500㏄でもシッカリ「ハーレー」！ハーレーダビッドソン「X500」に試乗 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション

レーシングライダーの石塚健選手が試乗した、ハーレーダビッドソン「X500」の乗り味をレポートしてくれました。

■驚いたのは500㏄とは思えない「ハーレー感」

　皆さんこんにちは！レーシングライダーの石塚健です。

　今回インプレしていくのは、2023年10月20日にハーレーダビッドソンから発売されたばかりの、中排気量クラスの新型モーターサイクル「X500」。同じく今年の3月に排気量353ccのエンジンを搭載した「X350」が発表され話題を集めましたが、新たに登場したX500は、X350と同じく中国の二輪トップメーカーのひとつ、「QJモーター社」との協力関係により生まれた一台です。

　イタリアの老舗ブランド「ベネリ」の「レオンチーノ500」をベースに製作されたX500は、排気量500ccの水冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンが搭載されています。

ハーレーダビッドソン「X500」と石塚健選手

　スタイリングは、丸みのある燃料タンクが印象的で、ロングサイレンサーに短めテールの組み合わせが絶妙にマッチしている所も、オシャレ度が高め。全体的にポップな印象に仕上げられていて、個人的にとても好みです。

　早速またがって、まずは足つき性を確認していきます。

　シート高は820mm。ぱっと見かなり大きめに見えるのですが、身長165cmの僕がまたがると、意外にも問題なく支えることができました。着座位置の真下にステップがあるので、足を前に出して支えるか、後ろに出すかはそれぞれかなと思います。

　シートのクッション性もよく、快適な座り心地とタンクの形状もホールドがしやすくて、かなり収まりが良い印象です。

ハーレーダビッドソン「X500」のシート高は820mm、身長165cmの僕がまたがると意外にも問題なく支えることができるx001

　ライディングポジションは、ハンドルが割と高めにセットされている上にワイドめ。

　町中でのUターンや細かな切り返しでハンドルを大きめに切ると、僕の場合腕が伸び切りそうになっていたので、500㏄という中型に近いモデルだと油断せず、大型車に乗っているという感覚で運転することが必要だと感じました。

　それでは、エンジンを始動させて走行していきます。

　乗ってみての第一印象は、あ、ハーレーだ！という感じ。というのも、個人的にハーレーといえば大排気量エンジンでドコドコと重低音を響かせながら走っていると言うイメージで、まさにそのイメージそのもの。

　もちろんハーレーの中で言えばX500の排気量は小さいほうなので、エキゾーストサウンドにそこまでの迫力はありませんが、しっかりと鼓動感があり、スロットルを回せば野太いサウンドと共に力強く加速してくれます。

　また、どっしりとした重厚感があり、直進安定性に優れている点も、まさにハーレーと言った感じ。長距離運転も苦にならず、飽きずに淡々と走れそうな楽しい1台です。

ハーレーダビッドソン「X500」の鼓動感を楽しみ走行をする石塚健選手

　そして特記すべき点は、何と言っても旋回性！

　車両重量208㎏もあるX500ですが、走行中に曲がりたいと思った時にはもう舵角が効いている、というくらいステアリングレスポンスが良く、ハンドリングは見た目以上に軽く、切り返し等も俊敏な事にも驚きました。

　しかしながら当然、走行時以外の取り回しでは、かなりの重量感やサイズ感を感じるので要注意。駐輪場からの出し入れなどは、どうしても少しヒヤッとしてしまう事も多々ありました。

　そんなハーレーダビッドソンX500の価格（消費税込）は、83万9800円。カラーバリエーションはドラマティックブラック、ダイナミックオレンジ、スーパーソニックシルバー、パールホワイトの4色展開となっています。