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電動バイクになって復活する!?「チョイノリ」ってどんなバイクだったの?

バイクのニュース / 2023年11月18日 9時10分

2023年10月28日から11月5日にかけて、「Japan Mobility Show2023」が東京ビッグサイトで開催されました。そこでスズキは、参考出品車として「e-choinori(イーチョイノリ)」を発表。以前発売されていた「チョイノリ」をベースとした車両とのことですが、そもそもチョイノリとはどのようなバイクだったのでしょうか。

■元祖「チョイノリ」ってどんなバイク?

 2023年10月28日から11月5日にかけて東京ビッグサイトで開催された「Japan Mobility Show2023」。スズキのブースでは4輪車をメインに、コンセプトカーから市販のクルマなどが展示され、そのなかにバイクのモビリティもいくつか紹介されていました。

参考出品車として発表された「e-choinori(イーチョイノリ)」参考出品車として発表された「e-choinori(イーチョイノリ)」

 なかでも話題に上がったのが、参考出品車として発表された「e -チョイノリ」。2003年に発売された「チョイノリ」をベースにしたリメイク版で、電動モデルとして生まれ変わったのです。

 eチョイノリは、当時のチョイノリと同様に愛くるしいフロントマスクが特徴。ヘッドライトをはじめ灯火類はLED化され、ホーンのスリットが「e」の形に変更されていますが、スタイルは基本的に従来モデルと共通です。

 またパナソニック製の電動アシスト自転車の駆動ユニットやバッテリーを採用。電動スクーター用としては小ぶりなバッテリーをシート下の前方に配置し、従来モデルではガソリンタンクがあったシート下に収納スペースを確保しているようです。

シート下の収納には、ハーフタイプのヘルメットが入るほどの容量があるシート下の収納には、ハーフタイプのヘルメットが入るほどの容量がある

 ハーフタイプのヘルメットが入るほどの容量が予想されますが、もしかしたら予備のバッテリーが入れられるかもしれません。

 電動スクーターであるe-チョイノリは原付一種相当になるため、30km/hの速度制限や2段階右折などのルールを守って、通常の原付バイクと同じように走行することができます。現段階ではまだ参考出品ということですが、新たな小型モビリティとして早く市販化されることを期待したいところです。

 では、e-チョイノリのベースとなった元祖「チョイノリ」とは、どのようなバイクだったのでしょうか。

スズキ歴史館に展示されている「チョイノリ」スズキ歴史館に展示されている「チョイノリ」

 エンジン版のチョイノリは、2003年2月に税抜5万9800円という衝撃的なプライスタグをひっさげて登場しました。当時、生産拠点を安い労働力のアジアに移して低価格のスクーターが次々と発売されるなか、国産にこだわりつつライバル車よりも頭一つ抜けた価格を実現しています。

 超低価格を実現した背景には、徹底したコストカットにありました。従来のスクーターよりも部品点数を30%削減し、ボルトやナット類にいたっては50%削減。その結果、乾燥重量39kgという自転車並みの軽量化に成功しています。

 さらに機能面においても必要最低限という徹底ぶり。キックスターターのみで、ヘッドライトはハイビーム専用、オドメーターや燃料計はおろか警告灯もありませんでした。しかもリアタイヤにはサスペンションすらないリジッド仕様でしたが、厚みのあるシートを採用したおかげで乗りごこちは悪くなかったようです。

 そのシート下には、タンク容量3Lのガソリンタンクがむきだしの状態で収まり、さらにその下は空間でメットインもありませんでした。ただ、軽量ボディのおかげで76km/Lの低燃費を実現していたので、名前の由来になった「ちょい乗り」の用途では十分なタンク容量で不満を感じることはなかったようです。

 またシンプルなスピードメーターには50km/hまで刻まれていましたが、最高出力は2ps程度で40km/hがやっとの性能でした。まさに近距離の移動のためだけに開発された、超シンプル設計の廉価版スクーターだったと言えます。

 のちに、セルとオドメーター付きの「チョイノリ2」もラインナップしました。ラゲッジスペースのないチョイノリの弱点を補うため、フロント部分にバスケット取り付け用のボスを装備。なお、バスケット装備時に隠れてしまうウインカーは、ハンドルバーへ移設されました。

スポーティーな外観に仕上げた「チョイノリSS」スポーティーな外観に仕上げた「チョイノリSS」

 また、フロントシールドを取り外してスポーティーな外観に仕上げた「チョイノリSS」も登場します。チョイノリの基本構造は変えずに、丸形のフロントライトにT型のフラットバーハンドルを採用。軽快感がアップし、フレームをむき出しにした無骨なスタイルが多くの男性にも支持されました。ちなみに車名の「SS」はストリートスタイルの略称です。

 最終的にチョイノリの出荷台数は10万台を超えるほどになりましたが、強化する排ガス規制に対応しきれず、2007年8月末をもって生産終了に。チョイノリは、インパクトのある価格とスタイルで多くの人の記憶に刻まれた、異色の原付バイクといえるかもしれません。

※ ※ ※

 伝説の原付バイク「チョイノリ」が、電動スクーターとなって復活しそうな予感です。「ちょっと乗るだけ」のチョイノリには、むしろ電動化はうってつけのシステムかもしれません。

 次世代モビリティとしての「e-チョイノリ」も旧モデルと同様に、多くの衝撃をバイクファンに与えてくれることになりそうです。

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