ピーキーさなく扱いやすさ上乗せ! パワフルかつ軽快な2スト ハスクバーナ「TE 250」が全面刷新で戦闘力UP!!
バイクのニュース / 2023年12月24日 11時10分
2024年型で次世代となった、2ストロークエンジンを搭載するハスクバーナのエンデューロモデル「FE 250」は、ヘッドライトにはLEDを初採用し、エンジン、フレーム、サスペンションほか、ほとんどすべてが新設計です。一体どのような乗り味なのでしょうか。
■全域パワフルで扱いやすい!
オフロードコンペティションモデル(競技用車両)の軽量な車体が搭載する排気量250ccクラスの2ストロークエンジンは、凄まじいほどのパワーを発揮し、ジャンプなどリズムセクションに入ったとき、ピーキー過ぎて持て余すなんてことになりがちですが、全域でコントロールしやすいパワーデリバリーによって安定した車体姿勢を保ちつつ、落ち着いたままこなすことができます。
ハスクバーナ「TE 250」(2024年型)に試乗する筆者(青木タカオ)
気をつけたいのが、テイクオフの際。パワーが足りないと感じると、アクセルを余計に開けて駆動輪を滑らせてしまい、空中でバランスを失うなんてことになりがちですが、ハスクバーナ・モーターサイクルズ(以下、ハスクバーナ)の2024年型「TE 250」はエンジンが全域で力強く心配無用。たとえアプローチの区間が短くても、しっかりと加速、余裕を持って跳び出すことができるのでした。
■目をみはるシャシーの進化
フロントのインナーチューブ径48mmのWP XACTクローズドカートリッジスプリングフォークは、泥の侵入に対する保護を強化した新しいフォークプロテクションリングを採用。リアのリンク式のWP XACTショックアブソーバーは従来型より100gの軽量化を達成し、15mm短縮されたもののトラベル量はフロント同様に300mmを確保しています。初期からしなやかに動いてトラクション性能に優れ、着地で大きな負荷がかかってもしっかりと踏ん張りが効きます。
ハスクバーナ「TE 250」(2024年型)
シャシーは硬さを主張しないまま衝撃に耐えてくれます。クロムモリブデン鋼フレームは、リアショックマウント部をメインチューブから枝分かれさせたことで、強いインパクトをダイレクトに受けず逃してくれます。
大きくなったフットレストは内向きで、抑え込みたい時に力を入れやすい。フットレストから意識的に足を外す際、増えた面積が若干ジャマに感じることもありましたが、それよりも快適性が向上したことに進化を感じます。
2024年型でフルモデルチェンジしたエンデューロ競技用モデル「TE 250」は、前年フル刷新されたモトクロッサーから、こうしたさまざまな進化ポイントを受け継ぎました。
新設計の中空鋳造アルミスイングアームは、1枚のアルミニウムから製造するなど生産プロセスを改良し、剛性を最適化。従来モデル比190gの軽量化を果たしました。
ポリアミド60%、アルミニウム40%のサブフレームも新作で、卓越した高強度と耐久性を持ちながら、総重量をわずか1.8kgに抑えています。
■エンジン単体で1.2kg超の軽量化
水冷2ストローク単気筒エンジンは、ボア66.4mm×ストローク72mmで排気量を249ccとしています。
スロットルボディインジェクション(TBI)技術を採用した、排気量249ccの水冷2ストローク単気筒の新しいエンジンを搭載
始動はセルで一発。軽量なリチウムバッテリーが新採用され、1kgを軽減。マップセレクトスイッチも備わり、EMS(エンジンマネジメントシステム)にはロールオーバーセンサー、つまり転倒や激しい衝突などがあれば検知して点火をカットし、エンジンをシャットオフしてくれます。
新開発の39mmスロットルボディを採用したデュアルインジェクターを備え、低中速域からトルクフルでスロットルレスポンスが鋭く、余裕を持って走ることができます。高回転まで引っ張り上げることなく、ギアを早めに上げてスムーズで軽やかに、リラックスしたライディングを提供してくれるのでした。
■旋回性が高く、直線もスピードを乗せやすい
コーナーの出口ではより速くスムーズに立ち上がり、勢いよくダッシュできるから直線区間でまた余裕が生まれます。旋回中、低いギアで引っ張るとカーブの脱出時に加速の伸びが悪く、ストレートでもリズム良く走ることができません。
ワイドレンジでトラクション性能に優れる新型「TE 250」は軽やかにスピードが乗り、直線区間も高いギアが使えます。ギャップはナメず、リズミカルに飛び越えていこうと走りを切り替えることができるのでした。
■バツグンの戦闘力、これはファン垂涎モノ
大きな石が転がっていたり、木の根が剥き出しになって滑りやすいウッズセクションでも、路面追従性に優れるサスペンションと高いギアの使えるトルクフルなエンジンのおかげで無難に走ることができます。
ハスクバーナ「TE 250」(2024年型)に試乗する筆者(青木タカオ)。コーナー立ち上がりから直線へ向かっての加速がスムーズでリズミカルに走ることができる
歩くような極低速走行も粘り強くトルクを発揮し、オフロードレースを知り尽くした開発陣によって、エンデューロ用にエンジンも足まわりも巧妙な味付けが施されています。
ブレーキは細かく使い続けてもコントロール性を損ないません。フロントフォークはトラベルの最後68mmで効力を発揮、つまり動き出しは柔らかく、深く入った奥で踏ん張ってくれます。
また、フォークレッグの上と下にあるアジャスターは工具不要で調整でき、ライダーはコンプレッションとリバウンドの設定を素早く変更することが可能です。
これまでのゴムバンド式から、シンプルな着脱を可能にした取り付け方法が新しいLEDヘッドライトは、照度が300%アップし、見た目にも精悍なフロントマスクを演出。パワフルかつ軽快で戦闘力はバツグンでスタイリッシュさも申し分なし。
オフロードバイクファンにとっては、喉から手が出るほど欲しくなる最新モデルのひとつと言えるでしょう。
※ ※ ※
ハスクバーナ「TE 250」(2024年型)のメーカー希望小売価格(消費税10%込み)は138万5000円です。
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