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バイクのヘッドライトが片方点灯してない!これって故障じゃないの?

バイクのニュース / 2024年1月7日 9時10分

街中では、たびたびヘッドライトが片方しか点灯していないバイクを見かけることがあります。これは故障ではないのでしょうか。また、何かしらの違反に問われることはないのでしょうか。

■バイクのライトが片方しかついてない!これって故障?

 ヘッドライトはバイクの顔ともいえる重要なパーツ。ライトの形や光り方でイメージが大きく変わるため、バイクを購入するときに真っ先にチェックする人もいるのではないでしょうか。

 そんななか、最近のカウル付きのバイクやスクータータイプのバイクでは、2眼式のヘッドライトが増えています。街中でこれらのバイクとすれ違うときに気付くのが、 “ライトが片方しか点灯していない” ケースが多いこと。

ライトがふたつ並んでいて片方が消えているモデルは、球切れではなく最初から片方のライトしか点灯しない構造になっているライトがふたつ並んでいて片方が消えているモデルは、球切れではなく最初から片方のライトしか点灯しない構造になっている

 ライトがふたつ並んでいて片方が消えていれば、ただ単に「球切れしているだけ」とほとんどの人は思うかもしれません。これは故障でもしているのでしょうか。

 じつはこれは球切れではなく、最初から片方のライトしか点灯しない構造になっているもの。つまり、メーカーの仕様です。もちろん、すべての2眼式ライトのバイクが片方点灯というわけではありません。片方がロービームでもう片方がハイビームの場合、ハイビーム時だけ両方点灯する場合、ロービーム・ハイビームとも両方点灯するケースなど、車種やメーカーによってさまざまです。

 片方のライトだけだと、「夜走るときに暗いのではないか」と心配になる人もいるかもしれません。しかし、片方点灯でも十分な光量が得られるように設計されているので、暗い夜道でも不満を感じることはないようです。もちろん保安基準にも適合しているので、車検も問題なくクリアできます。

 なお、バイクのヘッドライトの設置については、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告知」の第198条7項1に「 すれ違い用前照灯の数は、2個であること。ただし、二輪自動車、側車付二輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、最高速度 20km/h 未満の自動車並びに幅0.8m以下の自動車にあっては、1個又は2個であること。」と明記されています。

 条文では、ヘッドライトの数をクルマは2個必要ですが、バイクの場合は1個でも良いとされています。

 また同条7項5によれば、「前面が左右対称である自動車に備えるすれ違い用前照灯は、車両中心面に対し対称の位置に取り付けられていること。ただし、すれ違い用前照灯の側方に走行用前照灯を備える二輪自動車にあっては、走行用前照灯及びすれ違い用前照灯の中心が車両中心面に対して対称の位置にあればよい。」とのこと。

2眼式ライトの場合は、片方がロービームであれば、もう片方がハイビームでも良いとしている2眼式ライトの場合は、片方がロービームであれば、もう片方がハイビームでも良いとしている

 なお2眼式ライトの場合は、車両のフロント部分の中心から左右対称に取り付けられてなければなりません。そして片方がロービームであれば、もう片方がハイビームでも良いとしています。

 つまり、クルマの場合は左右2つのライトの設置が義務ですが、バイクの場合は片目点灯が法律で認められているというわけです。ちなみに、条文中の「すれ違い用前照灯」はロービームのことで、「走行用前照灯」はハイビームのことを指します。

 そのほかヘッドライトの保安基準も細かく仕様が決められており、すべての基準をクリアしなければ公道を走ることはできません。たとえばロービームが40m、ハイビームで100m先の障害物を確認できること。ライトの色は白色、取り付け位置は地上から1.2m以下など、さまざまな決まりがあります。

バイクブームの絶頂期だった80年代に発売されたホンダ「CBR400RR」バイクブームの絶頂期だった80年代に発売されたホンダ「CBR400RR」

 ちなみに最近よく見られるようになった2眼式ヘッドライトですが、ひと昔まえのバイクにも多く採用されていました。それがバイクブームの絶頂期だった80年代。1982年に規制が緩和されカウルが認可されると、耐久レーサーをモチーフにした2眼式ライトのバイクが各メーカーから続々と登場し、瞬く間に若者の間でブームになりました。

 現在では、睨みを利かせたシャープなデザインの2眼式ヘッドライトが主流です。しかし、当時のバイクは丸形の2眼式が一般的で両方のライトを必ず点灯しなければならない決まりでした。

 しかし、輸入車でハイビームとロービームが別々で点灯するモデルが登場したため、それに合わせる形で保管基準が見直されることに。その結果、ハイ/ローが別々で点灯する場合は、“合わせて1つのライト” という考え方に変わったようです。

 片方点灯の利点は、ハイ/ローが独立することでリフレクターの構造を簡略化でき、コンパクトにできること。また、バルブ数もハイ/ローで1つずつになるので、製造コストだけでなく消費電力も抑えられるメリットがあります。

 こうして輸入車がきっかけでバイクの片方点灯がOKになり、さらにメリットも大きいことがわかったのです。それ以降は、各メーカーから2眼式ライトのモデルが次々と販売されるようになり、現在に至っています。

※ ※ ※

 バイクのヘッドライトの片方点灯は、球切れや故障ではなくメーカーの仕様によるもの。もちろん違反ではないですが、しばしば警察に停められて球切れを指摘されることがあるようです。

 ヘッドライトの片方点灯については「レーシーで格好よい」という意見もあれば、「片方しか点灯しないのはバランスが悪い」などの意見もあり人それぞれ。2眼式のバイクを購入する際は、ライトの点灯スタイルも重要なチェックポイントと言えるかもしれません。

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