親子でおでかけサイクリング 親が走るべき位置は子供の前？ それとも後？

子供が上手に自転車に乗れるようになったら、いよいよ公道デビューです。一緒におでかけできたら行動範囲も広がります。しかし道路には危険がいっぱい。子供の動きに注意を払いながら、どのように自転車を走らせたらよいのでしょうか。

■公道には危険がいっぱい

　まだ1人で外に出すのはちょっと怖い……だけど見守りながらであれば自転車でおでかけできるかも。そんな時、親としてはどの位置を走れば良いのでしょうか？　「飛び出しが怖いから前」なのか、「常に姿が見えるように後」なのかなど、さまざまな意見があると思います。

親子でおでかけサイクリング、親の位置は子供の「前」か「後」か？

　実際のところ、「前を走るべき」、「後を走らなければならない」といった明確な決まりはないようです。ただ、走行位置を考えるにあたってはいくつかのポイントがあります。

　まずは大前提として、公道を走る際に大切なのは「交通ルールを守ったうえで自転車に乗ることができる」ということ。ただ自転車を走らせることができるという程度では、公道に出るべきではないと考えます。

　子供はクルマからは死角になりやすく、交通ルールを守らなければ大人以上にたくさんの危険にさらされます。公道に出る前に交通ルールを確認し、「交差点では必ず止まる」、「左右を見て安全確認する」など、具体的に動けるようにしておきましょう。

　次に走る場所です。自転車は「軽車両」扱いなので、基本的には車道を走行します。13歳未満の子供は例外的に歩道を走ることができますが、親と一緒に歩道を走るとなると話が変わってきます。ただし「自転車及び歩行者専用」の標識があるところでは、年齢に関係なく歩道を自転車で走行することができます。歩道では、車道寄りを走ります。

　なお、歩道にしても車道にしても、2台以上の自転車が横並びで走る「並走」はNGです。道路交通法で禁止事項として定められているので、ルール違反をしたときには罰金または科料が課せられることもあります。

　これらのポイントを理解したうえで、親が走行する位置は子供の「前」なのか「後」なのか？　について、メリットとデメリットを考えてみます。

「親が前、子供が後」の場合、子供の飛び出しの心配が軽減され、交差点での出会い頭の衝突を防ぐことができる一方、振り返らないと姿が確認できないため、常に見守ることができません。たびたび後ろを振り返ることで、親の方が危険な目に遭うケースも考えられます。

　反対に、「親が後、子供が前」の場合、常に子供の状況を把握できますが、飛び出しなどの危険は増します。

　子供の性格や向かう場所などによっても走行位置を考えることができそうです。慎重な性格や、周りを見る余裕のあるタイプの子供であれば、後から見守りつつ走行できますが、猪突猛進タイプの子供の場合は、親が先導する方が良い場合もあります。

　また、普段からよく知った場所であれば子供に前を走らせることができますが、初めての場所では親が先導した方がスムーズでしょう。

　専門家や世間の親の声を聞いてみると、どちらかと言えば「親が後」を推す声が多いようです。それは子供を見守りつつ、後から「声掛け」をすることで安全を促し、先述の「交通ルールの前提」を親子で理解しているからと言えそうです。

　いずれの位置関係で走るにしても、大切なのは事前の準備と確認です。また、人通りの多い場所では無理せず自転車から降りて、歩道を押して歩くといった配慮も必要です。状況に合わせて臨機応変に対応しながら、親子で安全におでかけしたいものです。