一体どうすればいい? バイクを運転中にクマやシカなどの動物と接触してしまった際の対処法
バイクのニュース / 2023年11月27日 11時10分
ツーリング中に、突然野生動物が飛び出してきたという経験はありませんか? どうしてもよけきれず接触してしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
■バイクで山道などを走る際は要注意!「ロードキル」とは?
ツーリングなど、バイクで自然に囲まれた山道を走る際に気を付けなければならないのが、野生動物との衝突です。突然飛び出してくる動物を回避するのはなかなか難しく、ライダーを守る構造になっていないバイクの場合は、動物とライダーの双方に大きな危険がともないます。
なお、NEXCO3社(東日本・中日本・西日本)および本四高速、首都高速、阪神高速の高速道路各社が公開した令和3年度の落下物処理件数のうち、ロードキルの処理件数は5万1000件にものぼる程。これは2002年が3万6000件だったのに対し、ここ20年ほどで約1.5倍近く増加している計算となります。
さまざま野生動物の進入対策が施されている高速道路でこれだけの数字となっている事を考えると、調査が十分でない一般道を含めると、かなりの数のロードキルが発生していると推測されます。
ロードキルとは、道路上で野生動物と衝突し、動物を殺してしまう事故
ロードキルとは、道路上で野生動物と衝突し、動物を殺してしまう事故を意味します。増加の要因はさまざまですが、道路建設のために森林が伐採され、棲み処やエサを求めて野生動物が人間の生活域に降りてくるようになった事が一番の理由と言われています。
なお、動物の生息域に近い道路には、注意喚起のため「動物が飛び出すおそれあり」という黄色いひし形の警戒標識が設置されています。このような警戒標識のある道路では、速度を控えめにして走行することが重要ですが、突如道路の脇から飛び出してくる動物を避けるのは、容易ではありません。
もしも道路に飛び出してきた動物をとっさに避けられても、反対車線にはみ出して対向車と衝突したり、ガードレールに激突したりしてしまっては非常に危険です。
また、後続車がいる状態で急ブレーキをかければ、追突されてしまう可能性もあるでしょう。では、野生動物と衝突事故が起きてしまったら、どうすればよいのでしょうか。
バイクで動物と衝突してしまった場合は、まず警察に連絡しなければならない
動物と衝突してしまった場合は、まず警察に連絡しなければなりません。道路交通法72条では、運転手は交通事故が起きた際の報告が義務付けられています。
動物との衝突も交通事故に該当するため、そのまま走り去ってしまうと「報告義務違反」になってしまいます。また、バイクの損害に対して任意保険を使う場合は事故証明が必要。そのため、動物が逃げてしまったとしても必ず警察に連絡するようにしてください。
なお、衝突した動物が生きていてケガを負っている場合は保護する事が必須。動物病院もしくは保護施設に運ぶか、それが難しい場合は連絡をして指示を仰ぎましょう。
動物が死亡してしまった場合は、通話料無料の道路緊急ダイヤル「#9910」に連絡します。とくにイノシシやシカなどの大型の動物はそのまま放置すると、後続車が衝突するなどの二次災害を引き起こす可能性があるので、迅速に行動するようにしましょう。
なお、野生動物を素手で触ると感染症にかかる危険性があります。移動させる際などは、タオルに包むかダンボールなどで保護し、直接肌に触れないようにすることも重要です。
■様々ある動物との事故を防ぐ為の対策
動物との衝突を防止するために、前述した「動物注意」の警戒標識のほかにも、高速道路を中心にさまざまな対策が施されています。
例えば跳躍力のあるシカの道路への進入を防ぐために高さのあるフェンスを設置したり、道路を安全に横断できるよう、地下道や橋など動物専用の通路などが設置されています。
動物を巻き込む事故は、道路を利用する誰しもに起こりうるアクシデント
しかし、それでも相手は野生動物であるため、完全に接触事故を防ぎきれない現状があるのも事実。動物を巻き込む事故は、道路を利用する誰しもに起こりうるアクシデントです。
動物にケガを負わせたり死亡させるだけでなく、バイクの損傷やライダーもケガを負うリスク大。動物との事故を起こさないためにも、「動物注意」の標識が設置されている道路では、スピードを落として注意しながら走行するようにしましょう。
また、タヌキなど多くの野生動物が夜行性であるため、とくに夕方から深夜にかけての時間帯は要注意。遠くからでも動物の目が光るなど、事前に発見できる可能性が高まる為、対向車がいない状況などでは積極的にハイビームを使う事もおススメです。
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