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正体を知ってる? 冬場の高速道路に撒かれる謎の白い粒

バイクのニュース / 2023年12月3日 11時10分

冬場になると、高速道路に謎の白い粒が散布されているのを目にしたことがあるでしょう。一見すると小石や砂のようにも見えますが、この粒にはどのような役割があるのでしょうか。

■冬場の高速道路に白い粒が!?あれっていったい何?

 冬になると高速道路では、たびたび白い粒が撒かれている光景を見かけます。この白い粒は、気温の高い時期や暖かい地域の道路では、ほとんど見かけることがありません。

 一体どのような理由で、この白い粒が散布されているのでしょうか。

積雪地帯の高速道路で撒かれる白い粒の正体は「凍結防止剤」積雪地帯の高速道路で撒かれる白い粒の正体は「凍結防止剤」

 この白い粒の正体は「凍結防止剤」というもの。文字どおり路面の凍結を防止するための薬剤で、路面の凍結によるスリップ事故が起きないよう、雪の多い地域では、積雪シーズンになると必ず道路上に散布されます。

 凍結防止剤の成分は主に塩化ナトリウム、いわゆる塩のこと。料理などで使う塩と基本的には同様ですが、凍結防止剤の塩化ナトリウムは食用のものと異なる製法で作られているため、食べることはできません。

 毒性がほとんどなく、価格も安い上に供給量も安定しているため、凍結防止剤として広く使われるようになりました。

 また、雪を溶かす薬剤には「融雪剤」というものもあり、凍結防止剤と同じ効果を期待する事ができますが、主な成分は塩化カルシウムで、水にとけると発熱する性質があるため、融雪効果が高いのが特徴。短時間で雪をとかすことが可能なため、主に厳寒地で使用されています。

■凍結防止剤が路面凍結を防ぐ仕組みとは?

 では、凍結防止剤を道路にまくと、なぜ凍結を防ぐことができるのでしょうか。

凍結防止剤の成分は主に塩化ナトリウムや塩化カルシウム凍結防止剤の成分は主に塩化ナトリウムや塩化カルシウム

 水は通常0度で凍りますが、その氷になる温度のことを「凝固点」。すべての液体の凝固点が0度かというと、そうではありません。じつは、塩が水にとけて食塩水になると、凝固点が0度より低くなり、まさに凍結防止剤は、この原理を利用しているという訳です。

 塩化ナトリウムと塩化カルシウムでは、それぞれ凝固点が異なります。塩化ナトリウムは、濃度によってマイナス20度ていどまで下がり、効果の持続力が高い事が特徴。

 また、塩化ナトリウムと似たようなものに、塩化マグネシウムというものもあり、これは豆腐を作る際の凝固剤として使われる「にがり」のことですが、凍結防止剤にも利用されていて、凝固点はマイナス30度ほど。少し低くなりますが、そのほかの性質は塩化ナトリウムとほぼ変わりません。

 この2つは吸湿性が高く、水にとけやすい性質があるので、凍結防止剤のまかれた道路では、降り積もった雪と塩の成分が混ざって食塩水となります。食塩水の濃度は次第に薄まっていきますが、持続効果が高いため、雪が降り積もるのを防ぐのに非常に効果的。

 一方の塩化カルシウムは、濃度によってマイナス50度ていどまで凝固点を引き下げることができます。そのため、即効性があり一度にたくさんの雪をとかすことが可能。ただし水と混ざると発熱するので、肌に直接付いてしまうと炎症を起こすおそれがあるので、素手で触らないように注意してください。

凍結防止剤が撒かれるタイミングは、路面に雪が積もった時だけでなく、降雪が予想されている場合や、気温の低下で路面が凍結するおそれがある場合凍結防止剤が撒かれるタイミングは、路面に雪が積もった時だけでなく、降雪が予想されている場合や、気温の低下で路面が凍結するおそれがある場合

 なお、凍結防止剤が撒かれるタイミングは、路面に雪が積もった時だけでなく、降雪が予想されている場合や、気温の低下で路面が凍結するおそれがある場合。

 散布方法は、専用の凍結防止剤散布車を走らせて、時速50km/h程度の速度で道路にまんべんなく散布していきます。散布機には自動調整機構が搭載されており、クルマのスピードが変わっても一定の散布量になるように調整してくれる仕組み。

 というように凍結防止剤は、積雪の多い地域の道路では安全対策として欠かせないものとなっています。

凍結防止剤がまかれた道路を走る際に注意しなければならないのが「塩害」凍結防止剤がまかれた道路を走る際に注意しなければならないのが「塩害」

 そんな、凍結防止剤がまかれた道路を走る際に注意しなければならないのが「塩害」。塩害とは、塩分によって植物や農作物が枯れたり、コンクリート内の鉄筋などが腐食する被害のことで、主に海風が吹く沿岸地域に多いですが、凍結防止剤に含まれる塩分でも塩害が発生する為、海から遠い内陸部でも油断は禁物。

 鉄でできているバイクも被害を受けやすく、凍結防止剤のまかれた道路を走行したあとは、路面から巻き上げられた塩分が各パーツに付着して、錆びを発生させる原因になります。そのまま放置すると金属部分が腐食していき、バイクの寿命を縮めることになりかねません。

 春先など雪解けが進んでいる場合でも道路には塩分が残っているので、目に見えなくても知らずしらずのうちボディに塩分が付着してしまいます。

 凍結防止剤による塩害から愛車を守るためには、こまめに塩分を水で流し、綺麗にするしかありません。積雪地域を走ったあとは、なるべく早く洗車するように心がけましょう。

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