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ブレーキやクラッチレバーの先端には、なぜ「球」が付いているの?

バイクのニュース / 2023年12月5日 11時10分

バイクのブレーキレバーやクラッチレバーの先端には、排気量やカテゴリーを問わず「球」が付いています。操作性が確保されているなら、もっと自由なデザインで良いような気がしますが、なぜ「球」なのでしょうか?

■レースからのフィードバック!?

 バイクのブレーキレバーやクラッチレバーの先端は、総じて「球状」になっています。デザイン性で考えたら、もっとシャープなデザインの方がスタイリッシュな気もしますが、丸い方がなんとなく安全に感じるのも事実。なにか理由があるのでしょうか?

ブレーキレバーの先端の「球」ブレーキレバーの先端の「球」

 じつはレバーの先端の球は、レースのレギュレーションが起源と思われます。

 2輪モータースポーツを統括する「FIM(国際モーターサイクリズム連盟)」では、ロードレースに限らず、モトクロスやトライアルなど全ての競技車両の技術規則で次のように定めています。

「すべてのハンドルバーレバー(クラッチ、ブレーキなど)は、原則として先端がボール状(このボールの直径は最低16mmとする)となっていなくてはならない。このボールは平らでもよいが、どのような場合においても先端は丸くなっていなくてはならない(平らな部分の厚みは最低14mmとする)」

 そして「日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)」はFIMに加盟しているため、国内でMFJが主催する2輪レースの場合も、車両のレバーの先端は同様に球状でなければなりません。

ロードレースの最高峰MotoGPに参戦するマシンも、レバーの先端はレギュレーションに合致した丸い形状。写真はホンダ「RC213V」(2022年)ロードレースの最高峰MotoGPに参戦するマシンも、レバーの先端はレギュレーションに合致した丸い形状。写真はホンダ「RC213V」(2022年)

 この車両規則の理由は、やはり安全性を考慮したものです。接触や転倒などの際に、ライダーを傷つけないためにレバーの先端を丸くするよう定めたわけですが、それが市販バイクにも広がりました。これもいわゆる「レースからのフィードバック」のひとつと言えます。

 いつ決まった規則なのか定かではありませんが、欧州車や日本製の市販バイクも、おおむね1960年前後からレバーの先端が球状になっています。

 ちなみに国産の実用車では、1950~60年代頃は「球ナシ」のレバーも混在していますが、それ以降は原付スクーターも含めて、レバーの先端はすべて球状になっています。

■球が折れたら車検に通らない……かも

 このレバーの先端の球ですが、立ちゴケした際にその部分だけポキっと折れて取れてしまった経験はないでしょうか?

転倒時などに先端だけが折れるよう、あらかじめ溝が入ったレバー転倒時などに先端だけが折れるよう、あらかじめ溝が入ったレバー

 じつは、近年は敢えて先端だけが折れやすい作りになっているレバーも存在します。これはレバーが根元から折れてしまい、ブレーキやクラッチ操作ができなくなることを回避するためです。また、マスターシリンダーが破損しないための対策とも言えます。

 折れて球が無くなったレバーはカッコ悪いですが、ブレーキやクラッチの操作に支障が無く、「また立ちゴケするかもしれないから……」と、交換せずにそのまま乗っているライダーを見かけることがあります。これは安全の観点からオススメはできません。

先端の球が折れたら、レバー操作が可能であっても速やかに交換する先端の球が折れたら、レバー操作が可能であっても速やかに交換する

 また、レバーの先端が折れた状態では、車両の保安基準で「鋭い突起物は危険である」と解釈され、車検に通らない可能性もあります。

 立ちゴケ等で球の部分が折れてしまったら、速やかにレバーを交換しましょう。

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