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現金とカードではガソリンの値段が違うのはなぜ?規約違反ではないのか

バイクのニュース / 2024年1月5日 15時10分

一部のスタンドでは、現金払いとカード払いでガソリンの価格が異なることがありますが、これはなぜなのでしょうか。また、カード会社の加盟店規約に違反していることにはならないのでしょうか。

■カードと現金で違う値段?なぜ現金の方が安いことがあるのか

 ガソリン価格は数年前に比べて大きく値上がりし、バイクに乗る我々の生活にも大きな影響を与えました。2023年8月や9月の爆発的な値上がりに比べると、今の価格はやや落ち着いているものの、以前の水準と比べるとまだまだ安いとは言えません。

 また、店舗によってもガソリン価格には大きな差があります。高い店舗と安い店舗では、1Lあたりの値段が10円以上違うケースもあり、安いガソリンスタンドを探して何店舗も巡った経験のある人も多いでしょう。

ガソリン価格の仕組みは複雑で、安い店舗を見つけても会員か否か、ポイントカードを使うか否か、クーポンを持っているかなど、さまざまな要素によって価格が変わるガソリン価格の仕組みは複雑で、安い店舗を見つけても会員か否か、ポイントカードを使うか否か、クーポンを持っているかなど、さまざまな要素によって価格が変わる

 ガソリン価格の仕組みは複雑で、安い店舗を見つけても会員か否か、ポイントカードを使うか否か、クーポンを持っているかなど、さまざまな要素によって価格が変わってきます。

 そんな価格を決定する要素のひとつに、支払い方法があります。一部の店舗では、クレジットカードで支払う場合、現金価格に比べて1〜2円程度高くなっている場合があります。

 クレジットカードに詳しい人なら、一度はこれについて疑問を持ったことがあるでしょう。なぜなら、基本的にクレジットカードの使用者に対して価格を上乗せすることは、各カード会社の加盟店規約によって禁止されているからです。

 一部の飲食店などではクレジットカードを使用する際に、手数料として会計に数%の金額を上乗せする行為が横行しています。これはれっきとした規約違反行為であり、たびたび問題になっています。

 そのほか、利益率の低いランチタイムにはカード払いを拒否したり、会計金額が高い場合にしかカード払いを認めないなどの行為も規約違反に該当します。店舗が規約違反している事実がカード会社に認められた場合、是正指導がおこなわれ、それでも改善が見られない場合契約解除、というのが一般的な流れです。

 確かに、店舗側にも手数料を上乗せしたくなる事情があるのは事実。というのも、会計をクレジットカードで支払われた場合、そのうち数%をクレジットカード会社に手数料として引かれてしまうからです。
 
 では、ガソリンスタンドのガソリンの価格差も同様に規約違反となるのでしょうか。

 飲食店の例を見ると、ガソリンスタンドでの価格差も一見、同様に規約違反のように思えますが、実際はグレーゾーンのようです。

クレジットカード払いの際に手数料を上乗せするのではなく、現金払いの際に価格を割引するという仕組みになっているクレジットカード払いの際に手数料を上乗せするのではなく、現金払いの際に価格を割引するという仕組みになっている

 現金払いとカード払いで価格に差を設けているガソリンスタンドでは、多くの場合、クレジットカード払いの際に手数料を上乗せするのではなく、現金払いの際に価格を割引するという仕組みになっています。そのため、理屈の上ではカード払いの際に手数料を上乗せしていることにならないため、先述の飲食店の例のように違反だと見なされないケースもあるようです。

 ただし、カード会社の規約によっては「手数料の上乗せ」ではなく、クレジットカード利用における「差別的な取り扱い」を禁止しているところも。手数料の上乗せがなくても現金価格が優遇されている場合、解釈によっては規約違反になる可能性もあるのです。

※ ※ ※

 1円単位での熾烈な価格競争をしているガソリンスタンドにとって、クレジットカードの手数料が大きな負担になっていることは想像に難くありません。現金価格とカード価格に差を設けているガソリンスタンドが見られる背景には、このような事情があるのです。

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