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バイクにはあまり良くないってホント!? 近場への移動でしか走らない「バイクの短距離走行」

バイクのニュース / 2023年12月4日 9時10分

ツーリングを楽しんだり、通勤通学でバイクに乗ったり、バイクの使用用途は人それぞれです。中には、徒歩で移動するには少し億劫というような短距離にのみの移動の足として、バイク使用している人もいるでしょう。しかしバイクであまり長距離を走行しない行為は、車体に悪影響を与えるという噂を耳にする事があります。それは、何故なのでしょうか。

■近場への移動でしかバイクを使わないと、愛車に悪影響?

 毎日の通勤や買い物など、徒歩では少し億劫だけど近い場所まで移動するのに、バイクはとても便利な乗り物です。「歩くには遠すぎるし、自転車だとちょっと大変」ということで、ほんの数㎞の距離を毎日バイクで移動しているという人も多いのではないでしょうか。

 しかし、短距離走行ばかりでバイクを使っているとエンジンに悪影響をおよぼし、さまざまな不具合が起きる可能性があります。走行距離が伸びればエンジンに負荷がかかることは理解できても、短距離ばかりの走行がエンジンに悪いというのは、不思議に思うかもしれません。

 では 短距離の走行とは何㎞ぐらいのことなのでしょうか。

近場への移動でしかバイクを使わないとエンジンに悪影響を及ぼす近場への移動でしかバイクを使わないとエンジンに悪影響を及ぼす

 エンジンが温まるには、バイクを始動させてから少し時間がかかります。

 バイクを走らせることで、徐々に潤滑油が各パーツに行き渡るようになりエンジンが暖められる仕組みとなっており、その暖気が終わる前にエンジンを切ってしまうことが「短距離走行」です。そのため、こうした短い距離ばかりの走行をくり返すことで、少しずつエンジンにダメージが蓄積されていくことになります。

 では、短距離ばかりの走行をくり返していると、バイクにどのような問題が発生するのでしょうか。

 まず顕著に見られる症状が、バッテリー上がり。バイクやクルマのバッテリーは、エンジンが稼働している間に充電されていきますが、充電されるまでには30分ほどの時間が必要となることがほとんど。セルモーターでエンジンを始動させると、バッテリーの電気が消耗しますが、走行を続けることで電気が発電されていきます。

 しかし、電気が発電しきる前に短距離ですぐエンジンを切ってしまうと、バッテリーの電気容量が次第になくなり、バッテリー上がりが起こりやすくなるので要注意。

バイクでの短距離走行はエンジン内部に水分が混入しやすくなり、エンジンオイルの劣化を早める要因となる。バイクでの短距離走行はエンジン内部に水分が混入しやすくなり、エンジンオイルの劣化を早める要因となる。

 さらに、短距離走行はエンジン内部に水分が混入しやすくなり、エンジンオイルの劣化を早める要因にもなります。

 雨の日にバイクに乗らないという人は、なぜエンジンに水が入ってしまうのか不思議に思うかもしれませんが、その正体は結露。特に冬に起こりやすい現象ですが、季節に関係なく夏でも起こることがあるので注意してください。

 エンジンは100度以上の高温になるため、外気温との温度差によってエンジン内部に結露が発生する事があるのですが、エンジンが暖まった状態で走行を続ければ結露は蒸発します。しかし、十分に暖まっていないと水分は蒸発せず、エンジン内部に残ってしまう事に。そのため、短距離ばかりだとエンジン内部の蒸発しきれなかった水分が少しずつ溜まっていき、オイルと混ざって劣化を早めるという訳です。

 ほかにも短距離ばかりの走行は、燃費の悪化を招く原因にもなります。近年のバイクは電子制御により気温に応じてアイドリングを調整する仕組みになっているので、暖気運転がほとんど必要ありません。

 エンジンの冷えている始動時は自動で回転数が高くなり、エンジンが暖まるまで燃料を多く消費します。そのため、短距離の走行をくり返していると、トータルで燃費が悪くなるというわけです。

エンジンが暖まりきっていないうちにエンジンを停止させると、燃焼室にカーボンが溜まりやすくなる。エンジンが暖まりきっていないうちにエンジンを停止させると、燃焼室にカーボンが溜まりやすくなる。

 また、エンジンが暖まりきっていないうちにエンジンを停止させると、燃焼室にカーボンが溜まりやすくなります。なぜなら、通常はエンジンが高温になるとカーボンが燃焼されて、エンジン内部から排出される仕組みである為。

 しかし短距離ばかりだと、燃焼されないカーボンの汚れが蓄積されていき、この状態が続くと排気バルブの圧縮不良が起こって、始動性が悪くなったり、パワーダウンなど、エンジン不良の原因になることもあり得ます。

 バイクのコンディションを保つには、定期的なメンテナンスが不可欠で、短距離の走行がメインであれば、バイクの消耗品を交換するスパンを短くするなどして、エンジンへのダメージを最小限に抑えることが重要。

 バイクの消耗品のなかでも、エンジンオイルは「バイクの血液」と呼ばれるほど重要な役割を担っています。交換の目安はメーカーごとに違いがありますが、「3000kmから5000kmごと」もしくは「半年ごと」の交換が一般的。

 なお、早く交換するぶんにはエンジンにマイナスになることはありません。短距離走行ばかりの人は、走行距離に関係なく半年ごとなど期間を目安にしてオイル交換をすると、良いコンディションを保つことができるでしょう。

※ ※ ※

 バイクでの短距離走行を繰り返すとエンジンに大きな負担がかかり、バイクの寿命を縮める原因になります。そのため、通勤や買い物などで毎日のように短距離をバイクで走っている人は、こまめにメンテナンスをすることが重要。

 そして、何よりも定期的に長い距離を走るようにすることで、エンジンを良い状態に保つことができます。1度の走行で20km以上の距離が一番エンジンに良いと言われているので、たまにはバイクでの長距離移動を楽しんで見てはいかがでしょうか。

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