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キャブ車だからなのか! 冬のバイク、エンジンがかかりにくくなるのはなぜ?

バイクのニュース / 2023年12月6日 9時10分

冬になるとバイクのエンジンがなかなかかからなくなるケースがあります。「キャブ車」と呼ばれるバイクによく見られる症状のようですが、これはなぜなのでしょうか。

■寒い日はエンジンがかかりにくい......そんな時はどうすればいい?

寒い日の朝、なかなか布団から抜け出せないという人は多いでしょう。冬になると、我々が起きられないのと似たように、バイクのエンジンがかかりにくくなってしまうことがあります。もしかすると、それはバイクが「キャブ車」だからかもしれません。

エンジンに燃料を供給するキャブレターエンジンに燃料を供給するキャブレター

 そもそも、「キャブ車」というのは、キャブレターと呼ばれる部品でエンジンに燃料を供給するバイクのことを指します。

 現在新車で販売されているバイクの多くは、FI(フューエルインジェクション)車と呼ばれ、キャブレターの代わりにインジェクターと呼ばれる部品を使用していますが、並行輸入のバイクや古いバイクの場合、キャブレターを使用していることがあります。

 キャブレターとインジェクターは、どちらもガソリンと空気を程よい配分にした混合気をエンジンに供給する部品ですが、「機械制御か電子制御か」という点で大きく異なります。

インジェクターを採用したホンダのPGM-FI搭載4ストローク50ccエンジンの仕組みインジェクターを採用したホンダのPGM-FI搭載4ストローク50ccエンジンの仕組み

 キャブレターは、整備の際に設定した一定の配分でしか混合気を供給することができません。配分をセッティングするには分解し、パーツを入れ替える必要があります。一方、インジェクターの場合は電子制御で自動的に配分を調整することができます。

 冬になると空気の体積は小さくなり、同じ量の空気に含まれる酸素の量は増加します。そのためキャブレターの場合、夏に比べて取り込む酸素の量が増えてしまいます。

 そうすると混合気における酸素の量に対してガソリンの量が不足してしまい、エンジンがかかりにくくなってしまうというわけです。なお、インジェクターを使用しているバイクの場合、自動で配分を調整するため、このような理由でエンジンがかかりにくくなることはありません。

 では、キャブ車のエンジンがかかりにくい時は、どうすればよいのでしょうか。

キャブ車に装備されているチョークレバーキャブ車に装備されているチョークレバー

 キャブ車の場合、ほとんどはチョークレバーと呼ばれるレバーがハンドルやエンジン付近についています。このレバーを引くと一時的に空気に対してのガソリンの比率が上がり、冬場でもエンジンがかかりやすくなります。

 チョークレバーを引いてエンジンがかかったら、エンジンが温まるまで数分待ち、ゆっくりとレバーを戻します。エンジンが温まっていればキャブレターが取り込む空気も温められ、空気とガソリンの配分は安定します。

 まだ十分温まっていないタイミングでチョークレバーを戻すと、エンジンが止まってしまうこともあるため、チョークレバーを戻す際は注意しながら慎重に作業しましょう。

※ ※ ※

 なお、古いバイクの場合、寒い日は始動後しばらくしてから走り出すことが推奨されています。

 寒い日は金属部品が収縮しており、部品同士のクリアランスがわずかに広くなってしまいます。そのため古いバイクの場合、エンジンの回転に合わせてカチカチとタペット音がなることも。

 その状態でエンジンを酷使すると、バイクの寿命を縮めてしまいます。どうしてもすぐに走りださなければいけない場合は、穏やかな運転を心がけるなど、バイクに無理をさせないよう気をつけましょう。

最新のバイクの場合、こうした暖機運転は不要とされるケースが多い最新のバイクの場合、こうした暖機運転は不要とされるケースが多い

 最新のバイクの場合、こうした暖機運転は不要とされるケースが多いものの、始動直後に全開走行をすることはやはり推奨できません。というのも、冷えているのはエンジンだけではないからです。

 エンジンと同じように、バイクのタイヤも寒さに影響されます。寒いとタイヤは硬くなり、グリップ性能は低下します。そのためバイクのタイヤが温まるまでは、穏やかに運転した方が良いと言えるでしょう。

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