやすくなります。反対に、右折するクルマにも注意が必要です。

 たとえば対向車が道を譲ってくれたとします。そのとき、右折ドライバーからは譲ってくれた対向車が壁となり、その左側を走って来る対向自転車を目視することができません。そのため、直進する自転車と、右折するクルマの出会いがしらの事故が発生する危険があります。

 もちろん、クルマ側にも注意しながら徐行して曲がる意識が必要ですが、自転車側も、同じ方向に走る車両が赤信号でもないのに停車していたら、その先でクルマの何らかの動きがあるだろうと、意識する必要があります。

 これらはあくまで走行中のクルマの死角についてですが、それ以外にもフロントガラスやリアガラスより下の部分は死角になっていて、小さな子供が遊んでいても視界に入らないなどさまざまなパターンが存在します。

 クルマの運転は「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」を心がけるように繰り返し言われますが、それは自転車も同様です。「大丈夫だろう」という運転は自分だけではなく、ほかの人にも迷惑をかけてしまう可能性もあります。

 自転車もクルマもバイクも、油断することなく「何かがあるかもしれない」を心がけて乗るようにしたいものです。

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