ヨーロッパで主流のランドアバウトとは違う？ ロータリー交差点って一体なに

ロータリーと言えば、駅前で多くの車両が周回する場所を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし最近は、ロータリー以外にも「ロータリー交差点」と呼ばれる道路が増えてきています。いったいどのような場所なのでしょうか。

■日本ではあまり普及していない、ロータリー交差点やラウンドアバウトとは？

　ロータリーと耳にすれば、駅前にあるタクシーやバス、送迎車両など、多くのクルマが周回する場所をイメージする人が多いと思います。しかし最近は、「ロータリー交差点」と呼ばれる道路が増えてきています。

　ロータリー交差点は、通常よく見かける交差点の中央がドーナツのような円形になっているもので、「円形交差点」とも呼ばれるもの。ドーナツでいう穴の部分には、車両の通行が禁止又は進入できないよう花壇などの工作物が置かれていることがほとんどで、工作物などが置かれている部分は「中央島」と呼ばれます。

　そしてロータリー交差点には「警戒標識」と呼ばれる、いわゆる道路標識も設置されており、黄色い背景に3つの矢印が回るように印されているマークの標識が設置されている場所は、ロータリー交差点であることを示しています。

最近は、「ロータリー交差点」と呼ばれる道路が増えている

　しかし、ロータリー交差点を表す警戒標識に似たものが存在。それは、「ラウンドアバウト（環状交差点）」であることを示した標識です。回る矢印の形は同じですが、矢印の色は白で背景は青、標識も円形となっていますが、青い背景色なので、こちらは「規制標識」という分類の標識となります。

　ラウンドアバウトはロータリー交差点と形状も非常に似ていて、交差点の中央にはロータリー交差点と同様に車両が進入することができない中央島が設けられています。またロータリー交差点とラウンドアバウトどちらにも共通するのは、「右回り」であること。円形の道路に進入したら、必ず右回りで走行しなければなりません。

　では、ロータリー交差点とラウンドアバウトは、どういった点が異なるのでしょうか。

ラウンドアバウトの場合、円形道路へ進入する際の信号や標識などは設けられていない

　まずロータリー交差点の場合、交差点周辺には信号機や標識が設置されており、それに従って走行することが必要となっています。そのため「左方の道路から同時に当該交差点に入ろうとしている優先順位が同じである車両がある時は、当該車両の進行を妨げてはならない」という道路交通法が該当します。

　つまり左側から進入してくる車両が優先となるため、円形道路を走行している車両は、進入してくる車両を優先して徐行や停止などをおこなう必要があるということです。しかしラウンドアバウトの場合、円形道路へ進入する際の信号や標識などは設けられていません。
　
　国土交通省によると、「環道の交通が優先されるもの」、「環道交通は時計回りの一方通行、信号や一時停止の規制を受けない」、「環道に流入する車両は徐行し、環道に通行車両がなければ一時停止なしに流入可能」とされています。

　つまり、円形道路を走行している車両が優先で、進入する車両は妨げにならないよう徐行等をしながら進入する必要があるという事です。

■バイクでロータリー交差点を走行する時の注意点は？

　では、ツーリングなどでロータリー交差点を通過する場合、どのようなことに気を付けて通行すればよいのでしょうか。

「ラウンドアバウト（環状交差点）」であることを示した標識

　ロータリー交差点もラウンドアバウトも、円形道路から出る場合は左ウィンカーを出す必要があります。しかしロータリー交差点の場合は、進入する際も左ウィンカーが必要となるので要注意。なおラウンドアバウトは、道路交通法により進入時のウィンカーは不要です。

　またロータリー交差点は左から進入するクルマが優先ではあるものの、周辺に設置されている標識や信号がある場合は、その限りではありません。標識などに従って通行することが重要となります。

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　ロータリー交差点とラウンドアバウトは、似ているようで違った意味と交通ルールを持つ交差点です。道路標識をよく確認しながら走行し、ロータリー交差点であるのかラウンドアバウトであるのかを十分に認識した上で、交差点へ進入するようにしましょう。