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【自転車の種類】お洒落に街中を疾走する「ミニベロ」と、日本独自の「ミニサイクル」

バイクのニュース / 2023年12月12日 11時10分

さまざまなシチュエーションで利用される自転車の多彩な種類についてフカボリ。今回は街中をお洒落に小気味よく走るのにちょうど良い「ミニベロ」と、同じような雰囲気ながら、日本で独自の進化を遂げた「ミニサイクル」を紹介します。

■小さいタイヤと侮るなかれ

 平坦な舗装路を疾走する、舗装されていない荒れた悪路を駆け巡る、果ては砂浜や雪道などの特殊な路面を走るなど、さまざまなシチュエーションに応じて発展してきた自転車ですが、なかでも街中をお洒落に、狭いスペースでも軽快に走り回ることに特化した車種が「ミニベロ」と言えるでしょう。

「ミニベロ」の祖、世界的にも有名な自転車ブランド「モールトン」と、日本で独自の発展を遂げた「ミニサイクル」は、大きなくくりでは「小径車」だがベツモノ「ミニベロ」の祖、世界的にも有名な自転車ブランド「モールトン」と、日本で独自の発展を遂げた「ミニサイクル」は、大きなくくりでは「小径車」だがベツモノ

 フランス語の「ミニ(=小さい)」と「ベロ(=自転車)」が意味する通り、ミニベロはタイヤサイズが20インチ以下のコンパクトサイズの自転車を指します。その起源は、1960年代に英国のアレックス・モールトン博士によって発明されたと言われており、26インチや28インチが一般的だった時代に登場した、20インチの自転車です。小回りの利く使い勝手の良さから世間に大いに受け入れられ、人気となりました。

 いまでこそミニベロという呼び名がある程度一般的となり、タイヤの小さな自転車の総称のように言われていますが、同じようにタイヤが小さいBMXや子供用自転車をミニベロと呼ぶことはありません。同様に、その呼び名では少し意味合いが違う車種に、日本独自の進化を遂げた「ミニサイクル」があります(最近ではその呼び名もあまり使われなくなりましたが)。

 ミニサイクルは、1960年代後半に日本で誕生した、女性向けのタイヤの小さい自転車のことを指します。諸外国でのブームを受けて日本にもミニベロが入ってきましたが、ミニサイクルはミニベロには装備されていないことが多かった前かごを標準装備し、フレーム形状も女性がまたがりやすいよう低床U字型にするなど、国内で独自の進化を遂げました。

 乱暴な分け方にはなりますが、どちらかと言うとスポーティなフレームでタイヤが小さい車種がミニベロ、現代で言うママチャリに近い形でタイヤが小さい車種がミニサイクル、ということになるかと思います。

 ちなみに、このミニサイクルが発売当時爆発的にヒットしたことで、女性の自転車普及率を一気に押し上げ、そこから「母親(ママ)が乗る自転車(チャリンコ)」と言う意味で、「ママチャリ」という俗称が生まれたとも言われています。なので、ミニサイクルを「小さいママチャリ」と呼ぶのは本末転倒と言うか……ややこしいですね。

 自転車の世界にはさまざまな名称が存在します。整理するのがなかなか難しいのですが、無理矢理分けるなら、タイヤの小さい自転車である「小径車」という大きなカテゴリの中に、「ミニベロ」や「ミニサイクル」、そして「BMX」や、最近では子供乗せ用の自転車などが加わるということになるかと思います。

 ただ、同じ「ミニベロ」のなかでもスポーツに特化した本格派タイプから、近所の買い物用に使うお手軽車までさまざまな種類が存在するので、それ以上カテゴライズするのは難しいかもしれません。

 ちなみに、ミニベロの祖と言われるモールトンは、現在でも世界的に有名な自転車ブランドとして存在しています。独特なトラスフレームと独自のサスペンションが特徴的で、スポーツ用に設計されたシリーズのなかには200万円を超えるものもあります。

 小径車と言うとタイヤが小さいので「子供用の乗りもの」と扱われがちですが、その世界は広く、深いのです。

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