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説明できる?エンジンのボアとストロークその関係性とは

バイクのニュース / 2024年2月3日 17時10分

カタログのスペック表を見ると、排気量やサイズ以外にもさまざまな数値から、そのバイクのイメージをつかむことができます。例えばエンジンについても細かく項目があり、それぞれの数値が記載されているのを見た事がある人も多いでしょう。そのなかで、今回はエンジンの味付けに大きく関わるボアとストロークの関係性についてご紹介します。

■エンジンのボアとストロークってそもそもなに?

 バイクのカタログなどでエンジンのスペックを見た際に、一番気になるのは最高出力と最大トルクでしょう。パワーがあるとか無いなどは、この項目を見ればわかります。ただ、エンジンはパワーがあれば良いというものでもなく、味付けも重要。そんなエンジンの味付け部分に大きく関係するスペックが、ボアとストロークです。

 それらは何を表しているかというと、エンジン内部にはシリンダーがあって、そこの中をピストンが上下しています。ボアはそのシリンダーの径で、ストロークはピストンが動く量のこと。

 一見するとシリンダーの大きさは排気量で決まっているように思えますが、実はそうではなく、同じ排気量でもボアとストロークの組み合わせはさまざまとなっています。

エンジンの味付け部分に大きく関係するスペックが、ボアとストロークエンジンの味付け部分に大きく関係するスペックが、ボアとストローク

 そんなボアとストロークについては、スペックに実際の寸法が載っていて、その比率をボア・ストローク比と呼びますが、この数字の関係には3つのタイプがあって、ボアとストロークの数字が同じ物はスクエアストローク。横から見た場合、シリンダーの径とピストンが動く量が同じになる事が特徴です。

 そしてボアよりもストロークが長いのがロングストロークで、逆に短いのがショートストローク。雑誌などのエンジンの解説にも出てくる用語なので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。

 この3つのタイプのうち、どれに当てはまるかで、エンジンの特性やフィーリングを想像することが可能です。

■それぞれのタイプの持ち味とは?

 まずはショートストロークから説明すると、ボアよりもストロークが短いということは、ピストンの移動は少ないので上下するスピードも遅くなります。

 逆を言うと、回転を上げられるという事にもなるので、高回転型のエンジンはショートストロークが採用されており、スポーティな味付けとなります。

 逆のロングストロークは長い距離をピストンが上下するため、ピストン自体の移動スピードは速いので、高回転化はできません。ただ、力を出しやすいので、粘り強いフィーリングになる事が特徴。ハーレーなどに搭載されているエンジンが代表的で、かなりのロングストロークとなっていることが味わいを生み出す要因のひとつとなっています。

 自転車のペダルが短かったら、逆にとても長かったらと、想像してみると分かりやすいかもしれません。

 そしてスクエアストロークはショートストロークとロングストロークのいいとこ取り。クルマのエンジンは最近とくに実用性重視のため、スクエアストロークに近いスペックで作られていますが、バイクの場合は趣味性が高いため、エンジンによって様々です。

同じ排気量でもボアとストロークの組み合わせはさまざま同じ排気量でもボアとストロークの組み合わせはさまざま

 ボアとストロークの組み合わせによるエンジンのフィーリングの違いを簡単に説明しましたが、エンジンというのはあくまでも広く市販されるものだけに、さまざまな制約を受けるため、どのバイクを開発する際にどの組み合わせを使用するかということは、フィーリングだけでは決められません。

 例えばショートストロークではバルブが付いている燃焼室のサイズが大きくなってしまうことから、燃費が悪化することもあります。また車体設計との絡みもあって、ボアが大きいと横方向の寸法も大きくなってしまうため、搭載位置などに制約が出てしまう事も。

 逆にロングストロークでは縦方向に制約が出るなど、ボア・ストローク比自体も含めて、何を重視するかというバランスで落とし所を決めていくのが開発とも言える為、メーカーや設計者の考え方がボアとストロークのスペックに表れていると言っても過言では無く、その視点からカタログを眺めてみるのも面白いのではないでしょうか。

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