バッテリー交換式の電動バイクは何かメリットがあるのか?
バイクのニュース / 2024年1月4日 11時10分
徐々に普及が進みつつある電動バイク。電動バイクは主に充電式とバッテリー交換式の2種類に分けられますが、バッテリー交換式の電動バイクには何かメリットがあるのでしょうか。
■バッテリー交換式の電動バイクがあるって知ってた?そのメリットとは
2020年から首都圏を中心に郵便配達のバイクの多くが電動化されたことで、街中で電動バイクを見かける機会が少しずつ増えてきました。だんだんと電動バイクも身近な存在になりつつありますが、一般向けのモデルとなると国内メーカーで販売されているのはほんの一握り。クルマのEVと比べると、まだまだ少ないのが現状です。
電動バイクには、「充電式」と「バッテリー交換式」がある
普及が進まない理由には、バッテリーの充電に時間がかかることや、航続距離が短いことが挙げられます。ガソリン車と比べるとこの2つの性能が圧倒的に劣るため、けっして使い勝手がよいとはいえません。しかし充電時間と航続距離の問題が解消されれば、電動バイクの普及は一気に進みそうです。
そもそも電動バイクには、「充電式」と「バッテリー交換式」があり、それぞれ充電の方法が異なります。
充電式は、バッテリーがバイクの本体に組み込まれているタイプで、家庭用のコンセントから直接コードを引いて充電が可能です。取り外すことができないため、重いバイクをコンセントの近くまで移動させる必要があります。そのため、アパートやマンションなどに住んでいる人は少し大変かもしれません。
そしてバッテリー交換式は、主にシート下に収納されているバッテリーを取り外しできるタイプ。バッテリーだけを持ち運べるため、バイクから抜き取って部屋に持ち込んで、家庭用のコンセントに挿して充電できます。
ホンダのバッテリー交換式電動スクーター「EM1 e:」
なお、ホンダはバッテリー交換式の電動スクーター「EM1 e:」を、2023年8月24日に発売しました。定格出力0.58kwのインホイールモーターを採用した原付一種モデルです。交換バッテリーの「ホンダ・モバイルパワーパックe:」を搭載し、自宅のコンセントから充電が可能。航続距離はフル充電で約53kmとなっており、充電時間は残量0%の状態から約6時間で完了するそうです。
またヤマハからは、台湾メーカーのGogoroとの協業で開発された、バッテリー交換式の電動スクーター「EMF」を、2022年3月に台湾で販売を開始。最大出力7.6kwを発生するモーターを搭載した原付二種相当のモデルです。小径ホイールによる鋭い走りが特徴で、スタートから50km/hまで3.5秒で加速します。また、台湾国内に設置されたバッテリー交換ステーション「GoStation」の利用が可能です。
これら2つの車種に使われている交換式バッテリーは、バイクから取り外して気軽に充電できるのが最大のメリット。電動バイクのネックの一つである充電時間がかかる問題も、交換式バッテリーであれば解決することができます。
たとえば、予備のバッテリーを用意すれば、1つのバッテリーを使用中に予備のバッテリーを充電しておくことが可能です。走行後にバッテリーの残量が少なくなったら、乾電池のように充電済みのバッテリーを交換することで、充電のための待ち時間を実質ゼロにすることができます。
充電式のようにバイクを移動させる必要がないので、持ち運んで場所を選ばす充電が可能です。また、1回の充電にかかる電気代も数十円ほどなので、ガソリン車に比べて約3分の1程度の燃料代で済み、経済的にもお財布にやさしいモビリティといえます。
「ホンダ・パワーパックエクスチャージe:(Gachaco)」と呼ばれるバッテリーシェアリングサービスに利用されている
そして、交換式バッテリーのメリットを最大限に活かすには、バッテリー交換ステーションの利用が欠かせません。ホンダは、12本の交換バッテリーを同時に充電できる「ホンダ・パワーパックエクスチャージe:」を市場に導入しています。
ホンダ・パワーパックエクスチャージe:とは、バッテリーをシェアリングするために街中に設置された交換ステーションのことです。人の多く集まる場所に交換ステーションを設置することで、電動モビリティなどは走行中にバッテリーの残量が少なくなったら立ち寄って、充電済みのバッテリーに交換することができます。これにより、電池切れを心配をすることなく電動モビリティを利用でき、航続距離の問題も解消されます。
ホンダの交換バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」
また、ホンダの交換バッテリーである「ホンダ・モバイルパワーパックe:」は、メーカーの枠を超えて採用されており、「Gachaco(ガチャコ)」と呼ばれるバッテリーシェアリングサービスに利用されています。
ガチャコとは、ENEOSホールディングスと国内4大バイクメーカーで、2022年4月1日に設立された合弁会社です。電動バイクの共通仕様バッテリーのシャアリングサービスとバッテリー交換のインフラ整備を目的としています。
バッテリー交換ステーションは、ENEOS既存のガソリンスタンドやコインパーキングなどに設置されています。ガソリンのように消防法の制限がないため、今後は駅前や店舗などの身近な場所にも交換ステーションが設置されていく予定のようです。
これまでは、実証実験に参加している法人のみが利用できるサービスとなっていました。しかしガチャコの発表によると、ホンダの電動バイク「EM1 e:」の発売に伴い、2024年1月9日より、個人向けのバッテリーシェアリングサービスを開始するとアナウンスしています。
さらにガチャコでは、2024年3月末までに東京都23区内の70か所に「Gachacoステーション」を設置する予定とのこと。街中の至るところで手軽にバッテリーが交換できるようになれば、電動バイクはもっと身近な存在になるかもしれません。
※ ※ ※
バッテリー交換式の電動バイクは、バッテリーを取り外して手軽に充電できるのがメリット。さらに予備バッテリーを用意すれば、充電の待ち時間をなくすことも可能です。
また、バッテリーのシェアリングサービスを利用できるようになれば、電池切れの心配もなくなります。今後はバイクの世界も、一気にEV化へと加速していくかもしれません。
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