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何かメリットはある? 高速道路走行中にゴツンと衝撃が来る一見危険な「ジョイント」の正体とは

バイクのニュース / 2024年1月10日 13時10分

高速道路を走行していると、たまにゴツン!と衝撃を受けることがあります。その正体は道路に使用されている「ジョイント」が原因であることがほとんどで、バイクに乗っていると、危ないと感じる事もあると思います。そんなジョイントには、一体どのような役割があるのでしょうか。

■高速道路の継ぎ目「ジョイント」の役割とは?

 高速道路や橋を走行していると、ときどき「ゴツン」と振動を感じることがあります。クルマよりも不安定なバイクでの走行中は、道路から伝わる衝撃に不安を感じるライダーもいるでしょう。

 そんな高速道路の路面には、所々にギザギザの金属プレートがつなぎ目のように合わさって路面に埋め込まれているのが確認できます。この金属の継ぎ目には、いったいどのような役割があるのでしょうか。

この金属のつなぎ目は「ジョイント」と呼ばれるもので、橋梁や高速道路を建設する際にできる隙間を塞ぐための設備この金属のつなぎ目は「ジョイント」と呼ばれるもので、橋梁や高速道路を建設する際にできる隙間を塞ぐための設備

 この金属のつなぎ目は「ジョイント」と呼ばれるもので、橋梁や高速道路を建設する際にできる隙間を塞ぐための設備。正式名称は「伸縮装置」といいます。

 主にアスファルトを舗装して造られる橋や高速道路は、橋桁同士をつなぎ合わせた構造になっています。その際にできる橋桁と橋桁の隙間が開いたままだと、走行する車両に支障がでて大変危険です。ジョイントはその隙間を埋め、橋や高速道路を利用する車両が快適に走れるようにする事を目的に設置されています。

 とは言っても、橋に隙間ができるのなら、建設時にアスファルトで隙間を舗装して埋めてしまえばよいのではと思う人もいるでしょう。ジョイントがなくなれば路面からの衝撃が減り、バイクでも安心して走行することができると思います。しかしジョイントには路面の隙間を塞ぐほかにも重要な役割があるのです。

橋桁同士の干渉を防ぐためにジョイント部分は、ギザギザ形状の金属で橋桁同士を繋いでいる。橋桁同士の干渉を防ぐためにジョイント部分は、ギザギザ形状の金属で橋桁同士を繋いでいる。

 橋や高速道路を形作る主な材料は鉄やコンクリートですが、これらの材料は季節による温度の変化などで伸びたり縮んだりする特性を持っています。たとえば、鉄でできた100mの橋は、温度が40℃変化すると約5mも長さが変わるといわれています。

 また地震が起きた際も、揺れによって橋桁が大きく変形することになるので、つなぎ目となるジョイント部分には隙間を開ける事が必須。そのほか、通行するクルマの振動や空気の乾燥なども橋桁を伸び縮みさせる要因となります。そのため隙間がないと橋桁同士がぶつかって損傷してしまうおそれが有り、とくに大地震が起きた際は、橋桁同士の隙間を開けていなければ、橋が崩落する危険性があるそうです。

 こうした橋桁同士の干渉を防ぐためにジョイント部分は、ギザギザ形状の金属で橋桁同士を繋いでいます。そして橋桁が伸び縮みして動いた際にギザギザの金属も合わせて動くことで、車両の通行を可能にしているのです。したがって隙間を開けることや、ジョイントを設置することは、橋を建設する上でどうしても必要な設備といえるでしょう。

 またジョイントは、つなぎ目から漏水を防ぐ止水機能も持ち合わせており、雨水などの落下を抑制することで、橋桁の下にある金属部分の腐食を防ぐ効果も期待できます。

高速道路を管理するNEXCO各社では、ジョイントの数を減らす「ノージョイント化」への改修工事をおこなっている。高速道路を管理するNEXCO各社では、ジョイントの数を減らす「ノージョイント化」への改修工事をおこなっている。

 ただ、近年では交通量の増加やクルマが大型化していることもあり、それに伴いジョイントの劣化も早まっていることが懸念されています。ジョイント部分の痛みが進むと、アスファルトが凸凹になり、騒音や振動を発生させる要因にもなるため、高速道路を管理するNEXCO各社では、ジョイントの数を減らす「ノージョイント化」への改修工事をおこなっています。

 橋のつなぎ目となるジョイントを減らすことで、段差のないスムーズな走行を実現し、振動や騒音の少ない快適な道路を目指しているそう。ジョイントが少なくなると、劣化したジョイント部分の取替えなどの補修をする必要がなくなるため、改修工事による渋滞の発生を減らす事も可能です。

 ただし、橋桁が伸び縮みする特性は変わらないので、無くせないジョイントもあり、その場合はジョイント部分に滑り止めを施すなどして、安全に走行できるように対策をおこなっているそうです。

※ ※ ※

 このように道路上にあるジョイントには、橋や高速道路にとって重要な役割があります。しかし、バイクで走行するライダーのなかには、ジョイント部分で滑りそうになってヒヤッとした経験がある人もいるでしょう。

 道路上で滑りやすい場所といえばマンホールの蓋がありますが、ジョイントも同じ鉄でできているため滑りやすく、特に雨で濡れた状態だと、一段と滑るので、慎重に運転しなければなりません。濡れた路面上のジョイントのある高速道路や橋では、普段よりもスピードを抑えて走行することが重要。

 また、ジョイントに対してできるだけ真っすぐ進むようにし、ジョイント付近での進路変更や急ブレーキ、急ハンドルをできる限りしないようにしましょう。

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